西村・前経産相ら安倍派幹部を再聴取、還流継続の経緯を確認か…近く立件可否を判断へ
記者団の質問に答える西村康稔・前経済産業相(2023年12月14日、首相官邸で)=川口正峰撮影
自民党派閥「清和政策研究会」(安倍派)の政治資金パーティーを巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が西村康稔・前経済産業相(61)や下村博文・元文部科学相(69)ら複数の派閥幹部から任意で再度の事情聴取を行ったことがわかった。特捜部は、パーティー収入の一部を所属議員側にキックバック(還流)する運用を継続した経緯などについて改めて確認したとみられ、幹部立件の可否を近く判断する見通し。
同派は2022年までの5年間で還流分計約5億円を政治資金収支報告書の収支に記載しなかったとされ、特捜部は同派の会計責任者を同法違反容疑で立件する方針を固めている。
関係者によると、同派では22年4月、会長だった安倍晋三元首相が還流を廃止する方針を示し、同5月のパーティーでの廃止が決定。ところが同7月に安倍氏が銃撃事件で死去した後、派閥幹部が断続的に協議し、一転して還流を続けることになった。還流分を個人パーティーの収入に計上する処理をしたケースもあったという。
西村、下村両氏は派閥の実務を取り仕切る事務総長経験者。特捜部は先月下旬から両氏ら派閥幹部に対する任意聴取を実施し、還流廃止を一転させた経緯や同派の収支報告書に記載しなかったことへの認識を確認した。再聴取では協議での発言内容などを聞いたとみられる。
一方、還流を受けていた議員側については、特捜部が7日、計4826万円を自身の政治団体の収支報告書に記載しなかった同法違反(虚偽記入)容疑で池田佳隆衆院議員(57)(比例東海、自民を除名)を逮捕。関係者によると、池田容疑者の事務所で還流に関するデータが処分されていたことについて、事務所関係者は特捜部に「池田議員から証拠を隠滅するよう指示された」と説明しているという。
西村康稔氏・下村博文氏らに再度の任意聴取 自民党・安倍派「裏金」事件で 東京地検特捜部|TBS NEWS DIG