とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

首相所信表明 空疎な言葉もういらぬ    10/25 05:00   北海道新聞

2018年10月25日 20時02分37秒 | 時事問題(日本)

首相所信表明 空疎な言葉もういらぬ

 

 安倍晋三首相は、きのう召集された臨時国会で所信表明演説を行い、政権運営への決意を語った。

 今回も目立ったのは「新しい日本の国創り」という抽象的なスローガンや、「ピンチをチャンスに変える」の繰り返しに象徴される根拠に乏しい楽観論だ。

 空疎な言葉は実態を覆い隠す。現実を見据えて課題に取り組む誠実な姿勢こそが求められる。

 最後の自民党総裁任期となる3年間で首相に課された最大の課題は、急速な少子高齢化に対処する道筋を着実に付けることだろう。

 その政策として、首相は「全世代型社会保障改革」や外国人労働者の受け入れ拡大を挙げた。

 「全世代型」の柱には、来年10月の消費税率引き上げに伴う幼児教育無償化と、65歳を超えての継続雇用など高齢者の人材活用を想定しているようだ。

 「人生百年時代の到来は大きなチャンス」だと言う。

 高齢者の全てが元気で意欲的に働ける人では無論ない。膨らむ医療、介護費の財源をどう確保し、財政再建と両立させるか。社会保障の「本丸」を語ろうとしない。

 外国人労働者の受け入れ拡大に関し首相は「世界から尊敬され、世界中から優秀な人材が集まる日本を創り上げる」と意気込んだ。

 拡大には、生活環境の整備や職を失った場合の対応など詰めるべき課題が山積している。ばら色の言葉は何の解決にもならない。

 外国人との共生を図る視点が大事だが、政府が提出予定の入管難民法などの改正案は人手不足の穴埋めとみなすような側面が色濃い。拙速な対応は認められない。

 「戦後日本外交の総決算」も、言葉だけが踊る典型の一つだ。

 進展の見えない北朝鮮による日本人拉致問題やロシアとの北方領土交渉に加え、米国の強硬姿勢がのぞき始めた新たな貿易交渉など、まずは厳しい現実を国民に率直に語るべきだ。

 改憲への意欲は、皇位継承、東京五輪と続く「平成の、その先の時代の新たな国創り」をうたった文脈に続いて示された。

 与野党の「幅広い合意が得られると確信している」と述べたが、自民党内にも冷めた声のある現状とあまりにかけ離れている。

 演説の最後に取り上げたのは、初の本格的な政党内閣を組織した原敬の「常に民意の存するところを考察すべし」との言葉だった。

 それが心構えであるなら、国民が緊急性を感じていない改憲に前のめりになる理由は何もない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国際ニュース:米国目指す移... | トップ | 政治に関するtwitter (18/10/... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

時事問題(日本)」カテゴリの最新記事