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【成田悠輔】22世紀型のEBPMについてのプレゼン 皮肉やユーモアをいれつつの完璧なプレゼン【成田悠輔/切り抜き/プレゼン/EBPM/デジタル化】

2022年06月10日 14時31分11秒 | 政治

【成田悠輔】22世紀型のEBPMについてのプレゼン 皮肉やユーモアをいれつつの完璧なプレゼン【成田悠輔/切り抜き/プレゼン/EBPM/デジタル化】

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元動画→エビデンスに基づく政策立案を進展させるために:4 https://www.youtube.com/watch?v=KX-Ul...

 いま、政府や地方公共団体の仕事の進め方を根本的に見直し、より効果的で効率的なものに変える、「エビデンスに基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making:EBPM)」と呼ばれる考え方が注目されています。

 この記事では、EBPMとはどのような考え方なのか、その狙いやメリット、事例などを解説します。

EBPMとは何を目的にした考え方なのか?

 EBPMは、「統計データや各種指標など、客観的エビデンス(根拠や証拠)を基にして、政策の決定や実行を効果的・効率的に行うこと」と定義できます。

 EBPMは、民意や社会の状況をキメ細かく、すばやく、的確に反映した政策を立案・実行し、普段は見えにくい政策の効果を可視化して、誰もが効果を実感できるようにすることを目的としています。

いま、なぜEBPMに注目が集まっているのか?

 もちろんこれまでも、行政機関では民意によって選ばれた議員の声やさまざまなアンケートの結果、有識者の意見を参考にしながら、何らかの根拠に基づいて政策を立案・実行していました。ではEBPMはこれまでの行政の意思決定方法とどこが異なるのでしょうか。

従来の政策立案の問題点

 これまでは、政策立案時に民意や社会の状況をキメ細かく、タイムリーに把握するには限界がありました。そのため、どうしても「大きな声」「身近な声」「理解しやすい声」を中心に政策が決まりがちで、偏りが生まれる可能性を常にはらんでいました。

 さらに、政策の効果を検証するのも容易ではありませんでした。これまで新しい政策の効果を検証する際には、いくつかの成果指標を設定し、その実績を計測して評価していました。しかし、対象とする政策と計測した効果の間に因果関係があるのか、明確には分からないケースが多くありました。

 政策を実行するのには、それなりのコストがかかります。またその政策によって、これまで問題になっていなかったところに、新たな問題の種を蒔いてしまう可能性もあります。このため、立案された政策と効果の因果関係がはっきりしない状態では、無難に過去の慣例を踏襲するだけになりがちです。

ICTの発達によって、民意や社会状況の的確な把握を可能に

 少子高齢化が進み社会の生産性向上が求められるなか、行政機関においては、限りある人的リソースや財源を最大限有効活用して、透明性、信頼性の高い効果的な政策を行う必要性が高まっています。行政機関の仕事のあるべき姿に立ち返るための仕組みとして、期待されているのがEBPMです。そして、EBPMは、ICTが急激に進化したからこそ、実践できるようになった考え方だといえます。

ICTの進歩がEBPMの実践を後押し

 これまでは、エビデンスとなるデータを集めようにも、予算や資源、人材の面で限界がありました。

 しかし近年、ビッグデータの整理・加工・分析や、人工知能(AI)の活用により膨大なデータから一見見えにくい傾向の抽出が可能になりました。さらに、SNSやネット上の膨大な情報やIoTを活用すれば、実社会の克明な動きを把握することも可能です。

 こうしたICTの進歩により、専門家でも気づかない隠れた民意や見えにくい社会問題を見つけだし、人手ではとても処理できない量のデータから、網羅性が高く高精度なエビデンスを抽出することが可能になったのです。

より効果的なEBPMを実践するための手順

 政策の効果をエビデンスに基づいて検証するには、立案時に政策と期待する効果の因果関係を明確にする論理的なモデルをつくっておきます。「風が吹けば桶屋が儲かる」といった場合、「風が吹く」ことと「桶屋が儲かる」ことの間で何が起きているのか、筋道を論理的かつ定量的に明示しておくのです。こうした、政策と効果を結びつける筋道のことを「ロジックモデル」と呼びます。

 この時、狙う効果を明確かつ定量的に判断できる指標を、同時に定義しておきます。そして政策実行後に、定義した指標に沿ってエビデンスを収集し、モデルに当てはめて検証して、効果の評価や住民への説明責任を果たすために利用します。

 ただし、効果があったことを示すエビデンスが得られたとしても、本当に実行した政策によるものなのかは、慎重に判断する必要があります。まったく別の要因で、指標が好転した可能性が捨てきれないからです。そこでEBPMでは、政策を適用する範囲と、適用しない範囲を無作為に決めておき、結果を比較検証する方法が使われます。こうした手法を「ランダム化比較実験」と呼びます。

EBPMの実践事例

 欧米諸国や国内の先駆的地方公共団体などで、盛んにEBPMの実証実験が行われるようになりました。医療、就労、教育、環境、産業、防犯、まちづくりなど、さまざまな分野に関わる政策の立案に適用されているようです。なかには、すでにEBPMによって効果検証した政策を実行しているところも出てきています。ここでは、実践例を3つ紹介します。

貧困から抜け出す職業スキルの効果的取得方法を探る

 米国のニューヨーク市では、貧困層の就労者数を増やす政策を選定するためにEBPMを実践しました。ITスキルの学習など、就労訓練プログラムを受講したグループと、受講していないグループを、家計収入の状況や失業保険の利用状況の変化を指標として比較しました。そして、得られた結果を基にした政策は、すでに実行されています。

患者が自発的に医療費を抑えるよう導く

 広島県呉市では、診療報酬明細(レセプト)のデータや健康診断データを活用して、医療費の増加要因となり得る持病を持つ人を抽出。重症化する前に把握して、個別指導やジェネリック医薬品との差額通知の送付などを実施する施策の効果を、EBPMで検証しました。これにより、薬剤費の削減や糖尿病での腎臓透析移行者の大幅な減少に成功しました。

ゴミ出しの正しいルールを徹底させる

 神奈川県葉山町では、資源ゴミを捨てる際の誤りを是正する施策を検討するためにEBPMを活用しました。町内会を巻き込んで、ゴミの集積場の状況を調査し、対策案を検討。そして、対策案を実施する場所としない場所を設けて比較することで、効果的な対策を見つけ出しました。

EBPMは今後のあたりまえに

 EBPMは、これからも多くの実証実験が行政機関内で行われ、知見が蓄積され、その効果も広く周知されることでしょう。EBPMは今後、あたりまえの考え方として定着していくと予想されます。

 今後ICTが更に進歩することで、より効果的で効率的なEBPMの方法が確立されることが期待されています。都市の動きをICTによって最適化するスマートシティや、社会課題の解決に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは、とりわけEBPMとの親和性が高いと思われます。EBPMの適用範囲が拡大し、方法も進化することによって、私たちの暮らしや社会はよりよい方向へと変わっていくはずです。

 EBPMの最前線記事はこちら

 
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