五輪開催「厳しい」大阪府医師会長 月末の宣言解除も
大阪府医師会の茂松茂人会長が20日、朝日新聞の取材に応じ、府内の緊急事態宣言について、期限の31日での解除は難しいという見方を示した。今夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについても、「厳しいと言わざるを得ない」と中止に言及した。
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茂松会長は、府内の現状について、新規感染者は減りつつあるものの「入院患者が減っているという状態ではない。自宅療養、入院調整中の患者も1万人いる。どうするかが問題点」と話した。
宣言の期限31日について「もう2週間、1カ月いるかもしれない。今の医療体制を戻すためにはそのくらいの期間がいる。また中途半端でやめたら同じことが起こるのではないか。変異株も出てきており、慎重にいくことが大事だ」と話した。宣言解除の目安として新規感染者が1日に10~20人、重症者が30人未満を挙げた。
五輪については、無観客開催でも選手やスタッフら多くの人が来日することに懸念を示し「毎日PCR検査を選手にすると、本当に日本に必要なPCRができるのか危惧するところもある」と述べた。感染症を担当する医師に負担がかかるとも指摘した。
「医療側としてはみんな中止を念頭に置いていると思う。練習してオリンピックにかける思いや、絆をつくるということもあると思うが、今、感染症を乗り越えたということではない。そういう中でやるということが本当にいいことなのかどうか」と疑問を呈した。(杉浦奈実)
朝日新聞社
茂松茂人・大阪府医師会長(写真はネットから借用)