くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

スリップ③ (安堵)

2020-06-21 17:37:01 | 日記
2019,
昨年10月の下旬、私は海釣りに出掛けた。
その夜、アルコール依存症者である私は、3年半ぶりにアルコール(ビール)を口にした。







◆◆◆◆◆◆







海からの帰り道。
私はいてもたってもいられず、帰りの道中にあったコンビニへ車を停めた。

そして、(私の弟)次男へ電話をした。




弟:
「もしもし、なに?」






私:
「あ、あのさぁ。
オレ、今日、ってか昨日の夜から海釣りに来てるんだよね。」





弟:
「ふーん。
いいじゃん。

で?
なんか釣れたの?」







私:
「いや、
その、

実は昨夜、
呑んじゃったんだよね、ビール。」








暫しの沈黙…………………








弟:
「ふーん。
そうなんだ。



呑んじゃった………か。」







弟:
「ま、


いいんじゃね?」







私:
「魚、食いきれないからお前の所へあとで持ってくわ。」







弟:
「了解。
待ってるわ。」









電話を切った。








自分の中にあったモヤモヤした感情が、弟と会話をしたことにより、スーっと消えていった感覚を今でも覚えている。









………約2時間後、

弟の家に到着した私は、今回のことの経緯、今まで思っていたアルコール依存症者としての思いを弟に話した。




弟:
「ま、
今回呑んじゃったのは仕方がないし、別にオレは怒ってもいねーけれど、問題はこれからのアニキの行動次第ってことじゃねーかなぁ。」









私:
「だよな。」







…………その日…………
弟の家を後にしてから、暫く顔を出していなかった母が暮らす実家にも顔を出すことにした。








できるだけ、
早めに、

今までに酒で心配をかけてしまっていた人たちには、
今回私がスリップしてしまったことを伝えておきたかった。








母の暮らす実家は先程までお邪魔していた弟のウチから車で20分ほどの場所にある。、

母のウチに到着し、今朝釣ってきたばかりの鯵を調理した。


















久しぶりの実家。
母と二人で食事をしながら、私は母にスリップしてしまったことを切り出した。




弟に話したことと同様の話を、一通り母に話すと、母は静かに一言、








母:
「いいんじゃない。

そりゃ、
たまにゃ飲みたいときもあるでしょう。



お母さんは、
未だにおまえがアルコール依存症だとは思ってはいない。



………ただ、
ギャンブル(パチンコ、スロット)だけには手を出してはほしくない。
そこで大きく負けたり、生活が成り立たないまでになってしまうと、
お前は酒の力に頼るしかなくなってしまう。



弱いからね、お前は。






お母さんはそう思っているから、酒は辞められるのであればやめればいいし、辞められないのであるなら今は無理してまで辞めなくてもいい。





パチンコ、スロットだけはダメ。





お前は、
アルコール依存症……ではなく、
ギャンブル依存症者だからね。


覚えておきなさい。」





そう一言だけ、母は私に告げた。











それは、



私にとって救いの一言だった。












だが、







本当に私はアルコール依存症者ではないのだろうか?





この答えは、





暫くしてから、









私が、

この身をもって、
知ることとなる…………………











④へつづく

スリップ② (見えない不安)

2020-06-21 11:35:09 | 日記
1350日ぶりのビール。


それほど旨いという感じはしなかった。




「こんなもんか……………」
そんな感じだった。



2本めを「プシュ!」っと開けた頃にはアルコールが脳内にまで達していたのだろう。
昔は毎日味わっていた、あの「ポーッ」っとする感覚が甦ってくる。

そんな感覚を感じながら、FMラジオから流れてくる真夜中の番組"ジェットストリーム"をずっと聴いていた。






心地いい時間だった。







狭い車内にも関わらず、私はいつしか眠りに堕ちていった。











・・・・明け方・・・・




時刻はAM4:30


猛烈なダルさが身体を包む。。。
まだ酒に対する耐性もできていなかったのだろう。
吐きまではしなかったけれど、胸のムカムカ感、足腰の倦怠感が止まらない。




けれど、
朝のマズメ時間帯のチャンスを逃すまいと、釣りの支度して、必死でサーフまでへ歩く。



時合いは二時間ほど。
ライトショア用のタックルを使い、約40gのメタルジグを海に向かって二時間ほど投げ続けた。





釣果は大したことはなかったが、それなりにお土産にできそうなデカイ鯵とシマアジ(ショゴ)、サゴシが今日の戦利品となった。








釣りはやっぱり楽しい。




でも、
いつもとはなにかが違う。








ウェーダーを脱ぎ、帰りの支度をする 。
ここより約100キロ以上離れた自宅へ向けてのロングドライブ。








昨夜は飲む気満々、スリップする気満々でビールを呑んだ。











この帰り道、
突然、猛烈な後悔と不安が私を襲ってきた。





形はよく解らなかったけれど、今日までの日々、自分の中で積み上げてきた何かが、音をたてながら崩れてゆく感覚。






誰かにこの事実を、一刻も早く、打ち明けなければ………












そう思いながら、私は自宅へ向けて車を走らせた。










③へつづく