とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

生まれたての赤ん坊の足

2017年03月30日 11時57分31秒 | 児童文学(絵本もふくむ)

                                                

 

                                                      私は3回出産をしている。

 

                               ごたんぶんにもれず出産はこわかった。

 

                                   どうなるんだろう?

 

                                   だれも教えてくれない。

 

                                 唯一教えてくれたのが祖母と母。

 

                             祖母 「障子の桟が見えなくなった時に赤ん坊が生まれる」

 

                                        ふーん。

 

                                  母 「何も言えないがこれだけは教える。

                           生まれたての赤ん坊はとりあげられた時に太ももを蹴って生まれてくるのよ。

                                   その足がね、たとえようもなくやわらかいのよ」

 

                                          ふーん。

 

                                      両方とも役にたちました。

                                          特に母の言葉が。

 

                                        私は自然分娩で子供を産んだ。

                       

                        母の言葉どおり、子供はとりあげられる時に足をばたばたとさせ、私のふとももを蹴って生まれてきた。

 

                                    その足はたとえようもなくやわらかかった。

 

                         生まれたての赤ん坊がまだ分娩室で寝ている時に、私の胸元に連れてこられた。

 

                                      思わず足に触ってみた。

 

                                 たしかに、 たとえようもないほどやわらかかった。

 

                                  しばらしくして新生児室に行き、もう一度赤ん坊の足にさわってみた。

 

                                    すでにかたくなってきていて、あのやわらかさはなかった。

 

                             けれど、私のふとももを蹴って生まれてきた生まれたてのやわらかなr赤ん坊の足の記憶。

                        

                                    それは、わたしの母親としての心の核になりつづけている。

 

                                             いまでも。

                  


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