天を怨まず 人を咎めず
絶対に他責しない。
その境遇の意味を考えよ。
論語で私が一番好きなフレーズの一つ。
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ヨブ38:3と同じですね。
あなたは勇士らしく腰に帯を締めよ。
あなたに尋ねる。私に答えてみよ。
Brace yourself like a man; I will question you, and you shall answer me.(NIV)
いろんな訳がありますが(英語では40種類くらい?訳がある こちら)、それも「男らしく(like a man)」って言ってますね。
Gird up your loins like a man, I will question you, and you shall declare to me.(NRSVA)
男女平等の今の時代にはどうなんだ、、
それはさておき、このヨブ38:3のキモは、You SHALL answer meつまり「天を嘆くな、天を恨むな。この運命がどんな意味か、お前が答えてみよ」って問いかけ。
めちゃめちゃ無茶振り。
ヨブは聖人君子。
これ以上ない善人が、とんでもない境遇に遭う。
史記「伯夷・叔斉列伝」の
「地を択びてこれを踏み、時ありてしかる後に言を出だし、往くに小径に依らず、公正にあらずんば憤を発せざるも、禍災に遭う者、あげて数うべからず…
余、甚だ惑う。もしくはいわゆる天道、是か非か」
みたい。
天道、是か非か。
自分で考えてみよ。
ヨブって伯夷・叔斉なんだ。
ちょうど、伯夷・叔斉を知らなきゃ中国の古典はわからないよ、って思ってたところ。
ヨブを知らなきゃキリスト教はわかりませんよね。
ヨブは伯夷・叔斉なんですね。
You shall answer me って我々は天からボールを投げられている。
神は答えない。神は沈黙する。
フランクルは、「態度価値」を示すことで、そのAnswerとした。
どんな境遇でも、我々の態度は、選べる。
アウシュビッツで殺される直前でも、ユーモアと笑みと優しさをたたえた態度を取る自由はある。
これがフランクルのAnswer。
我々は、どんな境遇でも、神から、「おい、お前、どんな態度を取るのか、見せてみろ」って問われているんですね。
天を怨まず、人を咎めず、って論語の有名な言葉も、そういう、他責しない、自責する、人生の意味を問われている、態度価値を問われている、You shall answer me って意味に解釈できます。
不条理を引き受けて、神に答える。
その不条理の意味は、自分で見出して生きるしかないのです。
不条理を不条理として引き受けて、人は自分の人生を考えるしかない。
小友聡
後記:
この小友/若松本を読み進めていたら、やっぱり二人も、このヨブ38:3とフランクルを結びつけてました!
私の聖書/心理学解釈の自信になりました。