- 15歳以下の人は見ないでね。そうじゃないとこの作品の完璧なエロチシズム、そして人生の悲哀はきっと理解できないから。この作品は香り高い文学作品だと思う。そこを平凡なポルノと絶対に混同して欲しくない。
追記:ユーチューブのURLを削除しました。子供は大きくなったら探して見てください。大人の方々はl’amant(愛人)という作品を忘れないでいてください。11/11)
l’amant(愛人)
あらすjじはamazonから引用させていただきます。
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内容(「BOOK」データベースより)
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そう、舞台はフランス占領下のサイゴン。この作品に出会ったのは清水徹さんの邦訳。あまりのショックでその後10年間デュラスの他の作品を読めなかった。デュラスの視点が一歩一糸みだれず現実との距離感を保っているその知性にうっとりとした。(そしてこの作品の読後には不思議な満足感、特に幸福感につつまれる)。しばらくして、映画を観た。これもすばらしかった。
好きな場面は最終場面。静かなクライマックスだ。女主人公がフランス本土へもどるために船出するところ。男主人公の中国の男のリムジンが倉庫の陰にかくれ、女を見送っている。
女は、男が必ず見送りにきていることを知っている。
男がリムジンの後部座席で悲しみでぐったりとしていることも。
船出した少女が夜の船の中でショパンのピアノ曲を聴いたのが引き金となり、はじめて男とただ性愛を交わしていたのではなく、愛を交わしていたことがはっきりと分かり、泣きくずれる場面。
( このときの心境を原作では非常に美しく描いています。引用したいのですが、本が今引っ越し荷物のどこかのダンボールのなかに入っているので取り出せないのが残念。)
そして時がすぎ、少女は作家になり家族の悲劇も遠のいた。歳をとった女主人公が1人で机で執筆している。そこへ1本の電話が鳴る。
声はふるえ、相変わらず言葉に中国語なまりがある。女主人公が作家になったことも知っている。あの元青年だった中国の男だった。「いま、パリに妻と旅行にきている。あなたのことを今でも愛している。死ぬまで愛する」
こういったストーリにリアリティがあり、すさまじい迫力がこわいほどあり、少女の家族の悲惨さもあいまって、絶対に忘れられない作品なのだ。
(追記:やはり我慢できずにYouTubeを埋めこんでしまった!最終場面なので、あたりさわりのないつもりだが.......が、最も感動的な場面。それにしても中国人の青年の愛情がぐっと胸につきささってくる。)
The final scene of The Lover L'Amant , Duras JJ Annaud
追記(前半のナレーションの文字化と邦訳をしました)
Il etait venu..c'etait lui, 彼は来ていた。それは、彼だった、
a l'arriere,cette forme a peine visible,qui ne faisait aucun 後部座席で うちのめされてじっと動かない人影。
mouvement,terrassee.Elle etait accoudee au bastingage comme la premiere 彼女は初めての時のように渡し船のてすりに
fois sur le bac.Elle savaitqu'il la regardait. Elle le regardait aussi, 肘をついている。彼女は彼が彼女を見ているのを知っていた。
彼女も彼を見ていた。
elle ne le voyait plus mais elle regardait encore vers la forme de もう彼の姿は見えない、がまだ黒い車の輪郭の方を見ていた。
l'automobile noire. Et puis a la fin elle ne l'avait plus vue. Leport そしてついにそれも見えなくなった。
s'etait efface et puis la terre. 港が消えた。次いで陸地も。
今回、そのショパンの曲がなんであったのか、例のソプラノ歌手の協力のもとで初めてわかった。
今回、あえてこの記事を書いたのはそれを報告したかったため。
ショパン VALSE(ワルツ) OP、69、NO2でした。私はこの作品名を知って本当にうれしい。選曲もいいですね。しみじみとして聴いています。
Arthur Rubinstein - Chopin Waltz Op. 69 No. 2 in B minor
美しい「性と愛」描写です・・・
女性らしい繊細な心理描写がよかったですね。
もっとも、日本語訳はあまりよくなかったですが・・。