ベトナム人技能実習生のリンさん(24歳)の子供の死体遺棄容疑での最高裁で無罪判決が出た。地裁、高等裁判所では、執行猶予つきの有罪判決が出ていた。この判決に政治に無関心の日本人でも、特に女性からは関心が強く示されたようだ。リンさんは、双子の子供を出産したが、死産であった。誰にも妊娠を相談できず、孤立出産をした。そこで段ボールに入れて家に置いていた。これを持って警察、検察は死体遺棄として起訴した。しかし、良く状況を見ると、リンさんの母親としての深い愛情を感じるのだ。海や河川敷に子供の死体を投棄したなら、完全に死体遺棄罪であろう。リンさんは、死産で生まれた子供に名前までつけて家に置いていた。親の情として、野外に捨てられないだろう。さらに、子供に手紙まで書いて毎日、安置していた。放棄や遺棄ではない。べトナムでの宗教は仏教が主流だ。日本人が仏壇に手合わせて祈るように、彼女も毎日手を合わせ、あの世での子供の無事を祈っていたのだ。死産させた責任、育てられなかった後悔に苦しんでいたのだ。苦しんでいる女性を死体遺棄罪で起訴する検察の人間性を疑う。そして、有罪にした地裁、高裁の裁判官の人間性を疑う。幸い、最高裁の裁判官は、彼女の子供への深い愛情を理解した。そして、無罪判決を言い渡した。世の中、鬼ばかりではない。天使もいる。日本では、WBC野球で優勝して盛り上がっているが、 不条理に苦しんでいる外国人が多くいるのだ。奴隷労働を強いられている技能実習生や、入管での暴力を受けている外国人が多くいるのだ。岸田総理は、ウクライナに訳わからないしゃもじをプレゼントしている場合か。日本人なら出産に際して、費用50万円をもらえるし、無料の出産前診断を14回受けられる。かなり手厚い保護を受けられるのに、リンさんは、日本政府からまったく援助を受けられなかった。孤立無援の中での出産は、彼女にどれだけの不安を与えたか。リンさんみたいな技能実習生は多くいるのではないか。日本政府は、女性の技能実習生の妊娠、出産に、強い関心を示し日本人女性並みに保護しなければいけない。裁判後に、リンさんはコメントを発表している。 私と同様に妊娠している技能実習生や女性の苦しいを理解して、逮捕したり刑罰を加えるのでなく、相談して出産できるような社会に日本が変わって欲しいと願います。日本人は、このコメントをしみじみと味わうべきだ。 日本の人権状況は、良くない。こんな悲劇を何度も繰り返す国は、先進国とは呼べない。明日は我が身だぞ!自分の問題としてとらえてください!