私の運動は、一日一時間だけ街の中を歩くこと。
昨日は、お花屋の店長のお店前を歩きました。お店でとても香りの強いこの黄色いゆりを見つけ、一目で気に入りました。
差し上げたいところがあったので、白いゆりを1本加えてさわやかな感じをだし、ご自宅に届けました。
今朝、目覚めたら自分用にあのゆりがどうしても欲しい。
朝だったけど、電話で店長に「1本売らないで残しておいて。自分でもかざってみたいから」と頼みました。
「わかったよ。おそらく売れないよ」
あとからお店に行くと、なんと店長が
「もう咲き始めてきているから全部あげるよ」と言って、どさりとくれました。
「ええっ」
「いいんだよ。いつか、あなたに花をあげるつもりでいたんだ。私もあとどのくらいお店をやっていられるか分からないから持っていきな。
コーヒー飲む?セブンイレブンのコーヒーおいしいよ。待ってて。買ってくるから」
店長はアンマンも買ってきてくれました。店先で二人で食べました。
「おいしいアンマンね」
「でしょ?セブンイレブンはアンマンもおいしいのよ」
今、自室のPCの横で、きいろいユリはとてもいい芳香を強烈に放っています。
店長との10年以上になるつきあいのことを思い出しています。店長がいたから花つくりがレベルアップしたのですね。いろいろ教えてもらいました。
特にいい花(一流品)と良くない花(二流品)の区別を教えてっもらいました。色彩も香りも、もちろん株も全然ちがうのには驚きました。
いい生産者がいい花をつくるのですね。その生産者は誰か、花によってもちろん違いますが、市場(いちば)の人はみんな名前を知っているそうです。
店長が一流の花の苗を仕入れてくる。それを私に仕入れ値に毛がはえたような値でうってくれる。(みなさんにもそうだけど)
そのかわり、きちんと育てる。育った花を見て、店長が喜んでくれる。「あんたは私のモニターよ」
むずかしい注文を出したこともある。けれど店長は必ず注文どおりの花を手に入れてくれた。
手に入ると興奮した店長が時間かまわず我が家の玄関先に花をおいていく。
あとで電話で「手に入れるのはむずかしかったけどね、危機一髪で手に入れたよ。最後のひと箱だった」
人との縁の不思議さを思います。けれど、終わりが近づいてきているようです。二人ともわかっているので黙っています。
このユリは店長のお別れの花。何年先か分からないけれど、のちのち、そう思い出すでしょう
過ぎ去った日々がいとおしい。わたしは、この地を去ることにな るでしょう。
店長は、お店をやめることになるでしょう。
わたしは、ほとんどの植物・プランターを捨てて整理しました。終わはきれいにしたいでしょ。
注:ゆりは本来6月のものですから所沢市のゆり園は7月初めに閉園しています。行くなら来年ですよ。