「おまえ何やってるんだ、この野郎!」
「アイツだけは許せんよ」
自民党の閣僚経験者が息巻く相手は、幹事長の茂木敏充氏である。
事情はこうだ。茂木氏が党のある部会で、次のような指示をしたという。
「裏金処分を受けた議員がカメラに映るところに座っているのはまずい。見えない下手のほうに座ってください」
今回、処分を受けた議員の中には、党役職以外にも顧問などの肩書を持つ議員が複数おり、そうした議員たちは部会でも上座に座っていた。それでは見栄えが悪いということで、茂木氏が移動させたというのだ。冒頭の閣僚経験者が続ける。
「1年生議員が座っている席に座れと言うんだ!
そもそもアイツは先輩議員でも立場が下と見るや、平気で罵倒する。私も一度、『おまえ何やってるんだ、この野郎!』と言われたことがある。あれはさすがに頭にきたよ。
見られ方とか、そういうことばっかり気にして小心者なんだな。総裁なんてなれるわけがない」
「俺は幹事長を辞めるつもりは一切ない」
読売新聞記者出身の茂木氏ゆえ、マスコミからの撮られ方を気にするのはわかるが、あまりに過剰な対応に、党内から不満が噴出している。
茂木氏がこれほどまでに神経を尖らせている理由はなんなのか。
「3補選全敗ですよ。幹事長としての責任は大きい。岸田(文雄)さんは茂木さんを更迭するのではないかという噂も流れています。でも茂木さんは周囲に『俺は幹事長を辞めるつもりは一切ない』と言っているそうです。
岸田政権の支持率が低迷している現在、秋に控える総裁選は『選挙の顔』を選ぶ戦いになるでしょう。出馬を狙っている茂木さんにとって、『選挙に負けたから更迭された人』となるのはそれこそ見栄えが悪い。そこで補選の責任は裏金議員に押しつけ、ギリギリまで幹事長を務めて影響力を保持したい考えなのでしょう」(自民党関係者)
表面だけ取り繕っても、もはや手遅れ。むしろ姑息な手で、人心が離れてしまった。
「週刊現代」2024年5月18・25日合併号より
【つづきを読む】「ビール片手に自民党若手議員の部屋飲みに「アポなし訪問」…いま周囲をウンザリさせている『大物議員の名前』」