2021.03.24 ハーバードビジネス
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</form>感染状況が悪化した宮城県。対応策の効果は4月1日前後に
〈**宮城県と仙台市、独自の緊急事態宣言 4月11日まで 2021/03/19 河北新報〉 令和の牟田口廉也である村井嘉浩宮城県知事は、「気の緩み」と第四波エピデミックSurge発生の責任を市民へと転嫁するという破廉恥発言をしましたが、統計と時系列を見れば、宮城県における非季節性第四波エピデミックSurgeは、失政による当然の結果であり、その全責任は令和の牟田口廉也と令和の第15軍司令部である村井嘉浩氏、宮城県庁、そしてジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーの策源地である宮城県の専門家会議にあります。
皮肉なことに、2/13の福島県沖地震により感染拡大が本格化したのではないかという前回記事公開日に宮城県近海でM7.0(速報値)の地震が発生し、津波警報が発令されるという騒然とした状態に東北3県はなりました*のでこれによる感染拡大効果があり得ますし対策が泥縄であることもあって、宮城県緊急事態宣言**の効果は、4月第一週末以降に遅延する可能性があると思われます。
〈**感染封じ込め追加対策を検討 緊急事態の宮城県と仙台市、きょう判断 2021/03/21 河北新報、仙台全域の飲食店に時短営業を再要請 25日から、営業午後9時まで 2021/03/22 河北新報〉
英国変異株(B.1.1.7)がドミナントか否かが鍵
宮城県の市民は、目隠しをし続けた状態で補給無しの徒手空拳でウィルスと戦うことになります。まさに令和の牟田口廉也によるインパール作戦の様相です。
〈*モンゴル、中国、ミャンマー以東の東部アジア、大洋州ではCOVID-19パンデミックによる被害が他の地域、特に米欧に比してきわめて小さい。また、その西側でもアフガニスタンまでは日韓並みの感染率である。中東湾岸諸国から謎々効果は、急速に衰えて行く。
筆者はこの事実に2020年2月末頃に気がつき、同3月には「謎々効果」(謎々ボーナスタイム)と名付けている。全く同じ現象を後に”Factor X”と呼称している人たちもいる。米欧メディアや研究機関が注目するものの、謎々効果の原因もそれがどのような現象であるかも不明であった。謎々効果の原因は依然不明だが、この領域では、感染率が現在でもBaseline比較で台湾、ニュージーランドなどでは欧米比1/1000〜1/10000であり、日韓で1/10〜1/20である。
一方で致命率(CFR)は、謎々効果があっても米欧他と大きな差はない。感染すれば、謎々効果国であっても一定数死亡し、その確率であるCFRは米欧とそれほど大きく変わらない。CFRは、主として医療水準と医療への負荷によって変動している。 謎々効果は、アフリカ大陸でもほぼ全域で見られている。視点を変えると、COVID-19は、欧州、南北米大陸で特異的に猛威を振るっていると考えることができる〉
図示したように、英国の事例からB.1.1.7であっても非薬理的手法の中でも非常に厳しいハードロックダウンは、たいへんに有効です。また第1世第COVID-19ワクチンの有効性も十分に高いとされます。実際、スペインとポルトガルを除く欧州諸国は、12月に英国を直ちにTravel Ban(英国との人間の移動を遮断)*したためにB.1.1.7による非季節性エピデミックを3ヶ月近く遅らせることに成功し、その間に対策を進めてきました。残念ながらワクチン接種はEU諸国でも間に合っておらず、非薬理的対抗措置が中心となっていますが、英国の失敗から学んでおり現時点では、英国のような状態には陥っていません。筆者は、欧州全域について注意深く観察中です。
それでは日韓台3国はどうでしょうか。今回は、日韓台3国の定点観測を台湾を中心に行います。
定点観測2021/03/21台湾
しかし台湾のみでグラフ化すると3月の第一波の後、たいへんに小規模ですが7,8月の第二波、9月から2月の第三波(秋の波)、この3月の第四波エピデミックが発生していることが分かります。
