こうした中で開かれるAPEC首脳会議に張氏が出席し、次世代通信機器のカギを握る半導体技術で米国との関係強化を他の参加国に見せつけることは、大きな意義がある。

 

 RCEP交渉で15カ国が合意したことについて、台湾の通商交渉官を務める行政院政務委員(無任所大臣に相当)の鄧振中氏は「台湾が15カ国に輸出している製品のうち、7割がゼロ関税の対象である電子部品などのICT製品で、台湾への影響は限定的だ」との見解を示した。

 その上で、「中国が参加していないTPPへの加入こそが蔡政権の目標だ」と語った。

 米次期大統領のバイデン氏も、RCEP誕生で中国への通商政策への対抗を示唆し、オバマ政権時代、副大統領としてTPPを推し進めた同氏の下、米国のTPP復帰が期待されている。

 台湾と米国が除外されたRCEPの合意に台湾は「大きな影響はない」とし、「日本が台湾のTPP参加を支持してほしい」とも訴えている。

 11月20日に開催されるAPEC首脳会議は台湾を中心に眺めることをお勧めしたい。