2022/8/20
★19日、立憲民主党代表・泉健太は「(旧統一教会との)関係を断ち切れないのが今の与党」と指摘している。本当にそうだろうか。旧統一教会が反共保守を掲げ自民党に近づいたのは周知の事実だが、反共思想は旧民社党など一部野党を橋頭堡(ほ)に労働界、宗教界、学術界、野党政界にも深く浸透している。
★ここで松下正寿なる人物に触れておこう。松下はキリスト教家系に生まれ1922年に立教大学を卒業。コロンビア大学でPh.Dを取得。カールトン大、ミネソタ大、ジョンズ・ホプキンズ大でも学ぶ。29年、28歳で母校・立教大教授に。戦後の東京裁判では日本側の弁護人に立ち、55年、立教大学総長に就任。67年には自民、民社党推薦で都知事選に出馬。翌68年に民社党から参院東京選挙区で当選。1期務めている。議員時代の73年、統一教会の文鮮明に面会し心酔。74年に統一教会が主導する世界平和教授アカデミー初代会長に就任。世界日報論説委員なども歴任した。アカデミズムと反共保守野党化していく民社党、それを支える同盟系民間労組。松下の役割は大きい。
★思えば昨年の就任直後からの連合会長・芳野友子は「連合と共産党の考えが違う。立憲民主党と共産党の共闘はありえない」と言い続け、さらに「考え方の違う共産党が入るのはちょっと考えなければいけない」と反共路線を押し出していた。松下は民社・同盟系の富士社会教育センターの2代目理事長も務めた。現在の理事長は元連合事務局長・逢見直人。芳野が反共思想を習得した富士政治大学は同センターの教育部門だ。今も旧同盟系労組幹部や国民民主党議員らはここで研修を受けている。芳野はこの時の思い出をさまざまなところで自慢げに披露するという。泉は自民党に向けた疑問を連合にも向けるべきではないか。(K)※敬称略
世論の風当たり強く…岸田首相「三重苦」の様相
約1週間の夏休みを終え、22日から公務を再開した岸田文雄首相が政権発足以降、最大の試練を迎えている。21日には自身の新型コロナウイルス感染が判明し、30日まで公邸内にとどまる事態に。10日に断行した人事の刷新感は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と接点を持つ政務三役や党幹部の起用により早々に吹き飛んだ。賛否が割れる安倍晋三元首相の国葬を含め、いずれも世論の風当たりは強く、さながら「三重苦」の様相を呈している。
22日夜、療養中の公邸からリモートで取材に応じた首相は「自分が感染する事態を想定し、万が一の場合に備えてきた」と強調した。予定していた外国訪問や国際会議への参加もオンラインで対応し、「可能な限り、通常同様の対応を行っていきたい」と語った。
「国政に支障が出ないよう万全を期している」と胸を張る官邸サイド。これに対し、インターネットを中心に非難の声は絶えない。
官邸内では7月以降、松野博一官房長官や首相秘書官らの感染が相次いだものの、首相は夜の会食を継続。感染が確認される直前には、家族と茨城県でゴルフをしたり、静岡県内を旅行したりしていた。「トップとしての責任感が薄い」。自民関係者からも厳しい指摘が。一般の人が受けにくくなっているPCR検査を、首相の陽性判定に使ったことも、ネット上で火に油を注ぐ形となっている。
新型コロナを巡っては先週の段階で、全国の1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新するなど、「第7波」の猛威が続く。首相はこの日、「保健所や医療機関のさらなる負担軽減策を一両日中に示したい」と語ったものの、「なぜ早めに手を打てなかったのか。遅きに失している」との声が政府内からも漏れる。
19日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で「危機感が足りない」(立憲民主党の長妻昭氏)と追及を強めていた野党に、首相の感染はさらなる攻撃材料を与えた格好となり、自民中堅は「タイミングが最悪だ」と嘆いた。
旧統一教会の問題も、政権の逆風となっているのは明らかだ。共同通信社が10日の内閣改造を受けて行った世論調査で、自民や所属議員の「説明が不足している」との回答は89・5%に。毎日新聞が22日に報じた調査結果では、岸田内閣の支持率は前回7月より16ポイント急落。お盆休みを挟んで火種が沈静化するどころか、火力は勢いを増している。
政府が9月27日に予定する安倍氏の国葬にも、冷ややかな目を向ける国民は少なくない。東京都内では中止を求めるデモが行われ、22日には国葬に反対する大学教授らが国会内で記者会見し、署名への賛同を呼びかけた。「こんな状態で、憲法改正や安全保障に関する議論を進められるのか」。与党重鎮からは政権の先行きを案じる声が出ている。 (河合仁志、御厨尚陽)
森雅子首相補佐官の「教会イベント参加」を示す証拠写真 「信者相手に演説」元秘書が証言
教団との付き合いを示す“証拠写真”
自民党議員と統一教会の癒着が追及される中、森雅子首相補佐官にも疑惑が。グーグルストリートビューで森氏が生まれ育った福島県いわき市の統一教会施設を確認すると、建物内に彼女のポスターが貼られていたことがSNS上で騒動になっているのだ。地元では森氏が統一教会のイベントに登壇した“証拠”も出回っているという。
(後略)