上皇の京都滞在「全力で準備」 地元各界代表が提言案
京都の行政、経済、学術・文化各界の代表者でつくる「京都の未来を考える懇話会」の会合が6日、京都市下京区で開かれた。天皇陛下の退位を実現する特例法の成立を受け、退位後の京都での滞在や新天皇の即位関連の行事の京都開催などについて、国に提案する文書案をまとめた。
文書案では退位後の京都滞在に関して、天皇、皇后両陛下への感謝の意を記した上で、上皇、上皇后として公務を離れ京都で過ごす際には「全力で準備をする決意」を示し、政府に対して京都御所などの環境整備に配慮を求めている。
新天皇の即位関連の儀式については「皇室と京都の関わりを踏まえ、何らかの形で役に立ちたいと念願している」と表現し、即位の礼や大嘗祭の具体的な名称は触れなかった。京都御所などでの園遊会やお茶会の開催、古式による五節句など宮中行事の復活を検討するよう政府に要望する。
会合では、京都の自然に関する記述の追加や、上皇の滞在が望ましい季節を明記すべきなどの意見があり、内容を修正して、国に提出する方針を確認した。
会合後、山田啓二京都府知事は取材に「まずは思いを伝えるため、第一歩となる内容」と述べた。国には今後2カ月以内をめどに提出する意向を示し、「提案者も幅広く募っていきたい」とした。門川大作京都市長は「御大礼の実施は難しいが、本来どうあるべきかを提案するのは京都が果たすべき役割」と述べた。