マイポ自然保護区は、380haという広大な保護区の中に干潟,マングローブ林、エビの養殖場、芦原と多様な環境を備え,シギやチドリの一大
越冬地になっている。このマイポとインナーディープベイ(后海灣)は、1995年ラムサール条約のもとで、国際的に重要な湿地として指定された
ここの問題は、対岸にある中国本土のシンセン(深�)が、1980年代の小さな村から400万人を超える町と変わり、家庭排水や家畜の糞尿、産業廃
棄物などによる水質が極端に悪くなっており、野鳥の数も次第に減ってきているということだ。

この保護区へ入るには,事前に許可を取る必要があり,保護区内はレンジャーがガイドする
ことになっている。
我々のグループは4時間コースで回ることになり,周さんという女性のガイドが案内するこ
とになる。
出発の前に保護区内の説明があり、右の写真の水色の部分がエビの養殖場,茶色は芦原,緑
色はマングローブの林、そして黄色は干潟。
エビの養殖場では多くのカワウ、そしてアカガシラサギを初めとするサギ類,オナガガモな
どのカモ類が目立ち,その他バンやシロハラクイナなども見られる。中でもアオショウビン
(27cm)は期待していた皆さんを喜ばしてくれた。
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アオショウビン

養殖場の周辺にある樹々にはギンムクドリ,クビワムク
ドリ、それにハッカチョウ(23~26cm)などのムクドリの仲間が止まり,種類判定の参考になった。
ハッカチョウ

反対側の芦原の堤防には、クロツラヘラサギの20羽ほどの群れが休息中だ
オニカッコウ

その先の芦原の中の樹には、大型のオニカッコウの♂(43cm)が止まって
いる。
焦げ茶色の背中の白い斑点が目立つ。
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初めて見る野鳥の数々に中々前へ進むことができない。ここまでで大分時間がすぎたので、その先にある観察
舎で暫時休憩。
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最後に干潟へ向かうが,延々と芦原の中の道を歩くので,皆さんの足取りも大分重くなる。
干潟に入るにはマングローブの林に沿って高い塀が続いており,鍵がないと入れないようになっている。そしてマングローブの林の中の水路に作
られた、ドラム缶の上の板道路を歩くことになる。ちょうど干潮時とあって傾斜の急な板を降りて観察舎までの長い板道路を歩く。
観察舎に入り,前面の広大な干潟を見渡すが、干潮とあって遥か先まで海水が見えない。これでは期待のシギ・チドリ類は見ることができない。
手前にアカガシラサギが1羽,沖合の杭の上にノスリ,ハヤブサ,そしてミサゴが止まっているだけだ。
ここの目玉の数百羽のソリハシセイタカシギが見られず,一気に疲れが出てくる。
重い気分でいると、中野氏が「干潟にヤマショウビンがいますよ ! 」と言われる。なるほど干潟の海藻の上に止まっている。久し振りのご対面だ
しばらくして飛び立ち,岸辺の林の中に消えたが,直ぐに元の場所に戻る。それを何回か繰り返してくれたので、先ほどまでの萎えた気分が少し
ばかり治まる。
そのうちに右手の林の手前にもヤマショウビンが2羽現れ,アオショウビンも加わって、ここがカワセミ類のメッカでもあることが分かる。
* クビワガラス
再び芦原の道を歩く。右手の樹にカササギ、その先に首が白いクビワガラス(53cm)が見られる。
その先左手の芦原からはムラサキサギが飛び,続いてオオバンケンも飛び立つ。その奥の樹には、頭頂から後
頸が黄褐色で肩羽の一部が白いカタシロワシが止まっている。小生は出水以来のご対面だ。

かくして4時間にわたるマイポの観察をおえて帰路につく。
12時45分着 マイポ自然公園 17時15分発