とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

自民党の裏金疑惑         (2024年2月11日) 【追記予定】

2024年02月11日 10時26分59秒 | 政治
週刊現代 によるストーリー  • 4 時間

外務大臣を「おばさん」呼ばわり、ひとりで「派閥存続」を主張―これまでなら許されたかも知れないが、今回はどうも様子が違う。あの「麻生閣下」といえども、時代の流れには逆らえないのか。

前編『麻生太郎「岸田首相の裏切り」であっけない幕切れか...権力を失った《キングメーカー》から「さっそく去って行く人たち」』より続く。

河野太郎は沈黙

河野太郎は不気味な沈黙を続けている。

「麻生派は本来であれば、河野洋平さんの息子である太郎さんに譲るのが筋です。しかし、麻生さんは世代交代を恐れて河野さんを遠ざけてきた。だからこそ、河野さんは前回の総裁選で派閥の親分である麻生さんの反対を押し切って出馬を決めた。もし河野さんが派閥から離脱するなら、麻生さんには何も言わずに決めるんじゃないか」(麻生派中堅議員)

Gettyimages© 現代ビジネス

いまや、麻生に尻尾を振る有力者は、岸田の後釜に据えようと麻生が考えていた茂木敏充くらいのものだ。しかし、その茂木の行動が余計に麻生を追い込むことになった。

遡ること一週間、1月25日の読売新聞朝刊に「自民執行部、安倍派幹部に離党要求」の見出しが躍った。

「茂木さんが旧知の記者に書かせたんです。安倍派が厳しい処分を受ければ、同じく立件された二階派、そして岸田派の責任問題も自然、問われることになる。勝手に派閥解散を言い出した岸田首相への意趣返しです」(全国紙政治部記者)

悪いのは派閥ではなく、あくまで裏金であり、安倍派、二階派、そして何より岸田派の連中だ。潔白の俺や麻生さんが、どうして逆に追い込まれねばならんのだ―。

森喜朗は激怒

しかし、これは藪蛇だった。安倍派のドンである森喜朗を怒らせてしまったのだ。麻生が裏で糸を引いていると見た森は、新聞が出たその日に、麻生事務所にやって来て、怒鳴り散らした。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

「アンタの派閥は存続させるとか言ってるけど、勘違いしないほうがいい。アンタもすでに終わってるんだぞ!」

森の剣幕は尋常ではなかった。森政権が誕生してからこの20年間、清和政策研究会(安倍派)は小泉純一郎、安倍晋三と高支持率の首相を輩出して自民党を牛耳ってきた。その栄光の歴史が、この数ヵ月の裏金捜査ですべて崩れ去り、森自身も疑惑をかけられている。

麻生太郎もここで終わりか

麻生はそれを黙って見ていたどころか、今度は森の「かわいい子分たち」までも公然と潰しにかかっている。

アンタ「も」終わってるんだぞ―。森の言葉に麻生は何も言い返せず、沈黙したままだった。

この数年、麻生の関心事といえば、もっぱら自派閥の今後、そして自身の跡取りのことだけだった。派閥の次期領袖として、親戚というだけで明らかに実力不足の鈴木俊一を指名していたのも、「オレはもう上がり」という慢心があったからだ。

「ところがこうなってしまえば、派閥の存続自体が危うい。麻生さんの夢見た大宏池会も、これで完全に潰えてしまった」(麻生派中堅議員)

息子に無事、地盤を渡せるかどうかさえ、雲行きが怪しくなってきた。

「地元の福岡県では、麻生さんの宿敵で、元二階派の武田良太が勢いを増している。裏金捜査で、麻生さんは法務省首脳に『武田を立件しろ』とけしかけていました。その動きを武田さんは知っていて、『麻生は絶対に許さない』と周囲に吠えまくっている」(自民党関係者)

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現在、福岡政界では引退間近の麻生を見限り、武田陣営に付く関係者が急増しているという。

45年前、初の国政選挙に打って出た38歳の麻生は、「吉田茂の孫だと言われることについてどう思うか」と記者に問われ、「マスコミの人の感覚は古いなと思う」と笑顔で答えた。オレは昔の政治家とは違う―その目はギラギラと光っていた。

だが、人は必ずいつか老い、疎まれ、そして退場を余儀なくされる。麻生もまた、たったひとりで人生のけりを付けねばならなくなったのである。

・・・

 
 
週刊現代 によるストーリー  • 4  (2024.2.11)
 

外務大臣を「おばさん」呼ばわり、ひとりで「派閥存続」を主張―これまでなら許されたかも知れないが、今回はどうも様子が違う。あの「麻生閣下」といえども、時代の流れには逆らえないのか。

