ラ・ヴィータ イタリア

イタリア:ベニスでの日常生活やベネチアンガラス工房のお店“L'albero”での出来事、イタリア&海外お奨めスポットなど

過去最高に難しかったオーダー作品

2024-04-16 05:17:22 | ラルベロ(店)商品情報

今から14年前の2010年の話です

この年ある男性がこんな1枚のデザイン画をもってラルベロにご来店されました

 

「これと同じデザインのペンダントをムラノガラス:ヴェネチアンガラスで制作してくれる人を探しているのです」と

 

聞くと「ムラノ島でこれを作ってくれそうなマエストロに個々依頼したのですが

皆このデザインをガラスで制作するのは無理だと」断られてしまったと

 

他にムリーネを作れる人はいないかと探していたらムラノ島のマエストロ達から

「Pinoに聞いてみたらいいのでは?」っという事でご来店されました

 

実はこの方ムラノ島の有名な工房の経営者の方でPinoもこの時が初対面だったのですが

ムラノ島に人脈があってマエストロたちも多く知っていても

誰もこれを引き受けてくれない途方に暮れていたところPinoの事を知ったとのこと

 

Pinoデザイン画をじっくり見つめしばらく考えって「チャレンジしてみる」と返事

Piさんの職人魂がふつふつと燃えてきたようです

 

きっと心の奥底で難しいけど「できるかも」って気持ちがチャレンジにつながるのでしょうね

 

しかし

デザイン画みているとこの繊細なデザインをどうやってガラスで表現するのだろうか?

なんせ14年も前の事で当時の私はまだPinoがどれだけの器量をもっているのか全く分かっていなくて

この難しいデザインを引き受けた事に驚きもせずただどんな風に出来上がるのか興味津々の私でした

 

これが今だったら「あ~またそんなとんでもない依頼を受けて一体どうするの~」

って言ってしまいそうです(笑)

 

出来上がるまでの間何度も依頼者の社長さんお店にこられて

「Pino ペンダントできた?アメリカから催促されてるんだけど」って

言われてれたのを今書いていて思い出しました~

オーダーのお客様を待たすそのあたりは今も昔も変わりないPino

とことんマイペースなのです

 

で数か月たって出来上がったペンダントがこちら

 

なんとほぼデザイン画通りに仕上がっているではありませんか

大きさもめ依頼通りの巨大ペンダント

お得意(Pinono秘密兵器)のカッティングで

ここまで薄く仕上げました

「できたよ~」とお知らせすると飛んでこられた社長さん:A氏

一目見た途端「Pino !ブラーボ!凄い」と大喜びされていました

「で制作費はいくら払ったらいいかな?」って聞かれ

答えたPino「〇〇〇ユーロ」って

 

当時のまだ何もわかっていなかった私でも

「ええ~こんなに大変な仕事してその値段?Pino本当にそれでいいの?」って思うほど超破格で販売

 

それから又数か月が経ち社長さんまたご来店

この作品が最終誰の元に販売されたかお話に来られました

アメリカの有名宝石メーカー:T社からの依頼で最終顧客は

あの世界一有名な画家:ピカソの娘さんとのこと

 

びっくりPinoの作品が海を渡ってペンダントに貴金属で飾りが付き破格なお値段で販売されたらしいです

最終どんな風にデコレーションされたのか見たかったな~

 

そしてこんな裕福層に販売されるとわかっていたら

もう少し制作代頂いてもよかったんじゃないと思ってしまった私でした(笑)

このあたり最後までエンドユーザー詳細を明かさないのは社長さん超商売人やな~

 


ラルベロのスペシャルな飾り皿 特別オーダー

2024-04-05 05:38:05 | ラルベロ(店)商品情報

毎年夏にご来店いただくRちゃん

彼女が初めてラルベロにご来店いただいたのは2012年の夏でした

 

その時はベネチアンガラス制作体験をして頂き

記念にピンクのラルベロスペシャルバージョンの飾り皿をご購入頂きました

それがこちら

 

実はこのスペシャルバージョンの飾り皿は数年に1回しか制作できない代物なのです

何故に数年に一度かともうしますと

この細かい柄はラルベロペンダントを制作するときに出てくるガラスを利用してデザインしております

 

一つ一つデザインして焼き上げるラルベロペンダントは大量生産できない為

同じ色合いでこのシリーズの飾り皿を作ろうと思うと何年もかけて材料を集めないと作れないのです

 

Rちゃん最初に購入されたピンクのスペシャル飾り皿すごく気に入っていただいたようで

翌年はブルー系の色違いで制作してほしいとオーダーがはいりました

 

「ブルー系のラルベロは制作数も少ないのでかなり待っていただかないといけないですがいいですか?」と確認すると

「何年でも待ちます」と心強いお言葉を頂き

 

そして何年もかけて材料を集め制作したにもかかわらずそんな大切なお皿に限って

ヒビが入ってしまうなど

何度も材料を一から集め直しやっと出来上がったのがこちら

なんと10年も待たせてしまいましたよ

制作も苦節10年でしたが:笑

お待たせ時間10年も最高記録となりました

 

こんなに長くお待たせして申し訳ございませんでした

それでもRちゃんからは「10年待ちましたが感無量です」っと言って頂き

ラルベロファンのお客様には本当に頭が下がります

 

後日送られてきた写真には

彼女の自宅のコレクションボードにこんな風にペアで飾っていただきました

いやー素敵だわ~こうやって並べてもらえるとより一層いいですね!

 

 

ちなみに今まで制作したこのシリーズ

これは京都の実家にPinoがプレゼントしたもの

クリスマスバージョンです

 

こちらはグリーン系で

赤系はこれ

シックなブルー系

などなど

 

つい先日数年ぶりに完成した赤色バージョンが

やはり12年ぶりにイタリアに来られたラルベロファンのお客様の元にお嫁に行きました

 

さて今年は何色が制作できるかな?

そろそろ集まってきている材料を整理しはじめないと