視界不良に警戒(積雪増加・停電・立ち往生・暴風)
2020/12/31
31日 寒波列島 記録的降雪量も
31日の日本列島は、今季最強クラスの寒波に襲われている。北海道や東北、東海、中国地方では観測史上1位の降雪量を観測。全国的に真冬並みの厳しい寒さ。この寒波は、元日まで続く所が多く、3が日まで持ち越す所も。
寒波 12月中旬と今回との違い
前回12月中旬の寒波と今回の寒波を、気象衛星ひまわりの画像で比較すると、日本列島の周囲に広がる雲の濃さに目がとまります。これらの雲は、寒気が作り出す雪雲で、今朝の雲画像の方が密集度が濃いことがわかります。 それだけ発達した雪雲に覆われていることを意味しており、日本海側だけでなく、九州南部や四国、近畿中部と南部、東海地方に雪雲が流れ込んでいることが読み取れます。また、北海道や東北地方でも太平洋側に流れ出す濃い雪雲が見て取れます。 こうした中、岡山県真庭市上長田では、12時間降雪量(午前3時まで)が観測史上1位の68センチに達し、北海道後志地方蘭越町では3時間降雪量の12月1位、三重県津市、島根県奥出雲町横田、鳥取県智頭町では12時間降雪量の12月1位、青森県八戸市では24時間降雪量の12月1位に相当する雪を観測しています。(観測値は、いずれも速報値) 北海道から九州にかけての広い範囲に、大雪に関する気象情報が発表されています。大雪によって起きる交通への影響に、ご注意下さい。時ならぬ大雪(ドカ雪)になった所では、屋根からの落雪や樹木の枝折れ、電線の着雪(切れることも)にも注意が必要です。
これから明日元日の朝6時までに予想される降雪量は、北陸で80センチのほか、東北や近畿、中国地方で70センチ、東海で60センチなどとなっていて、大雪の範囲が北海道から九州南部まで及んでいるのが、今回の寒波の特徴です。 なお、元日朝6時から3日朝6時にかけても、雪が降り続く所があり、この24時間に予想される降雪量は、 【2日6時までの24時間(多い所)】 北陸:70から100センチ。東北:50から70センチ。北海道、関東甲信、東海、近畿:30から50センチ。中国地方:20から40センチ。 【3日6時までの24時間(多い所)】 北陸:70から100センチ。東北:40から60センチ。関東甲信:30から50センチ。 などとなっています。
きょう31日は、日本海側を中心に雪が降り、雪雲は太平洋側にも流れ出すでしょう。晴れて空気が乾燥する地域は、静岡県や山梨県、関東の平野部、東北太平洋側の沿岸の一部、北海道東部に限られそうです。 全国的に、北西の季節風が吹いて、風の冷たさも加わるでしょう。 【風雪と高波の予想】 あす元日にかけて、風が吹き荒れ、大しけになる地域がある見込みです。 予想される最大風速(最大瞬間風速)は、北海道、北陸、近畿、四国、九州北部、奄美、沖縄で18メートル(30メートル)、中国で17メートル(30メートル)。波の高さは、沖縄で7メートル、北陸、奄美で6メートル、近畿、中国地方、九州北部、九州南部で5メートルです。
全国的に、震える寒さ凍える寒さです。 きのうに比べて5℃以上低い所がほとんどで、10℃近く低くなる所もあるでしょう。底冷え、風冷えのする一日になりますから、大みそかを、暖かくして過ごされてください。 各地の予想最高気温は、北海道は各地で0℃未満の真冬日になるでしょう。東北北部でも真冬日の所が多い予想です。東北南部から九州にかけては、0℃を超えますが、10℃に満たない所が多いでしょう。沖縄も15℃前後で、全国各地真冬並みの厳しい寒さで年を越すことになりそうです。
日本気象協会 本社 高橋 則雄
日本海側で雪・風強まる 3時間で20cm超の積雪
【大雪情報】山陰〜近畿北部から北陸へ 雪の降りかたに警戒
年越し寒波の大雪エリアは北陸へ 今晩も積雪増加
日本列島は31日、強い冬型の気圧配置になって上空に強烈な寒気が入り、北海道から中国地方の日本海側などで雪が降った。気象庁は1月2日にかけて日本海側を中心に大雪になるとして、交通の障害や施設の被害に警戒するよう呼び掛けた。雪崩や落雪、高波にも注意が必要。
総務省消防庁によると、新潟県や島根県などで転倒などにより計11人が軽傷を負った。山口県美祢市の中国自動車道では31日早朝、10台が絡む多重事故が起き、7台が炎上。県警によると、大型貨物車の運転手1人が死亡した。現場は当時、路面が凍結していたという。
中国地方では30日夜から雪が急に強まり、31日午前11時までの24時間降雪量は岡山県真庭市で80センチ、島根県奥出雲町で63センチ、鳥取県智頭町で61センチを観測。それぞれの地点の12月の観測史上最多記録を更新した。長野県小谷村でも53センチとなった。
悪天候により日本航空は97便、全日空66便が欠航した。JR東海・山陽新幹線は速度を落として運転。山形新幹線は山形―新庄駅間で31日午後6時ごろから1月2日昼ごろまで運転を見合わせる見込み。
1月1日午後6時までの24時間予想降雪量は多い所で、北陸100センチ、東北80センチ、近畿70センチ、東海60センチ、北海道50センチ、関東甲信と中国40センチ、九州北部20センチ。
その後、2日午後6時までの24時間予想降雪量は北陸70~90センチ、東北40~60センチ、北海道と関東甲信30~50センチ、東海と近畿20~40センチ。
さらに、3日午後6時までの24時間予想降雪量は北陸50~70センチ、東北30~50センチ、関東甲信20~40センチ。
海上はしける所があり、波の高さは北陸と近畿、沖縄で1日にかけて5メートルと予想される。