毎日新聞 - 38 分前(12/25)
英国のヘンリー王子の妻メーガン妃を「裸で引き回せ」などと中傷するコラムを掲載したとして、英大衆紙サンは23日、「心からおわびする」と謝罪の声明を出した。読者から大量の苦情が寄せられるなど批判の声が上がっていた。
英王室を巡っては現在、米動画配信大手ネットフリックスが王子夫妻のドキュメンタリー番組「ハリー&メーガン」を配信。王子はこの中で、2020年に公務からの離脱を決めた際、兄のウィリアム王子(現皇太子)から「怒鳴りつけられた」ことを明かすなど英王室批判を展開している。夫妻に同情的な意見もある半面、「一方的な攻撃だ」と夫妻の言動に批判的な声も根強い。
こうした中、テレビ司会者のジェレミー・クラークソン氏(62)は今月中旬、サン紙の紙面とウェブサイトにコラムを掲載。「(メーガン妃が)町を裸で引き回され、『恥を知れ』と叫ぶ群衆から排せつ物を投げつけられる日を夢見ている」と書き、「私と同年代の者は皆そう思っている」と続けた。
英国では王室関係者に対する批判は珍しくないが、今回は「表現が度を越えている」「ミソジニー(女性嫌悪)だ」とサン紙に非難が集中。報道への苦情を受け付ける業界団体・独立新聞基準機構(IPSO)には数日間で2万件の苦情が寄せられ、昨年1年間の全件数を上回ったという。
サン紙は23日の声明で、「記事掲載を後悔しており、心からおわびする」と謝罪した。記事は既にサイトから削除している。
王子夫妻は兄や父チャールズ国王との不仲が度々伝えられ、20年に公務を離脱。その後米国に移住した。アフリカ系の血を引くメーガン妃は長男アーチーちゃんを妊娠中、王室メンバーから「肌の色」を懸念されたと暴露したこともあった。【ロンドン篠田航一】