とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

「天使になった母」

2006年04月16日 08時30分16秒 | 創作詩
母よ
常に 春風のように穏やかで たおやかであった母よ

いつも 優しく 
人生の節々で 冷静な「自分」の意見をコメントしてくれた母よ
子供たちの意思を100%尊重してくれ 100%の自由を与えてくれた母よ

私は あなたと 久し振りに 弟たち 父親とともに会い
そして一夜をともにした

あなたは82歳になった

あなたは 私達を認識はできるが
世界のかなりの部分を認識できなくなってしまった

ホテルに着いても
「はじめて こういう所にきた」と言う
おトイレの場所もお風呂の場所も分からず うろうろとする


私達を見て
「へー、この子たちをみんな 私が産んだの~?」と不思議がる

思い出の場所を車に乗せて 連れていっても
「こんな所 初めて来た」だ


母にとっては 初めて見る物ばかりだ

説明すると 「そうー、初めて見せてもらった」と感動する
そして 昔ながらの なんともいえない 穏やかな素晴らしい微笑みを浮かべる

母よ

それでいいのだ
感動し続けて 生きていってください

あなたは 天使だ
微笑みを絶やさない すばらしい天使だ

この世は あなたにとって まか不思議で 感動的なもので つまっている

そう そのとおり 

たんと たんと 感動してください

感動しない 私達のほうが おかしいのだから 

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