大台ケ原頂上には、神様はもういませんでした・
あらゆる所で立ち枯れる木。
そしてその木は、森を失ったハゲ山になった山頂を直接襲う風に、
根こそぎ倒れて行く。
倒木して、地面に垂直になった木の根。
これだけ平面に広がってると言うことは・
この頂上の下は岩盤である事が解る。
ここもたぶん・玉置山と同じく大昔に海底が隆起した場所。
でもそんな中、少しずつ繁殖を続ける木もあるらしい。
神の使い登場!
それは、鹿が唯一表皮を食べない木らしいのですが・
私が今回ここに導かれ、
ここがこんなに枯れてしまったと思う原因はただ一つ。
それは、
確実に何十年か前にここにドライブウェイを通した事。
(大台ケ原下にある秘湯小処温泉にての、神の使いの剥製)
決して!神の使いのせいにしないで下さい。
彼らは、ここのどのエリアでも暮らしています。
食べるものが豊富な場所ではどの樹木の表皮も食べる必要はありません。
気の遠くなる程長い時間神様が仰わせられたこの頂上の森は、
車道が出来た事で簡単に車が上がれる事になり、
一瞬にして枯れる。
少し前までこの頂上は「魔の山」と呼ばれていました。
「たたら神」の住む、入れば金縛りに遭い体が痺れ、
二度と出る事が出来なくなるお山。
遥か西に望む、ここより500メートル高い大峰奥駆道と同じく、
このエリアが全て、人の入山を拒む聖なる山であった事は確かです。
大峰奥駆はこの現代に於いても、
今も女人禁制で、自分自身をも護り続ける。
決して女性が山を登る事がどうの・こうのと言う訳ではなく、
女性は山に登った男性を待ち迎える役割で、
男性の方がまだまだ修業が足りないらしく、
山にも登らなければいけないらしい。
まだ・入山する者が、
修験者の方達の様な信仰心のある者であれば山は汚れない。
ただ・車が簡単に入れる事になり、
下界と同じレベルで、簡単に山々を歩く者が増えた事。
人間の邪念が一番の諸悪の根源!
それで、森の精霊も居辛くなり、
樹木を養うバランスが崩れ、
樹木やコケやシダは消滅。
遅ればせながら・
今年より大台ケ原の自然保護で西大台の入山制限が始まる。
頂上とは違い、幸いにも今も屋久島の様に苔むす森が今もまだ残る場所。
山が汚れるのは決して神の使いのせいではありません!
それを・確信しながらも、
帰路、神の使いの剥製のある温泉に浸かり、
さらに、帰り道での・
神の使いの絶品の
「シカ刺」に、
巡り会ってしまいました。