「デマ横行、今も。98年前の反省を」 関東大震災朝鮮人追悼式典
毎日新聞 2021/9/1 22:49(最終更新 9/1 22:49) 401文字
関東大震災後に住民らによって殺された朝鮮人を追悼する式典が1日、東京都墨田区の都立横網町公園で開かれた。小池百合子知事は2017年から5年連続で追悼文を送付せず、参列者からは「(不送付は)犠牲者への冒とくで、いかなる差別も許さないという都人権条例の理念と相いれない」と批判の声が上がった。
式典は日朝協会などでつくる実行委員会が毎年主催している。震災当時、被災地では混乱の中で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマを信じた住民らが多数の朝鮮人らを殺害。国の中央防災会議の報告書では、震災の死者・行方不明者約10万5000人の1~数%を虐殺犠牲者としている。
宮川泰彦実行委員長は式典で、「特定の民族へのヘイトスピーチが横行し、災害時には外国人に関するデマがまかり通るのは現在も同じ。98年前の震災時になぜあのような過ちを犯してしまったのか、分析し振り返って反省することが大切だ」と語った。【南茂芽育】
2021.9.1 関東大震災98周年 朝鮮人犠牲者追悼式典