武士道は死ぬことと見つけたり。
言わずと知れた佐賀の『葉隠』。武士道の真髄と言われる。誤解されるけど,別に主君のために死ぬのが武士だ,と説いているわけではない。特攻精神を称揚したわけでもない。
主君のために奉公するためには,毎日毎日,自分はもう死んだものと思って,利害得失・欲望虚栄心を度外視して,精一杯主君のために尽くせ,というのがこの言葉の意味するところ。
この辺は,小説仕立ての隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』に詳しい。この本が一番わかり易いです。
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義祖母が96歳くらいになった。数えで98歳ですか。コロナもあり最近は出かけていないで自宅療養していますが,それでも毎日毎日ちゃんと紅を差している。しっかりお化粧をしている。誰にも見られないのに。
曰く「いつ死んでも恥ずかしくないように」と。
武士だ。武士道だ。我々も,「いつ死んでも恥ずかしくないように」備えをする。それがしっかり生きるってこと。侍も,いつ死んでも恥ずかしくないように,きれいな真っ白のフンドシを履いていました。
今日も,死ぬことと見つけたり。「自分はもう死んだ」と思って,死生観を研ぎ澄まして,精一杯,やるべきことをやりましょう。