【3月6日 AFP】世界食糧計画(WFP)は5日、同機関の支援物資を積んだ車列がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部の検問所でイスラエル軍に追い返されルートを変更した後、「死に物狂いの住民」に積み荷を略奪されたと明らかにした。

 WFPは先月20日、車列が銃撃と略奪を受けたのを受け、ガザ北部への支援物資の輸送を停止すると発表していたが、5日に再開した。

  WFPのトラック14台はガザ南東部ガザ渓谷(Wadi Gaza)検問所で3時間待機していたが、イスラエル軍に引き返すよう指示された。車列がルートを変更した後、「死に物狂いの大群衆」にさえぎられ、積んでいた食料約200トンを略奪されたとしている。

 WFPは、ガザ北部に食料を輸送するあらゆる手段を検討しているが、飢餓を防ぐのに必要な大量の食料を運ぶには陸路しかないとの見方を示している。

 一方でWFPは同日、ヨルダン空軍との合同作戦で、2万人分に相当する食料6トンをガザに空中投下した。

 WFPのカール・スカウ(Carl Skau)副事務局長は「空中投下は最後の手段で、これでは飢餓は防げない。困窮している50万人に十分な食料を届けるためには、ガザ北部への搬入口が複数必要だ」と述べた。(c)AFP

イスラエルは、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の援助要員にビザを発給しない

10月7日以降、イスラエル政府は被占領ヨルダン川西岸地区で活動する外国人NGOスタッフへのビザ発給を停止している。ほぼ5カ月で、対外援助要員の3分の2はすでにビザを使い果たしており、残りはビザの期限が切れようとしている。これは、戦争によりこの地域で人道支援がこれまで以上に必要とされているときに、非常に複雑な状況です。