イスラエル軍のハレビ参謀総長は2日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市を包囲し、本格的な侵攻を始めると表明した。すでに住宅密集地で、イスラム組織ハマスの戦闘員との戦闘が始まっており、今後、住民の被害が拡大する恐れがある。
ハレビ氏は声明で、ハマスとの戦闘が「新たな重大な局面に入った」と強調した。現在、イスラエル軍は複数の方向からガザ市を包囲しており、空軍、海軍の支援を受け、地上部隊が侵攻しているという。
イスラエル軍は10月27日夜から、ハマスの拠点が集中するガザ北部への侵攻を開始。北側からガザ市に向かって徐々に進軍し、同31日には一部の部隊が市内に入っていた。一方、ガザ中部からも地上部隊を西方の海岸沿いに向けて進軍させており、ガザ市とガザ南部を切り離す目的があるとみられていた。【エルサレム三木幸治】
ヨルダン川西岸で入植者急襲 村を追い出されるパレスチナ人
[ライブ]イスラエル軍が「ガザ市包囲」完了を発表
ハマスのイスラエル攻撃に端を発した戦争が木曜日に27日目を迎える中、ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプは水曜日に2度目の爆撃を受けた。何十人もの負傷したパレスチナ人と何百人もの外国人が、ガザからエジプトへの避難を許された。
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► 木曜日の朝、400人の外国人と二重国籍者が、ガザとエジプトのシナイ半島の間のラファ検問所を越えた。エジプトは木曜日に「約7,000人の外国人」の退避を支援していると述べた。
► ヒズボラとイスラエル軍の間の銃撃戦は、ゴラン高原と国境を接する東部地域から地中海沿岸のラス・ナコウラまでの全面的な対立に発展した。イスラエル北部国境での緊張の高まりは、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスラッラーが金曜日に、シーア派グループがハマスとイスラエルの間で勃発した紛争に関与するかどうかについて演説する予定である。
► イスラエル軍は「ガザ市の包囲」を完了したと発表。 わが軍兵士は、テロ組織ハマスの中心地であるガザ市の包囲を完了しましたイスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は、パレスチナ自治区でのイスラエルの地上作戦開始から1週間後のブリーフィングで述べた。
10月7日以降、333人の兵士を含む1400人のイスラエル人が殺害され、イスラエル軍は240人がハマスによって人質に取られたと報告している。 ガザでは、3500人以上の子どもを含む9061人のパレスチナ人が死亡したと、ハマスが支配する保健省は木曜日の正午に発表した。
(中略)
18:13PM 「人道的アクセスはなく、人道支援が来ていると言っている人たちは、嘘だ!」
WHOは木曜日、ガザ地区への人道支援物資の到着を大幅に制限する多数の障害を非難しました。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、ジュネーブでの記者会見で、「少なくとも人道的一時停止、理想的には停戦」を呼びかけ、「ガザの現場」の状況は筆舌に尽くしがたいと述べた。
同組織の緊急事態担当官であるマイク・ライアン博士は、援助物資がパレスチナの領土に侵入した場合の援助物資の配布の障害について声を上げている。「トラックを国境を越えて運ぶことと、必要な場所にトラックを運ぶことは別物です。それは促進されておらず、支援もされておらず、実際、まったく逆です」と、最近ラファがいるエジプトにいたアイルランド人医師は語った。 ガザ地区との唯一の交差点。
「今のところ、効果的な紛争解決プロセスはなく、人道的アクセスもできず、人道支援が届いていると言う人たちは、それは真実ではない」と付け加えた。
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスの戦闘が激しさを増す中、中東の地域大国トルコの出方が注目を集めている。国民のほとんどがイスラム教徒で親パレスチナ感情が強いものの、ハマスとの関係を生かしてイスラエルの人質解放交渉にも関与する。エルドアン大統領は世論と国益をてんびんにかけながら仲介外交を進めようとしている。
「子どもを殺害するために病院や学校に爆弾を落としている。そんな国は世界で他にない」。エルドアン氏は10月25日、与党国会議員との会合で、ガザを攻撃するイスラエルを強く非難した。ガザの死者はこの時点で数千人に達し、その約4割が子どもだった。
エルドアン氏はハマスが多くのイスラエル人らを殺害したことを「受け入れることはできない」と述べたが、ハマスはテロリストではなく、イスラエルの占領に対して「(自らの)土地と市民を守るために戦っている」と指摘。イスラエルの反撃は自衛権の範囲を超えており、「人道に対する罪」だと強調した。
トルコは1923年の独立以降、政治と宗教を分ける「政教分離」を取り、49年にはイスラエルを国家承認した。両国関係には紆余(うよ)曲折があるものの、中東ではイスラエルとの関係が比較的良かった。
ただエルドアン氏とイスラエルのネタニヤフ首相は両国で長年政権を担っているが、不仲で知られる。特にパレスチナを巡り、独立を強く支持するエルドアン氏と、独立に消極的なネタニヤフ氏は衝突を繰り返してきた。2010年にはガザへの支援物資を積んだ船がイスラエルに攻撃され、トルコ人ら10人が死亡したため、両者の関係が極度に悪化する。エルドアン氏は12年、ハマスがトルコに拠点を置くことを許可した。
ところがトルコが21年に経済混乱に陥ったのを機にエルドアン氏はイスラエルに歩み寄り、22年に外交関係を正常化させた。今年9月には米ニューヨークで両氏が初めて会談し、エネルギー分野などの協力で一致したばかりだった。
ハマスがイスラエルを攻撃した10月7日以降、エルドアン氏は表立ってイスラエルへの批判を控えてきた。だが、ガザでの死者数が増えるにつれ、イスラム諸国ではガザ攻撃への批判が強まっており、エルドアン氏も「反イスラエル」にかじを切った。さらにイスラエルの自衛権を重視する欧米諸国に対しても、攻撃に「油を注いでいる」と非難している。これに対し、イスラエルのコーヘン外相は同28日、駐トルコのイスラエル外交官を帰国させ、トルコとの関係を「再検討する」と発表した。
ただエルドアン氏が全面的にハマスを支援しているわけではない。中東メディア「アル・モニター」によると、トルコ政府は7日の攻撃以降、ハマス幹部にトルコから出国するように要請した。トルコはイスラエルやそれを支持する米国に配慮しつつ、ハマスに圧力をかけることで、人質解放交渉を前進させる狙いがあるとみられる。【エルサレム三木幸治】
イスラエル、ガザ出身労働者を送還へ 「一切の接触断つ」
【11月3日 AFP】イスラエルは2日、国内で働くパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)出身の労働者を送還すると発表した。
イスラエルはガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)の奇襲への報復として、ガザを包囲し、絶え間ない空爆を続けている。
イスラエルの治安担当閣議は声明で「ガザとの一切の接触を断つ。パレスチナ人労働者がガザから来ることは今後一切ない」「戦争勃発の日にイスラエルに滞在していたガザ出身の労働者は、ガザに戻す」と述べたが、送還する具体的な人数は明らかにしていない。
イスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)によると、同国はハマスとの衝突開始前、ガザ住民約1万8500人に労働許可証を発行していた。
AFPはCOGATに対し、10月7日時点でイスラエル国内で働いていたガザ住民の数を問い合わせたが、回答は得られていない。
10月7日のハマスによる奇襲ではイスラエル側で少なくとも1400人が死亡。ガザ保健当局によると、7日以降、ガザ側では民間人を中心に9000人以上が死亡している。(c)AFP