但しこれらは殆どが空港検疫など域外から持ち込まれたウィルスが水際で発見されているのであって、国内発生はたいへんに希です。従って台湾は、交流のある東アジア、大洋州、米州でのエピデミックの指標となります。
現状では、台湾において検疫の国内側ではエピデミックの発生は確認されていません。
〈この日、空港などの検疫を含み新規感染者が発見されなかったことを喜ぶゾンチャイ(総柴)。中華民国衛生福利部(台湾厚生省)〉
台湾においても空港検疫を大部分として2/18以降、新規感染者の発見は増加しており、主として東部アジア、大洋州、米州におけるエピデミックの発生を示唆しています。
韓国と本邦においても第四波エピデミックが始まっていますが韓国は、K防疫によって感染拡大をなんとか押さえ込んでいることが分かります。
一方で本邦は、7日移動平均で新規感染者数増が始まった3月中で3/21迄に30%の新規感染者数の増加となっています。本邦では、明確に非季節性第四波エピデミックSurgeを生じており、昨年10月における第三波エピデミックSurgeと酷似した推移となっています。
アジアでは、2/15頃からエピデミックが発生しており3/21現在で日毎新規感染者数が2/15起点で2.3倍まで増加しており、既に指数関数的増加を見せつつあります。
PCR検査拡充で日本と正反対に制圧に成功した台湾
実際には、3月に入り、2021/03/22時点で筆者が調べた限りでは、台湾の本土個案(検疫より内側の台湾市中)ゼロが続いています。第四波エピデミックの前にPCR検査を増やし、市中感染者を徹底的に発見したが故で、本邦と正反対となっています。。
〈2021/03/18の台湾における防疫情報中華民国衛生福利部(台湾厚生省)〉
韓国では、1月末のSpike以降、ウィルスとK防疫の鍔迫り合いの状態が続いており、一進一退で拮抗していると言えます。K防疫体制は、昨年11月下旬の水準となっており、妥当と言えますが、韓国ではB.1.1.7特有の強い感染力が現れた場合に備えています。
本邦は、2月中旬には半減日数(半減期)*が12日程度とたいへんに素晴らしい状態を記録しました。その後も2/24までは、半減日数14日を維持し、その状態が続けば4月初旬には収束していましたが、2/25頃以降、一貫して二週間変化率は増加し続け3/22現在で倍加時間60日程度となっています。既に本邦は、感染拡大が明らかに始まっていると言えます。
〈*感染者数が半減するまでに要する日数(時間)なお、前回までの筆者による試算は、半減期を過大評価していた。実際には前回まで試算した半減期は試算値の半分とすれば概ね正しい〉
菅内閣による緊急事態宣言(菅緊急事態宣言)の緩和が2/8からですので、二週間変化率からも菅緊急事態宣言は1月中にはたいへんに効果があったもの一部解除によってエピデミックの収束を逃したと言えます。しかも折悪しくB.1.1.7が在来株に打ち勝ち、ドミナント(支配株)になることを促進してしまった結果になりました。惜しいことをしたものです。世界で本邦のみのジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーに基づく検査抑制ドグマにより、索敵=ウィルスの実態把握をしなかったが故の痛恨事となりました。
日本、韓国、台湾およびアジア全体での百万人あたり日毎死亡者数の推移(ppm 7日移動平均 線形)2020/09/01-2021/03/21/日本は、1/1に過去の集計漏れを一括計上しているために1/1から7日間の日毎死亡数が跳ねているが、これは一括計上による統計の乱れである。以前は1/19に計上されていたが、評価の邪魔になるので1/1に移された/OWID
死亡数高止まりの日本。久々に減少したものの……
検査数統計からも明白な台湾成功の理由
日本、韓国、台湾における千人あたり検査数の推移(‰,7日移動平均,線形)2020/1/23〜2021/3/19/OWID
日本、韓国、台湾における新規感染者一名発見あたりの検査人数(no Units,7日移動平均,線形)2020/01/28〜2021/03/19/一人の感染者を見つけるために何人にPCR検査をしたかという指標で、検査陽性率の逆数でもある。日本以外では、極めて重要な指標と見做されている/OWID