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『 Command the Mornig 』 Pearl S ・Buck
神の火を制御せよ
裏表紙:「原子爆弾を使うことはならないと考えております」
「使うか否かにかかわらず、アメリカは原子爆弾をつくるべきだ。それもできるだけ速やかにね」二人はしばらく黙って歩いていた。
「核兵器の製造に加担したくありません」
「誰が好きでやるものか。悪魔の仕事だ。だが、他の悪魔が先に作ったらどうする?」
「投下はやめて、お願い」ジェーンは両手で顔をおおった。
「原子爆弾を使う必要はない。日本は必ず降伏する。すでにひざまずいている。日本人は誇り高い民族だから、無条件降伏なんて言い出しちゃならない。ただの降伏でいいじゃないか。それなら彼らの名誉が保てる。そうじゃないか?戦争を終わらせることが大切だ。そうじゃないか?』(本書より抜粋」
(本書の冒頭ページ)
” H I R O S I M A !
「原子爆弾を落としたことを、どう思いますか?」
アメリカ軍の若い爆弾手に新聞記者が尋ねた。
「どう思ったかって?」
爆弾兵は同じ言葉をくり返し、タバコを深く吸いこんで
煙の輪をふきだした。
「ふつうの爆弾と変わりないですよ。それだけです」
―――その日、死の町で、一人の生存者が壕から 這い
出し、立ち上がって辺りを見回した。男は煙が立ち
こめた死と破滅の砂漠に立っていた。男は号流し、絶望の
うめきを発し、天に向かって両手を振り上げて叫んだ。
「こんな、こんな 惨(むご)いことがあっていいのか!」 ”
(次のページは目次)
第1章 大統領の決断 第2章 真珠湾攻撃の翌朝 第3章 カウント・ゼロ
第4章 原子爆弾投下
エピローグ 解説
(次ページは)ヨブ記38章
(訳本には「「新共同訳」日本聖書協会刊の引用をしておられますが、私が必要あるたびごとに使用している日本の別の教会で、実際に日本の教徒さんが使用しているバイブルの邦訳文のほうが詩情があるように思えます。単なる好みの問題です。独断で該当部分をすりかえさせていただきます。すみません)
1 主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。
2 知識もなく言い分を述べて。摂理(せつり)を暗(くら)くするこの者はだれか。
3 さあ、あなたは勇士のように腰に帯をしめよ。わたしはあなたに尋ねる。わたしに示せ。
4 わたしが地の基(もとい)を定めたとき、
あなたはどこにいたのか。
あなたに悟ることができるなら、告げてみよ。
5 あなたは知っているか。
だれがその大きさを定め、
だれが測(はかり)りなわをその上に張(は)ったかを。
6 その台座は何の上にはめ込まれたか。
その隅(すみ)の石はだれが据(す)えたか。
7 そのとき、明(あ)けの星々が共に喜び歌い、
神の子たちはみな喜び叫んだ。
8 海がふき出て、胎内から流れ出たとき、
だれが戸でこれを閉じ込めたか。
9 そのとき、わたしは雲をその着物とし、
黒雲(くろくも)をそのむつきとした。
10 わたしは、これをくぎって堺を定め、
かんぬきと戸を設(もう)けて、
11 言った。「ここまでは来てもよい。
しかし、これ以上はいけない。
あなたの高ぶる波はここでとどまれ」と。
12 あなたが生まれてこのかた、
朝に対して命令を下し、
暁に対してその所をさし示し、
13 これに地の果て果てをつかまえさせ、
悪者(わるもの)をそこから振り落とさせたことがあるか。
(引用は、ここで終わりますが、もう少し続けます)
14 地は刻印をおされた粘土のように変わり、
衣服(いふく)のように色づけられる。
15 悪者(わるもの)からはその光が退(しりぞ)けられ、
振りかざす腕は折られる。
(私注:旧約聖書のこの部分は、まだ続いているので、おそらく日本人には、ここまでの部分を出しても、何を言っているのか分からないと思います。たとえ、パール・バックには分かっていても。その先もいい部分が続いているので、そうすれば、もう少し理解が深まると思いますが、手が痛くなってしまいキーボードを打てません。聖書が何を言っているのか分からないのは、私も同様です。聖書の解釈に首をつっこむと、神学にはまりこまなくてはいけません。いや、それよりも、生涯をかけて、謙虚に真摯に孤独に、あの分厚い聖書を黙々と日々読むことが、きっと最も肝要なことでしょう。困ったことですが、長いスパンで取り組むしかないでしょう。が、私自身は、あの分厚さを見ただけで砕け散る。ここは大雑把に、GO,GO!)