あからさまにイライラ

「ああ、なんか置いてあったね、ハハハ……」

本誌記者の直撃に、菅義偉は苦笑して答えた。

2月1日の衆議院本会議。議場の右後方部は自民党ベテランの指定席で、麻生太郎、菅、逢沢一郎、石破茂が並んで座っている。途中、菅が席を離れると、麻生はすかさず自分の鞄を菅の席に置き、書類に目を通し始めた。

菅が席に戻ってくるも、麻生は無視して、荷物をどかす素振りも見せない。石破がすでに退席していたため、致し方なく菅は逢沢の席に、逢沢は石破の席に座ることになった。

かりにも前首相である。あからさまに菅を軽んじる麻生の様子に、周りの代議士らは眉をひそめた。

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しかし、政治家として異様な振る舞いに出るほどに、麻生は苛立っていた。「飼い犬」とばかり思っていた岸田文雄が、いきなり首根っこに咬み付いてきたからだ。

「岸田派の解散宣言を受け、安倍派、二階派、森山派、谷垣グループと解散の流れが続いた。残った茂木派でも退会者が続出し、従来派閥からの『脱皮』を模索しています。派閥を維持すると明言しているのはいまや麻生派だけ。主流派として政権を支えてきたはずが一転、少数派となって孤立してしまったわけです」(全国紙政治部記者)

麻生太郎の「十八番」が発動

麻生には、ピンチに陥ったときの「十八番」がある。べらんめえ口調でほかの政治家が憚ることを口走る―失言戦法だ。

〈カミムラヨウコは大したもんだぜ〉〈このおばさん、やるねえ〉〈そんなに美しい方とは言わんけれども〉

外務大臣の上川陽子を引き合いに、こう言い放った。

「岸田首相と袂を分かった麻生さんは、キングメーカーとしての座を保持するため、『ポスト岸田』候補を物色しています。そこで元岸田派の上川さんに目をつけたのです。

上川さんは女性だし、カネの面でもクリーン。しかし、地味でいまいち知名度があがらない。あえて『おばさん』と侮辱することで、メディアや世間の注目を上川さんへ向けさせようとしたのでしょう」(自民党関係者)

麻生の発言は一瞬で燃え上がり、世間は上川の名を知るとともに、彼女に同情した。効果はてきめん―かと思われた。

(これでみんなカミムラの名前を覚えただろう)

これまでなら、ネットの有象無象たちが「さすが閣下!」「他の人たちが言えないことを言う!」などと群がり、自民党の議員はそれを黙って見ているだけだった。ところが今回は様子がおかしい。

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「日本の恥」

「反省も学習もしない」

SNSには麻生への罵倒があふれ、自民党内からも公然と批判の声があがったのである。

「昭和じゃないんだから」

「不適切にもほどがある」

岸田首相の裏切りと去り際の早い人たち

麻生が総理の座を追われてからまもなく15年、世の中は大きく変わってしまった。盟友だった安倍晋三は亡くなり、宿敵の二階俊博も裏金問題で死に体だ。しのぎを削ってきた古参の政治家はみな退場し、岸田でさえ17歳も年下。麻生は自らを政界の「長老」だと思っているが、周りはもはや「老害」としか見ていないのである。

そしていま、「順番」が巡ってきた。引き際を見誤った老将は、後進に引導を渡されると昔から決まっている。

「麻生さんの権力は総理の椅子と表裏一体でした。だからこそ、みながキングメーカーたる麻生さんを丁重にもてなしてきた。しかし派閥が次々と解散したことで、合従連衡による派閥の力学はもはや働かない。岸田首相の裏切りで麻生さんはすべてを失ったのです」(自民党関係者)

権力の最大の源泉たる人事権を喪った麻生のもとから、櫛の歯が欠けるように人が去ってゆく。2月1日には、早くも元防衛相の岩屋毅が麻生派を退会した。

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「岩屋さんはかつて安倍政権で閣僚起用を拒まれていたのですが、そこに麻生さんがねじ込んだ。麻生さんのおかげで防衛大臣になれたのに、裏切った」(麻生派中堅議員)

元参議院議長の山東昭子も「発展的解消」とオブラートに包みつつ、麻生派の解散を主張しているという。これまで黙っていた若手も「派閥といっても昼飯を食うだけ」と急に悪口を言い始めた。

「麻生派は寄せ集めの派閥です。宏池会から離脱した河野洋平と麻生らが作った大勇会が源流で、その後、麻生が為公会として継承しました。転機は'17年で、山東率いる番町政策研究所と合流し、山崎派を退会していた甘利明らも合流して志公会を作った。ここで一気に数が増えたのですが、寄せ集めの集団なのでまとまりに欠け、派閥への愛着の強い議員が少ない」(全国紙政治部記者)

#さようなら自民党政治 岸田政権の退陣を求める国会前行動

2024/2/10


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