とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

〈およそ権力を有する人間がそれを濫用(らんよう)しがちなことは万代不易の経験である。彼は制限に出会うまで進む〉…

2017年11月04日 18時54分01秒 | 時事問題(日本)

〈およそ権力を有する人間がそれを濫用(らんよう)しがちなことは万代不易の経験である。彼は制限に出会うまで進む〉…

西日本新聞   2017年11月04日 10時36分   https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/syunzyu/article/371140/

 

18世紀の啓蒙(けいもう)思想家モンテスキューは著書「法の精神」で説いた。権力の濫用を防ぐには〈権力が権力を抑止するようにしなければならない〉

▼その考え方から「三権分立」が生まれた。当時、国王が独占していた国家権力を立法権、行政権、司法権に分け、それぞれ別の機関に委ねて互いに監視し合う仕組みだ

▼今の日本なら、国会、内閣、裁判所に当たり、相互抑止の権限が憲法に定められている。例えば、国会は首相を指名し、内閣不信任を議決できる。首相は衆院を解散することができる

▼ただし、日本は三権が均衡した「正三角形」ではない。国会議員から首相を選ぶ議院内閣制だからだ。通常、首相は衆院で多数を占める与党の代表が選ばれる。つまり、国会も内閣も与党が強い力を持つ制度だ

▼国会での質問時間を、議席数に応じて野党分を減らし与党分を増やすように、と自民党総裁でもある安倍晋三首相が党に指示したという。これまでの質問時間は与党2割、野党8割。野党に手厚いのは、立法、行政で優位に立つ与党の独走を監視する意味がある。民主主義にふさわしい慣例だ

▼そもそも、この時間配分を求めたのは野党時代の自民党。それを数の論理で覆すのなら、「彼は制限を変えてでも進むつもりか」との批判を免れまい。


=2017/11/04付 西日本新聞朝刊=


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