ラ・ヴィータ イタリア

イタリア:ベニスでの日常生活やベネチアンガラス工房のお店“L'albero”での出来事、イタリア&海外お奨めスポットなど

ラルベロのスペシャルな飾り皿 パート1

2024-03-22 08:03:55 | ラルベロ(店)商品情報

ベネチアンガラス工房 ラルベロ → ここ では

アクセサリーをメインにいろいろ多数制作しておりますが

 

飾り皿も人気の商品となっております

 

手のひらサイズのミニ飾り皿から

大きいお皿、

形も様々

人気があるのはリーフ型

アンティークのガラス材料で制作したリーフ型

そして一番大きいサイズはこれ

お皿は形が大きくなればなるほど、色を沢山使えば使うほど

窯出し後にヒビが入る確率が高くなります

 

何時間もかけてデザインして慎重に焼き上げたお皿でも

窯から出したらしばらくしたらヒビが入ることも多々あります

 

驚くのは焼き上げて1週間ほど経過してからこれでもう大丈夫だろうと

仕上げに入りかけたとたん徐々にヒビが入ることもまれにあるのです

 

ガラスは本当に奥深くガラス職人歴63年のPinoも「まだまだ分からないことがある」と

いつも言っています

 

若いころムラノ島の有名工房を渡り歩き武者修行したPino

ヒビが入ることで工房が受注した作品を納期までに間に合わせることができなかった事が多々あると

窯出し後の“ヒビ割れ”はガラス職人にとっては永遠のテーマのようです

 

Pinoもガラスは何が起こるかわからないといつも言っております

 

窯出し後ヒビが入ってしまう、、、、焼いた作品がすべて完璧な状態ではでてこない

等々はどれほど長く経験を積んだガラス職人でもついて回る宿命なのです

 

体験工房でお客様が制作された作品にヒビがはいったらどうしようといつもドキドキしている私です

(※ ヒビが入っても焼き直すことですべて修正できますのでご安心ください)

 

ムラノ島にある大きな工房では制作は分業制であることが多く

企画デザインする人→パーツ制作する人→マエストロにより作品制作→仕上げ作業:研磨やカッティングなど

多くの人の手によって作品が出来あがります

それぞれの加工過程にエキスパートがいて自分の専門分野以外は意外と

作り方がわからないというマエストロもいらっしゃるようです

 

Pinoがムラノの工房にいた時は主にカッティング作業を担当していました

今ではその時に積んだカッティング技法の経験がPinoの秘密兵器となりました

 

その昔ある作品のカッティング作業をしていた時にそれを見たガラス関係者が

「Pinoはガラスをやるために生まれてきたような人だ」とおっしゃったとか

 

現在ラルベロで制作しているオリジナルなアクセサリーは

このPinoの自由自在にガラスをカッティングする技法がなければ仕上がらないのです

 

次回はそんなラルベロの飾り皿をオーダーしてくださった方のお皿を紹介いたします


ファンタジーイタリアンDNA 花瓶からガラススタンドライト

2024-03-11 08:01:04 | ラルベロ(店)商品情報

先日Pinoの友達パオロから

「Pinoちょっとお願いがあるんだけど~」と

で近くのカフェで待ち合わせ

 

パオロがおもむろにテーブルの上に持ちだしたのがこれ

細長いガラス花瓶

 

お願い毎は激安で手に入れたこの花瓶をこの黒の線ののとこで

切って欲しいとそしてそこも穴をあけて欲しいと

 

お安い御用とお店でガラスを切って

研磨して

パオロに渡すと

こんな感じのスタンドライトになりました

なかなかいいですね~

激安花瓶がおしゃれなスタンドライトに変身しましたよ!

 

ガラスを自由自在に切るのもPinoの得意分野です


Pino 深紅の赤色 オーダーのバイオリンパーツに挑戦

2024-03-04 07:41:52 | ラルベロ(店)での出来事

ラルベロ:Pinoの元には毎年いろんな方がいろんな要望を問い合わせてこられる

 

基本オーダーは受けないPinoですが

自身にとって挑戦したいと思うものは「やってみる」といって引き受けることがあるのです

 

過去にもありましたね

「遺品の腕時計」① → ここ

「遺品の腕時計」② → ここ

 

「Piさんに課された宿題」→ ここ

 

今回は2023年の春の出来事

ローマ在住の音楽家:バイオリニストさんからの依頼

私がお店で一人留守番をしていた時ふらりと来店されました

「Veneziaにきたらこのお店でいつもカフスを購入している」と言われ

今回もご購入して頂きました

いままでラルベロでいくつか購入されていたようでそんな流れからいろいろ話していくうちにこんな質問が

 

「実は僕音楽を生業にしていてバイオリンを弾いているんだけど自身のバイオリンに飾りを付けたいと思っている」と

話を聞くとこんなバイオリンパーツの先に赤いガラスを張り付けたいとのこと

聞いている限りではPinoならできそうな話

翌日に再来店して頂き直接Pinoと話してもらう事になりました

 

じっくり話込み依頼を受けたPiさん

こんな感じに仕上げました

つけたらこんな感じ

横からみるとこんな感じ

全部で8個必要とのことで

せっせと仕上げてローマに発送

 

到着後大喜びの御礼の電話ありました

是非バイオリンに張り付けた状態の写真を見せて欲しいとお願いして受注完了

 

それから数か月して彼が再訪

どうだったかと聞くと「ちょっともう少し調整をお願いしたい」と

 

Ka「えっ調整?これ以上どんな調整?」と聞いてみると

 

バイオリニストにとって重さはとても重要で少しでも重くなると演奏に支障をきたすので

このガラスをもっと薄く軽くしてほしいと

 

Ka「指先で持つもの大変なガラスパーツをこれ以上薄くするって、、、、Pinoとうするんだろうか?」と思っていた私ですが

 

Pi「うーんかなり大変だけどやってみる」と

 

で仕上げました一つずつ自身の指をすり減らしながら薄く薄く

こんな感じに

Pino曰く「ミラクルだ~できた~」と

並べてみるとよくわかりますね 平たく薄くなりました

これで問題の重みも解消です再度ローマに送ってまた数か月たって

送られたきた写真がこれ

わ~素敵に仕上がりましたね!オリジナル~💕

これだけ薄かったら演奏も問題なくできますよね!

 

あとあと話を聞くとこの赤色をまさかムラノガラスで表現できると思っていなかったと

自分が希望するもの(深紅の赤色)は日本の漆塗でしか無理だと思っていたと

 

でもラルベロで商品を見ているうちにこの真っ赤な漆のような赤色に目がとまり

もしかしたらガラスでできるかもとダメもとで依頼されたようでした

 

イタリア人ファンタジーあふれていますね~

この方もPiさんも固定観念にこだわらないところがイタリア人DNAですね!

 

という事で世界で一つムラノガラスが飾りでついたバイオリンが誕生いたしました!

 

ちなみにこの赤色のベネチアンアガラスは本当に漆塗りのような深紅の赤色です

ガラスでここまで深くて綺麗な赤色は探してもなかなかないんですよね