狐の日記帳

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『太閤暗殺』/岡田秀文

2019年10月28日 16時40分36秒 | 小説・本に関する日記

 昨日の夜は岡田秀文の小説『太閤暗殺』を読み返しておりました。

 関白豊臣秀次の側近・木村常陸介は、太閤となった豊臣秀吉が行った治世の改革を進める。
 しかし関白秀次は重圧に耐えかねて関白の座を降りると口走るようになる。
 秀吉はようやく授かった我が子にすべてを譲り渡したいと考え、関白秀次を疎ましく思い始める。
 その意を受けた石田三成と前田玄以は関白秀次を除くべく策略を巡らす。

 豊臣秀次の世になってしまうと、石田三成や前田玄以は閑職に回されてしまう恐れがある。 
 関白秀次が関白の座を降りると、木村常陸介は天下の仕置きに関わる事が出来なくなってしまう。
 どちらが権力の中枢にいられるかの勝負。

 そしてかれら権力の座に固執する男達の命運の鍵となるのは大泥棒・石川五右衛門。
 木村常陸介は石川五右衛門に太閤秀吉の暗殺を依頼する。石川五右衛門は太閤秀吉の首を狙い策を練る。
 その動きを察した石田三成と前田玄以は石川五右衛門一味の襲撃に備えるのだが……。

 第5回日本ミステリー文学大賞新人賞の受賞作です。



 権力の座に固執する男達の物語。
 最後に立ち上がってくるのは権力に執着し妄執する者の凄みと空しさ。
 ラストシーンは皆が知っている歴史を考えると物悲しいラストシーンです。
 黒秀吉ですね。


 面白いですよ。
 お勧めです。



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