神の火を制御せよ
裏表紙:「原子爆弾を使うことはならないと考えております」
「使うか否かにかかわらず、アメリカは原子爆弾をつくるべきだ。それもできるだけ速やかにね」二人はしばらく黙って歩いていた。
「核兵器の製造に加担したくありません」
「誰が好きでやるものか。悪魔の仕事だ。だが、他の悪魔が先に作ったらどうする?」
「投下はやめて、お願い」ジェーンは両手で顔をおおった。
「原子爆弾を使う必要はない。日本は必ず降伏する。すでにひざまずいている。日本人は誇り高い民族だから、無条件降伏なんて言い出しちゃならない。ただの降伏でいいじゃないか。それなら彼らの名誉が保てる。そうじゃないか?戦争を終わらせることが大切だ。そうじゃないか?』(本書より抜粋」
(本書の冒頭ページ)
” H I R O S I M A !
「原子爆弾を落としたことを、どう思いますか?」
アメリカ軍の若い爆弾手に新聞記者が尋ねた。
「どう思ったかって?」
爆弾兵は同じ言葉をくり返し、タバコを深く吸いこんで
煙の輪をふきだした。
「ふつうの爆弾と変わりないですよ。それだけです」
―――その日、死の町で、一人の生存者が壕から 這い
出し、立ち上がって辺りを見回した。男は煙が立ち
こめた死と破滅の砂漠に立っていた。男は号流し、絶望の
うめきを発し、天に向かって両手を振り上げて叫んだ。
「こんな、こんな 惨(むご)いことがあっていいのか!」 ”
(次のページは目次)
第1章 大統領の決断 第2章 真珠湾攻撃の翌朝 第3章 カウント・ゼロ
第4章 原子爆弾投下
エピローグ 解説
(次ページは)ヨブ記38章
(訳本には「「新共同訳」日本聖書協会刊の引用をしておられますが、私が必要あるたびごとに使用している日本の別の教会で、実際に日本の教徒さんが使用しているバイブルの邦訳文のほうが詩情があるように思えます。単なる好みの問題です。独断で該当部分をすりかえさせていただきます。すみません)
1 主はあらしの中からヨブに答えて仰せられた。
2 知識もなく言い分を述べて。摂理(せつり)を暗(くら)くするこの者はだれか。
3 さあ、あなたは勇士のように腰に帯をしめよ。わたしはあなたに尋ねる。わたしに示せ。
4 わたしが地の基(もとい)を定めたとき、
あなたはどこにいたのか。
あなたに悟ることができるなら、告げてみよ。
5 あなたは知っているか。
だれがその大きさを定め、
だれが測(はかり)りなわをその上に張(は)ったかを。
6 その台座は何の上にはめ込まれたか。
その隅(すみ)の石はだれが据(す)えたか。
7 そのとき、明(あ)けの星々が共に喜び歌い、
神の子たちはみな喜び叫んだ。
8 海がふき出て、胎内から流れ出たとき、
だれが戸でこれを閉じ込めたか。
9 そのとき、わたしは雲をその着物とし、
黒雲(くろくも)をそのむつきとした。
10 わたしは、これをくぎって堺を定め、
かんぬきと戸を設(もう)けて、
11 言った。「ここまでは来てもよい。
しかし、これ以上はいけない。
あなたの高ぶる波はここでとどまれ」と。
12 あなたが生まれてこのかた、
朝に対して命令を下し、
暁に対してその所をさし示し、
13 これに地の果て果てをつかまえさせ、
悪者(わるもの)をそこから振り落とさせたことがあるか。
(引用は、ここで終わりますが、もう少し続けます)
14 地は刻印をおされた粘土のように変わり、
衣服(いふく)のように色づけられる。
15 悪者(わるもの)からはその光が退(しりぞ)けられ、
振りかざす腕は折られる。
(私注:旧約聖書のこの部分は、まだ続いているので、おそらく日本人には、ここまでの部分を出しても、何を言っているのか分からないと思います。たとえ、パール・バックには分かっていても。その先もいい部分が続いているので、そうすれば、もう少し理解が深まると思いますが、手が痛くなってしまいキーボードを打てません。聖書が何を言っているのか分からないのは、私も同様です。聖書の解釈に首をつっこむと、神学にはまりこまなくてはいけません。いや、それよりも、生涯をかけて、謙虚に真摯に孤独に、あの分厚い聖書を黙々と日々読むことが、きっと最も肝要なことでしょう。困ったことですが、長いスパンで取り組むしかないでしょう。が、私自身は、あの分厚さを見ただけで砕け散る。ここは大雑把に、GO,GO!)