(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は物議を醸している閣僚候補が上院で承認されるよう、連邦捜査局(FBI)の従来の身元調査を省く構えだ。だが、共和党上院議員の反発は必至だ。
トランプ氏は司法長官にマット・ゲーツ元下院議員、国防長官にピート・ヘグセス氏、国家情報長官にトゥルシー・ギャバード元下院議員を指名すると発表したが、FBIの身元調査が省かれる可能性があることに複数の共和党上院議員が難色を示している。
事情に詳しい関係者が匿名で明らかにしたところでは、トランプ氏の政権移行チームはFBIが候補者の調査を行うために必要な司法省およびFBIとの同意書に署名していないという。
司法省は20日の声明で、政権移行チームに同省の業務と責任に関する説明を行う用意があり、国家安全保障情報へのアクセスを必要とする人々のために、セキュリティークリアランスの申請を処理する用意もあると表明した。
来年の新議会では共和党が53対47で上院多数派となる見通しで、同党議員4人の造反があればトランプ氏に方針転換を迫ることが可能となる見込み。
共和党のコリンズ上院議員や、ヘグセス氏の指名を監督する軍事委員会の共和党筆頭理事を務めるウィッカー上院議員は、閣僚指名の審査という憲法上の役割を遂行するのに当たり、FBIの身元調査を望むと述べた。
ロバート・ケネディ・ジュニア氏の厚生長官指名を監督する委員会を率いる予定のキャシディー上院議員(共和)も同意見だ。
CNNはトランプ氏がFBIではなく民間による調査を検討していると報じた。トランプ氏の政権移行チームの広報担当者にコメントを求めたが返答はなかった。
下院倫理委員会は20日午後に非公開会合を開いたが、ゲーツ氏の性的不正行為疑惑に関する調査報告書は採決の結果、非公開とされることになった。同委のワイルド民主党筆頭理事が明らかにしたもので、共和党議員が公開阻止に動いたという。
原題:Gaetz’s Sexual Misconduct Report Release Blocked by House GOP、Senators Set for Trump Clash on FBI Checks for Gaetz, Others (2)(抜粋)
--取材協力:Billy House、Chris Strohm、Stephanie Lai.
(最終段落に下院倫理委会合の詳細情報を追加します。更新前の記事では下から3段落目の政府機関の名称を訂正済みです)
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