イトーヨーカドー、セブン・イレブン、デニーズなどを傘下におさめるセブン&アイ・ホールディングスの創業者で現・名誉会長の伊藤雅俊氏が3月10日に死去していたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。98歳だった。
日本チェーンストア協会会長を務めるなど、日本の流通業界をけん引。2005年にはセブン&アイ・ホールディングス名誉会長に就任した。
「一大グループを作り上げた伊藤氏の経営哲学にはファンも多く、著書も数多く出版されています。かつて米フォーブス誌の富豪ランキングで日本の上位10位に入ったこともある超のつく大金持ちですが、私生活は意外にも質素で知られる。服装や食べ物、車には無頓着。東京・港区にある自宅の周りを1人で散歩している様子が近隣の住民にたびたび目撃されていました」(経済誌記者)
90歳を超えても経営への関与には積極的であり続けた。
過去には“相棒”との決別が報じられたことも
「2016年、91歳の時には、セブン-イレブン・ジャパンの社長人事を巡って当時83歳だった鈴木敏文会長(現・名誉顧問)と対立。40年以上、“相棒”として寄り添ってきた鈴木氏と決別したのではないかと複数のメディアで報じられたこともありました」(同前)
伊藤氏の通夜は3月12日、葬儀は13日に関係者のみで執り行われるという。
3月16日発売の「週刊文春」及び3月15日12時配信の「 週刊文春 電子版 」では、そんな伊藤氏が立ち上げたイトーヨーカドーで進んでいる店舗の統合再編、不採算店舗の大量閉店やアパレル事業からの撤退などについて社内説明会の音声と共に詳しく報じる(音声は「週刊文春 電子版」で公開予定)。
(「週刊文春」編集部/週刊文春)
伊藤雅俊氏(画像はネットから借用)
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東京生まれ。1944年横浜市立商業専門学校(現横浜市立大学)卒業、三菱鉱業(現三菱マテリアル)入社。大日本帝国陸軍特別甲種幹部候補生(特甲幹)を経て、日本の降伏後[3]、足立区北千住で家業の「羊華堂」という名称の洋品店に参画[2]。
1958年ヨーカ堂(現イトーヨーカ堂)を設立し、同社代表取締役社長に就任。1973年ヨークセブン(現セブン-イレブン・ジャパン)を設立し、同社代表取締役社長に就任。同年デニーズジャパンを設立し、同社代表取締役社長に就任。1978年セブン-イレブン・ジャパン会長、1978年日本チェーンストア協会会長。1981年デニーズジャパン会長。
1996年イトーヨーカ堂名誉会長[4]。2005年からセブン&アイ・ホールディングス名誉会長を務め、2016年には長年自身の後任を務めてきた鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEOを、創業家と伊藤邦雄取締役(創業家と同姓だが、一族ではない)らで退任に追い込んだ[5][6]。
2023年3月10日死去。98歳没。