英王室のケンブリッジ公爵ウィリアム王子は11日、王室は「人種差別的な家族ではまったくない」と発言した。弟のサセックス公爵ハリー王子とメガン妃が米テレビのインタビューで発言した内容を受けてのもの。
ウィリアム王子はロンドン東部の学校を訪問中、記者に「王室は人種差別的な家族なんですか」と質問され、「私たちは人種差別的な家族ではまったくないです」と答えた。ハリー王子とメガン妃のインタビューが米英で放送されてから、ウィリアム王子が内容について公の場で発言するのは初めて。
インタビュー放送後に弟と話をしたかという質問には、ウィリアム王子は「いいえ、まだ話していませんが、話すつもりです」と答えた。
米CBSが7日に、英ITVが8日に放送した番組では米著名司会者オプラ・ウィンフリーさんが、王室の公務を離れて米ロサンゼルスに移住したハリー王子とメガン妃に話を聞いた。その中でメガン妃は、息子アーチーちゃんを妊娠中に、子供の肌の色が「どれだけ黒くなるのか」王室関係者が懸念を示していたと話した。ハリー王子は後にこの発言はエリザベス女王やフィリップ殿下ではないと、ウィンフリーさんに伝えたという。
インタビューではハリー王子も、イギリスのタブロイド紙がメガン妃について「植民地的な意味合い」の人種差別的な報道を続けていたにもかかわらず、自分の家族がそれを一度も非難しなかったことに傷ついたと発言した。イギリスを離れたのはタブロイド紙の人種差別のせいかとウィンフリーさんが聞くと、ハリー王子は「それは大きい理由だった」と答えた。
英王室は9日、こうしたインタビューの内容は「懸念される」もので、王室として「深刻に受け止めている」と声明を発表。「記憶は人によって異なるかもしれない」ものの、指摘された内容は王室内で対応するとコメントした。
インタビューでハリー王子は家族との関係についてさらに、自分が公務引退を決めた後、父チャールズ皇太子が自分の電話をとらなくなったと話した。また兄のウィリアム王子との関係については、「関係は現在、『保留』中です。ただし、時がすべてを癒(い)やしてくれると思いたい」と述べた。