nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

美濃紀行 3

2014-06-15 00:00:00 | 旅行記
平成26年6月14日(日)

 今日も快晴、澄んだ夏空が広がっている。
 朝食にレストランへ行って驚く。着物姿の女性たちで大混雑だ。昨日の『有楽苑』の見学に来てい
 た裏千家東海支部の研修会に参加されている方々のようだ。
 華やかな雰囲気の中での朝食、和服姿で洋食という方が多いのも現代的なのだ。
     *
 今日は先ず『河川環境楽園』内にある、淡水魚水族館としては世界最大級といわれる『世界淡水魚
 園水族館 アクア・トト ぎふ』へ行くことになる。
     *
河川環境楽園
 河川環境楽園は、岐阜県各務原市川島笠田町にある公園で、国営木曽三川公園三派川地区の一つ。
 国営公園、岐阜県営公園、独立行政法人土木研究所自然共生研究センター、東海北陸自動車道の川
 島パーキングエリア及びハイウェイオアシスからなる環境共生テーマパークの総称とのことだ。
 開園は平成11年7月17日。
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     *
世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ
 環境学習の実践の場として、また、地域交流の拠点となることを目的とし、岐阜県によって平成16年7月14日
 に開業した。
 「木曽三川・長良川の源流から河口までと世界の淡水魚」をテーマに、自然環境を再現した館内展示です。
 淡水魚水族館としては世界最大級。
 淡水生物飼育展示種類も世界有数で、国内外に誇れる水族館です。当水族館を含め、河川環境楽園の周辺地域
 は「世界唯一、最大級の河川環境学習ゾーン」となります。                             
 建物は 4階建、延床面積 約 8,480�、魚類、両生類などの展示 約 220種 25,000点、水生植物の展示約 40種
  3,500点。                            【アクア・トトぎふ パンフ】
     *
 入場すると、先ずエレベーターで4階に案内され,順次下の階へと降りながら展示を見る方式になっています。
 4階は長良川の源流の一つ、郡上市高鷲町叺谷の滝や渓谷を再現しており、源流から上流にかけて生息するヤマ
 トイワナ、サツキマス、ナガレヒキガエル、クロサンショウウオ、カジカガエル、そしてサワガニなどが見られ
 ます。
 3階の一部を見下ろすことができる場所があり、そこを走り回る2匹のコツメカワウソが見えました。
 かって人里近くに暮らし、河童伝説のもとになったともいわれるニホンカワウソは絶滅が心配されていますが、
 ここではニホンカワウソにかわり、中国、東南アジアに分布するコツメカワウソを飼育展示し水中や陸上での暮
 しの様子や、巣穴の中での愛らしい仕草を見ることができます。
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 3階へ降りると、ここは長良川の上流から下流の様子を再現した水槽があり,自然の風景をそのまま切り抜いて
 きたかのようです。
 上流から中流にかけて生息するアブラハヤ、アユ、オイカワ、オオサンショウウオ、カワムツ、コツメカワウソ
 などがおり、中流から河口にかけてはウシモツゴ、ハリヨ、イタセンパラ、イチモンジタナゴニホントカゲ、ト
 ビハゼ、ベンケイガニ、カルガモなどが見られます。
 ちょうどコツメカワウソに係員が解説をしながら餌を与えていましたので、大勢の観客が集まっており2匹の可
 愛らしい姿を見守っていました。
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 2階へ降りると、先ず『淡水魚博士の探検小屋』というのがあります。
 博士たちがメコン川の環境調査を行っているという設定で、日本と中国、東南アジアの淡水生物を展示していま
 す。イトウ、アユモドキ、ケツギョ、エンツユイ、ボディア・ロブスター、レプトボディア・エロンガータなど。
 イトウは 1.5mにもなる日本最大の淡水魚です。現在は北海道にしか棲んでいませんが昔は東北地方にもいました。
 下の左の画像。
 その奥にはアジア、アフリカの河川や湖に棲む生物を展示しています。
 『メコン川』の展示へ行ってメコンオオナマズの大きいことにびっくり、3m、350�という記録もある世界最大
 級の淡水魚とのこと。それが何匹も回遊しています。下の右の画像。
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 『メコン川』にはその他、テッポウウオ、キノボリウオ、レッドフィンジャイアントバーブなど。
 『コンゴ川』には、サカサナマズ、テトラオドン・ムブ、ナイルパーチ、コンゴテトラ、ニシアフリカコガタ
 ワニ、デンキナマズなど。下の画像左はナイルパーチ。
 そして『タンガニーカ湖』には、キフォティラピア・フロントーサ、シノドンティス・グラヌローサ、ネオラ
 ンプロローグス・ロンギオールなど舌を噛みそうな名前のものなどがいて、最後には頭がおかしくなるほどで
 した。下の画像右はキフォティラピア・フロントーサ。
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 一階では全長6,500km、世界最大の流域面積を誇る『アマゾン川』には、全長4m、体重 200㎏にもなるピラ
 クルーをはじめ、巨大なナマズやカラシンの仲間、シルバーアロワナなどが目の前で悠々と泳いでいるのを眺
 められます。
 また、アマゾン川流域に生息するという世界最大級のネズミの仲間カピバラが屋外で飼育されていました。
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 最後にアシカステージで行われた『アシカショー』を見物しました。ここの売りは,観客との距離が近いこと
 が魅力の一つとか、そのパフォーマンスを楽しむことができました。
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 演技途中で観客席を一回りして愛敬を振りまいてくれるので、子供さん達ばかりでなく皆さん大喜び。
 最後に輪を投げて首に入れるのを、子供さんたちにやって貰うのも人気の一つのようでした。
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 2時間ほどの見学を楽しんで館の外に出ると、あの広い駐車場はほぼ満杯で、ここの人気があることが分かり
 ました。
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 昼食は近くの『和食 琴川』で戴きました。
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 午後からはエーザイの創業者、内藤豊次氏により1971年(昭和46年)に設立された『内藤記念 くすり博物
 館』へ。
     *
内藤記念 くすり博物館
 当時の設立趣意書には、
 「くすりに関する日本のみならず、世界の資料、および過去より現代にいたる資料を広く収集し、実物に合
 わせて展示し、今日の、薬学および薬業の姿は、現在までどのような経過をたどってきたか、将来はどうあ
 るべきかを学会や業界、ひとしく一般の人々にも正しく理解してもらう」とあります。
     *
       
