政府・都の溝浮き彫り GoTo対応、見通せず―新型コロナ
2020年12月02日07時06分 jiji.com
GoTo東京発着、一部自粛要請 小池知事、高齢者ら対象に17日まで
「国と都がしっかりと連携し、感染拡大を何としても阻止することで一致した」。首相は1日夜、首相官邸で小池知事と会談した後、こう強調した。
政府関係者によると、会談は都側の呼び掛けで夕方になって急きょ決定。関係者は「朝の時点では決まってなかった。だからこんなにバタバタしている」と都の対応に強い不満をにじませた。会談後に首相が記者団の取材に応じたのはわずか1分余り。手元の文書を読み上げ、足早に官邸を去った。
トラベル事業は、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指す菅政権の象徴的な事業。旗振り役の首相は経済への影響を懸念し、除外地域拡大に慎重な立場だ。
一方、既に一部除外を決めた自治体とは緊密に連携してきた経緯がある。札幌、大阪両市から出発する旅行でのトラベル事業の利用自粛要請を決めた際には、全閣僚が出席する政府対策本部を開催。事前に知事の同意を得ていたとみられ、政府はキャンセル料の扱いも含めて発表するなど迅速な対応をみせた。
しかし、今回の首相と小池知事との会談では、知事が要請するにとどまった。首相は「都の対応として理解できる」と述べたものの、政府対応の「小出し」感は否めず、両氏の連携の悪さばかりが浮き彫りになった。
トラベル事業から都を除外するかどうかをめぐっては、都と政府の意見が対立。小池氏は「全国的な視点が必要だからこそ国が判断すべきだ」と主張。政府は知事の判断が先決との立場を示しており、互いに判断の責任を押し付け合っていた
新型コロナワクチンが無料に 予防接種法改正案が成立
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を無料にする予防接種法改正案が2日、参院本会議で可決、成立した。併せて、感染が確認された入国者を医療機関に隔離することなどができる措置について、1年以内となっている期限を最長1年間延長できるようにする検疫法改正案も成立した。
予防接種法の法改正で、新型コロナ感染症の予防接種にかかる費用は国が負担することになる。また、接種による健康被害で製造販売業者が損害賠償を求められた場合は、国が肩代わりして損失を補償する。
新型コロナのワクチン接種は、蔓延(まんえん)を予防するため緊急の必要があるとする「臨時接種」に位置づけられ、接種の対象者には「努力義務」が課せられる。強制ではないが、接種を受けることに努めなければならない、という規定だ。
ただ、新しいワクチンで安全性に懸念があるため、接種の判断は国民自らの意思に委ねられる。接種しないことで差別やいじめ、不利益な取り扱いをしてはならないことを周知し、相談窓口の設置や情報公開の徹底を政府に求める付帯決議も可決された。
【LIVE】日本医師会 会見(2020年12月2日)
英政府、ファイザーのワクチン承認 7日にも接種へ
【ロンドン=佐竹実】英政府は2日、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナウイルスのワクチンの使用を承認したと発表した。7日にも医療機関などで接種を始める予定だ。米国も中旬にも接種が始まる見通しで、パンデミック(世界的大流行)収束に向けた期待が欧米で高まっている。
各地で開発が進むワクチンは臨床試験(治験)の段階で高い予防効果を示している。各国の規制当局は今回、治験段階からデータを審査するなどして手続きを早めた。収まらないパンデミック対策として官民が連携し、開発から1年足らずで実用化にこぎ着ける異例のスピード承認となる。
英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が2日に承認したのは、ファイザーと独ビオンテックが共同開発するワクチン。治験では95%の予防効果を確認した。英政府は同ワクチンを4000万回分調達する契約を結んでおり、介護施設の入居者や職員、医療従事者、高齢者などに優先的に接種する
ワクチンはドイツのビオンテックの工場やベルギーのファイザーの工場で生産される。セ氏マイナス70度で保管する必要があるため、ファイザーが開発した設備で輸送。英国内の配送センターの2~8度の冷蔵庫に移してからは、5日以内に使用する必要がある。
低温で輸送・保管する性質上、各地に点在する介護施設や高齢者に行き渡らせるのは難しく、病院でまとめて接種できる医療従事者が優先される可能性がある。英政府は国民医療制度(NHS)を通じ、病院などに接種する体制を整えるよう通達を出した。ロンドン近郊の病院では、接種用の部屋を確保するなどの準備が進んでいる。
ファイザーとビオンテックのワクチンは「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ばれる新しいタイプだ。米バイオ製薬のモデルナもこの技術を使ってワクチンを開発しており、いずれも高い効果を確認している。MHRAは、モデルナのワクチンについても審査を始めており、近く承認される可能性がある。
英政府はこれまで、7種類のワクチン、3億5500万回分を確保している。このうち英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発するワクチンは1億回分を調達する。英アストラゼネカのワクチンは想定よりも少ない量の方が効果が高かったことを受けて追加の臨床試験(治験)を行う予定だが小規模にとどまり、同社は英国と欧州連合(EU)による承認のスケジュールに遅れはないとしている。
東京都、新たに500人感染 累計4万1811人
配信 共同
東京都は2日、新型コロナウイルスの感染者が新たに500人報告されたと明らかにした。500人台は11月28日以来。累計は4万1811人となった。 都内は11月以降、感染状況が悪化。都は同19日に感染状況のモニタリング指標を4段階のうち最高レベルの「感染が拡大している」に引き上げ、同28日からは都内ほぼ全域で酒類を提供する飲食店やカラオケ店に午後10時閉店の営業時間短縮を要請している。
大阪で新たに427人の感染確認 400人超えるのは4日ぶり 新型コロナ
大阪府は2日、新型コロナウイルスの感染者が新たに427人確認されたと発表した。1日当たりの感染者が400人を超えるのは4日ぶりで、過去3番目の多さになった。【石川将来】