かなしくーて、かなしーくて.、やりきれない...........何をやってもかなしくて。そんなときに手に取ったのが、この本でした。
愛する子どもを失った悲しみを描いた本でしたが、あらゆる悲しみに通じる本だと思います。
私が一番ショックをうけたのは、一ページ目の無理に笑っている顔。
わたしは、いま本当にかなしいんだぞ!だから、これ読むんだぞ!と思って開いたページがこれでした。
いきなりでてくる笑っている顔の説明は以下。
「これは悲しんでいる私だ。
この絵では、幸せそうに見えるかもしれない。
じつは悲しいのだが、幸せなふりをしているのだ。
悲しく見えると、ひとに好かれないのではないかと思って
そうしているのだ」
悲しい感情を知らない人はいないだろう。
そういうときは、誰かに話して共感してなぐさめてもらいたくなる。
でも、「自分の悲しみ」だ。誰にでも話したくない時もある。
そんな、人が悲しいときに何をするか、何を思うか、何でなぐさめられるか、何をしてほしいかを描いている本だった。
だから悲しいときに、またこの絵本を開こうと、最後のページを閉じながら思った。
悲しいときは、共感してなぐさめてほし。が、やっぱり人には自分の悲しみはわからない。だって「自分の悲しみ」なんだから。
だから誰にもはなしたくない。けれど誰かに話したい。なぐさめられたいからだ。けれど、「自分の悲しみだ」。誰もわかってくれない。
だから誰にも話したくない・・・・・・・・・・・・・・・私が書くとこんな堂々めぐりになって、ちっともおもしろくない。
けれど、この本は100倍うまくスッキリまとめています。
これはイギリスの絵本でした。よくできていて感心することしきり。
それで作者経歴を書いておきます。もっと他の著作に出会いますように。どれも、きっと、すばらしいでしょう。
作者:マイケル・ローゼン(Michael Rosen)
1946年、イギリスのサウス・ハーロウに生まれる。オックスフォード大学卒業後、フリーランスのライター、教師、ジャーナリストを経験し、ラジオやテレビの仕事にかかわる。作家としては、イギリス国内はもとより、アメリカでも数多くの賞を受賞。代表的な絵本の作品に「きょうはみんなでクマがりだ」(評論社)などがある。現在は、ロンドン東部のハックニー在住。携帯電話とユーモアとハーモニカをふくことをこよなく愛す。
画家:クェンティン・ブレイク(Quentein Blake)
1932年、イギリスのケント州に生まれる。ケンブリッジ大学、チェルシー美術学校で学ぶ。絵本に「アーミテージさんのすてきなじてんしゃ」「ピエロくん」「みどりの船」「(以上あかね書房)「ザガーズ」(好学社)などがある。ケイト・グリナウェイ賞、ウイットブレッド児童図書賞、ボローニャ・ラガッツィ賞のほか、1999年にイギリス皇室から初代名誉児童文学作家の称号を授かり、2002年には国際アンデルセン賞も受賞した。
以上2004年現在。