狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

プロフェッショナルだけが宇宙の無法地帯で生きのびることができるのだ。

2011年08月08日 18時21分09秒 | その他の日記




 本日の倉敷は晴れたり曇ったりしていました。
 最高気温は三十三度。最低気温は二十六度でありました。
 明日は予報では倉敷は晴れとなっております。




 かつての所業を今になって見せつけられるのはツライものがありますよね。

 以前勤めていた会社でローマ帝国の奴隷達もあまりの過酷さに裸足で逃げ出すくらいの労働に勤しんでいた時の私のお仕事内容が未だ倉敷の所々にあります。
 私はそんな場所は避けて通るのですが、倉敷駅前となるとそうはいかない。

 夏になってから倉敷駅ビルに掲げられている懸垂幕の内の2本は多分私が書いたもの。
 私が以前勤めていた会社を退職したのはずいぶん前で、懸垂幕は毎年書き直されるはずなので私が書いた懸垂幕は掲げられるはずはないのですが、使いまわしている……。書き直せばいいのに……。

 いや以前勤めていた会社の事をどうこう言うつもりはないのです。
 ただ、あの懸垂幕は何年も使いまわしていて色が剥げ落ちているので、恥ずかしいのです。
 あれではどのように書いたのか丸分かりになってしまいます。
 分かる人が見れば、どのくらいの速さで書いたのか、どのくらい塗料を使ったのか、角をきっちり書けているのか、ラインを綺麗に書けているのか、刷毛ムラの出ない書き方をしているのか、つまり実力が丸分かりになってしまうのです。は、恥ずかしい……。
 一本は駅のプラットホームから見え、もう一本は駅前の正面の通りから見える。は、恥ずかしい……。
 道行く人に「お願いだから見ないでぇ!」と言いたくなります。
 新品状態の懸垂幕であったなら「見て! 見て!」状態になるんですけれどもね。
 なんで使いまわすかなぁ……。書き直せばいいのに……。
 ま、今は別の職種に就いているので懸垂幕書き職人の人に私の実力がばれても関係無いといえば関係無いのですが……。は、恥ずかしい。


 かつての所業を今になって見せつけられるのはツライものがあります。
 まさかこんな罰ゲームが待っていようとは思ってもいませんでしたよ。
 近頃は倉敷駅前に行くたびにドキドキなのであります。


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『恋文の技術』/森見登美彦

2011年08月08日 18時00分23秒 | 小説・本に関する日記




 昨日の夜は、森見登美彦の小説『恋文の技術』を読み返しておりました。
 書簡体小説で、物語は主人公の守田一郎が友人・知人・妹達に出した手紙で構成されています。


 主人公の守田一郎は京都から能登半島の人里離れた実験所へ飛ばされた大学院生。
 寂しさのあまり友人・知人・妹達に大量の手紙を書いて文通を始める。
 文通で恋の相談に乗り、愚痴を言い合い、説教を垂れ、虚勢を張り、悪戯合戦の駆け引きをする。
 でも本当に手紙を書きたい人にはなかなか書けないでいる……。




 格調高い文章で阿呆な青年を表現していて面白いっす。
 無駄にプライドが高くて小狡くて器が小さくてスケベで負けず嫌いででも真面目で純朴で意外と優しい主人公が自分をよく見せようと頑張っている文章の可笑しさを表現していて読んでいてクスクスと笑ってしまいます。

 各々に出した手紙がリンクしていって細かな事件の背後が見渡せるようになっていく構成や、最後に綺麗にまとまって落ちがつくところは見事でありました。

 面白いですよ。
 森見節炸裂でありました!


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