パキスタン北部の世界で2番目に高い山「K2」で、日本人の山岳カメラマン・クライマーの男性2人が滑落した事故で、2人が所属する会社は二重遭難が発生する可能性もあるなどとして、救助活動を打ち切ることを明らかにしました。
登山用品を販売する「石井スポーツ」所属の山岳カメラマン・クライマー、平出和也さん(45)と中島健郎さん(39)は今月27日、パキスタン北部の標高8611メートルのK2で滑落しました。
「石井スポーツ」によりますと、ヘリコプターによる捜索で2人の位置は確認されたものの、標高や斜面の角度の関係で着陸できず、救助に向けた検討が進められてきました。
「石井スポーツ」は30日、ホームページを更新し、「滑落時点から両名に動きがなく、崩落の危険性も高く二重遭難も発生する可能性があることから地上からも近づけない」などとしたうえで、家族の同意のもと救助活動を打ち切ることを明らかにしました。
平出さんと中島さんは、パキスタン北部にある7000メートルを超える山々に誰も足を踏み入れたことのないルートで登り、「登山界のアカデミー賞」ともいわれる「ピオレドール賞」を受賞するなど、世界的な登山家として知られています。
パキスタン北部では6月、標高7000メートル余りの山で日本人男性2人が遭難し、このうち1人が遺体で見つかったほか、7月も日本人の男性1人が滑落して死亡しています。
K2滑落の日本人2人の救助活動打ち切り 所属会社が発表
パキスタンにある世界第2位の高峰K2(標高8611メートル)で滑落した山岳カメラマンの平出(ひらいで)和也さん(45)と中島健郎さん(39)について、2人が所属する登山用品販売会社「石井スポーツ」が30日夜、「救助活動の打ち切りを決めた」とホームページで明らかにした。
同社によると、滑落以降2人に動きがなく、「崩落の危険性も高く二重遭難も発生する可能性があることから、地上からも近づけず救助活動が継続できない」とした。その上で、家族同意のもと救助活動を終了したといい、「両名の活躍を称(たた)えるとともに、可能な限り支援を続ける」とした。
同社などによると、2人は27日午前11時半ごろ、7千メートル地点から滑落したと現地から連絡があった。ヘリコプターによる捜索で2人の位置は確認できたものの、標高や斜面の角度の関係で着陸できず、地上からの救出の検討が進められていた。
2人は「登山界のアカデミー…