野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

磐梯山に登る

2011-10-09 | 探鳥

 

 福島登山ツアーの最後は宝の山磐梯山。30年ほど前の若かりし頃福島には住んだこともあるので、思い入れの深い地ではあるのだがついぞ山には登ったことがなかった。

 磐梯山への登り口は幾つもあるが、今回は日程の都合で一番時間が短くて済む八方台口から登ることにした。朝7時前まだ駐車場には車が一台停められているだけ。支度を整え道路わきの登山口から登り始める。まだ日が昇って間もないので空気はひんやりとして冷たい。

 

 しばらくはミズナラやブナの静かな原生林。熊が出そうで怖いので、手を叩いて音を出しながら登っていく。

 

 緩やかなのぼりを30分ほど行くと中の湯の分岐に差し掛かった。

 

 硫黄の臭いが強くなる。

 

 

 建物は残されているが現在では廃屋となっているようだ。

 

 

 朝露に濡れたリンドウの青紫がきれいだ

 

 

 更に30分ほど登ると旧噴火口越しに檜原湖が望めた

 

 

旧噴火口からは細い煙が昇っている。その向こうに見える沼は銅沼。

 

 オヤマボクチ

 

一時間ほどで弘法清水の分岐

 

 弘法清水小屋、この時期営業していたのには驚いた。左の岩に腰かけているのは小屋の女主人。

 

 ナナカマドが葉を落とし、真っ赤な実を朝日に輝かせている。

 

 

 

 雪渓を見せているのは飯豊連峰

 

分岐からはさらに20分ほどの登りが待っている。

 

 

 スキー場のゲレンデ

 

 

 ほんの少しの間でガスが昇ってきて景色が変わっていく

 

頂上直下のお花畑付近

 

9時ちょっと前、あっという間に頂上だ

 

 付近のガレ場を丁寧に探してみるとウメバチソウとイブキジャコウソウを見つけることができた。

 

 

 

 

 頂の小さな祠

 

 八紘一宇とあった

 

 南側には猪苗代湖が立ち上がるガスに見え隠れしている。

 

 

 つい少し前までくっきりと見えていた二本松の市街があっという間にガスに覆われた。

 

 東側の櫛ヶ峰

 

 左小野川湖の奥には吾妻連峰が広く望める。

 

 猫魔ケ岳の向こうは喜多方の町

 

 もう一度北に目を転じてみると、猪苗代湖奥には那須の峰々までも望めた。

 

 まだ9時を回ったばかりだが、おなかもすいているのでブランチとした。頂に先に来ていた老夫婦も挨拶を交わし20分ほどで下山していった。話を聞くと前夜八方台の駐車場に止めて夜を明し6時過ぎに登り始めたという。

  

 一人ぼっちの頂上で360度の景色を思う存分味わった。

 

沼の平

 

猪苗代湖畔の田んぼ

 

 飯豊連峰に登ったのは10年以上も前になる。

 

 

 中央の小さな突起は初日に登った安達太良山の頂

 

 一時間近く頂上で眺め呆けているうちに人の声がしてきた。4人組の登山客が登ってきた所をいい切りにしてやっと下山する決心がついた。

 

 少し下って小屋の女主人に「今年は紅葉が遅れている」とか「原発騒ぎで登山客はほんとに少ない」とかいろいろと話を聞いた。そのあと水をペットボトルに詰めてからお花畑を周回し下山した。

 

 

 

 振り返った磐梯山の頂は僅かだが色を変え始めていた。

 

 ナナカマドが宝石のように輝いていた。

 

 登山口に戻ったのは11時を回ったばかり。すでに駐車場は数十台の車で埋まっていた。

この辺で。