国民民主党の榛葉賀津也幹事長は15日の定例会見で、同党の肝いり政策「年収103万円の壁」引き上げをめぐり、総務省側が全国知事会や知事側に反対するよう「工作」していたとする玉木雄一郎代表の指摘を「追認」した。その上で「(103万円の壁見直しで)手取りに悪影響を与えるような絶対させない。安心してください」と訴えた。
この件は、玉木氏が今月13日にTOKYO MXの報道番組に出演した際に指摘。村上誠一郎総務相が、全国知事会長を務める宮城県知事の村井嘉浩知事らに連絡しているとして「発言要領まで作っているのはいかがなものか」などと批判した。玉木氏と番組で同席した元宮崎県知事の東国原英夫氏も「総務省が絵を描いている」「総務省と財務省が反対意見で、のろしをあげている。これに絶対負けないでほしい」と指摘した。一方、村上総務相は15日の会見で、事実関係を否定。村井知事も14日、村上氏側からの発言依頼を否定している。
村上総務相は5日の閣議後会見で、「103万円の壁」見直しが行われた場合、地方税の収入が4兆円減収となり、国と地方を合わせた減収額が7兆~8兆円の半数以上を占めるとの試算を示している。榛葉氏は「いろんな数字が出てきていて『地方の財源が4兆円減る、だからやるな』という論法でしょ。そうじゃないんですよ」「地方の財源に悪影響を与えないように、ぜひ103万円の壁を突破して、地方の住民の手取りを増やしてくれと全国知事会も市長会も町村会長もいえば言わないといけないんじゃないですか?」と述べ「役所の論理で、壁を突破する政策なんてやらないでくれという方もいるけど、そうじゃないよね」「地方に住んでいる住民の立場に立ったら、絶対に国の責任で地方財政に悪影響を及ぼさない、だけど頑張って、地方で生活されている方々の手取りを増やし、減税するそれもセットでやれ、というのが、正しい知事会のスタンスだと、私は思う」と私見を口にした。
その上で「我々は絶対に地方に悪影響を与えないように頑張りたい。ここは自民党さんも公明党さんも同じだと思う」とあらためて述べ、理解を求めた
【石破首相】記者団にコメント 日米韓…日中首脳会議を終え
APEC首脳会議に出席するため、ペルーを訪問中の石破首相が日本時間16日午前8時20分すぎ、日米韓首脳会議、日中首脳会議を終えて記者団にコメントしました。 (2024年11月16日放送)
APEC最大の関心事はトランプ氏復帰-ダイモン氏は様子見提唱
2024/11/14
(ブルームバーグ): 14日にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の会議では、ドナルド・トランプ氏のホワイトハウスへの復帰と、同氏が世界の経済、政治、ビジネス環境をどのように変化させるかが最大の関心事だった。
しかし、リマでの2日間の会議の最初の数時間、スピーカーたちはトランプ氏の名前を口にするのをためらっていた。
ベトナムのクオン国家主席は基調講演で「孤立主義、保護主義、貿易戦争は不況、紛争、貧困につながるだけだ」と警告したが、次期米大統領の名前は口にしなかった。
しかし、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の公共政策大学院学部長、アンドレス・ベラスコ教授は、次期米大統領の名前を挙げることをためらわなかった。
同氏は、トランプ氏の大統領当選は環太平洋、東アジア、中南米の国々にとって「あまり良いニュースではない」と述べた。各国は間もなく米国と中国、どちらかを選択しなければならない立場に置かれる可能性があると警告した。
続いて、ジェイミー・ダイモン氏が登壇した。JPモルガン・チェース最高経営責任者(CEO)のダイモン氏は、トランプ氏が輸入品に広範囲にわたる関税を課すという脅しを実行に移す可能性について、APEC参加者が評価するためのヒントを提供した。
「著書を読もう」とダイモン氏は述べた。恐らくトランプ氏の著書『The Art of the Deal(取引の技術)』を指したもので、トランプ氏が同著で唱えた戦略が「賢明に行われることを祈る」と語った。
ダイモン氏は、もしトランプ氏が選挙キャンペーン中に掲げていた中国に対して60%以上、その他の国々に対して10-20%の関税を課すという公約を実行に移した場合、少なくとも「人々を交渉のテーブルにつかせる」ことにはなると述べた。
トランプ氏は株式市場のネガティブな反応を避けたいはずだと付け加えた。
ダイモン氏を政権に招くつもりはないとのトランプ氏の発言には、「私は25年間も上司を持ったことがなく、今さら持ちたいとも思わない」と受け流した。
トランプ氏の選挙公約がもたらす潜在的な影響について、臆測が飛び交うのを止めることはできない。広範囲にわたる関税を課すという同氏の政策は、グローバルなサプライチェーンを混乱させ、中南米や世界の経済を揺るがすリスクがある。
また、貿易と関税に関する同氏の姿勢は、中国と深い経済的つながりを持つブラジル、ペルー、メキシコなどの国々に間違いなく影響を与えるだろう。さらに、トランプ氏は米国の石油とガスの生産量を増やすと公言しているが、これは気候変動への取り組みを損なうものだと批判されている。
ダイモン氏は、トランプ氏は「貿易に反対しているわけではない。多くの事柄が米国に対して不公平だと考えているのであり、その通りである例もある」と語った。「もし何かが不公平であるなら、それを修正すべきだ。また、もしわれわれが他国を犠牲にして自分たちを強くし始めたら、報復があるだろう」と語った。
バイデン政権の米通商代表部(USTR)代表のキャサリン・タイ氏はブルームバーグとのインタビューで、中国から米国に自動車、クリーンエネルギー、半導体などの輸入品が大量に押し寄せるのを防ぐには、的を絞った関税の使用が必要だとの考えを示した。
タイ氏は中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟した後に生じた経済・社会的な混乱に言及し、「経済問題として、政治問題として、社会問題として、米国で誰が政権を握ろうとも、『チャイナショック2.0』には耐えられないだろう」と述べた。
ただ、トランプ氏が提案しているような一律関税の使用には警告を発した。「関税は解決策の一部だ」が、「ただ課税するだけでは効果はない」と語った。タイ氏はトランプ氏を直接名指しすることはしなかった。
APECイベントの期間中、会場の廊下や会議室、ホテルのバーなどでは、次期米政権に対する懸念が漏れ聞こえていた。
LSEのベラスコ氏はそれを代弁し「われわれが米国主導でより保護主義的な世界へと向かっていることは間違いない」と悲観的な見方を示した。
原題:‘Not Very Good News’: Trump’s First Mention at APEC Is a Warning、‘Read His Book’: Dimon Offers a Tariff Tip as Trump Haunts APEC(抜粋)