     * 
 常設展示館には、生業の見本や昔の製薬道具など幅広い資料を展示しています。
 1階では、5つのテーマがあり、主な展示物は次のとおりでした。
  1.健康への願い … 白沢(はくたく)
  2.医療のあけぼの … 穿山甲(せんざんこう)、神農(しんのう)、薬用人参
  3.くすりを作る … 薬研(やげん)、扇形製丸器
  4.くすりを商う … 富山の配置売薬、掛看板「仁丹」
  5.蘭方医学の伝来 … らんびき、「解体新書」
 2階では、6つのテーマがあり、次のような主な展示物がありました。
  6.錦絵広告に見る病との闘い … 薬の病退治の図
  7.彩る … お歯黒道具、御紅
  8.くすり入れ … 印籠(いんろう)
  9.はかる … 調剤用上皿天秤、さお秤
 10.海外コレクション … 乳鉢、乳棒
 11.近代の医薬 … 昔のペニシリン、碧素(へきそ)
     *
 また、資料を並べるだけの博物館にならないよう、薬草・薬木を通じて「照古鑒今(しょうこかんこん;古か
 ら学べ)」、アルツハイマー治療薬抗ウイルス薬、抗体医薬等を通して現代の薬剤の医療への寄与および経済
 学的な貢献も、一般の人々に解りやすく理解してもらうことを目的としているとのことでした。
     *
 次いで屋外に出て『薬用植物園』を見学しました。ここでは約 450種類の薬草・薬木を育成し一般公開してい
 ます。全体の花の見頃は5月から9月頃で、真冬でも温室の熱帯有用植物が楽しめるという。
 花が見ごろの薬草を幾つか撮ってみました。
     *
クサノオウ 和 名 瘡王、別 名 皮癬草(ひぜんくさ)、生薬名 白屈菜(はっくつさい)
         科 名 ケシ科クサノオウ属、学 名 Chelidonium majus var.asiaticum、
 日本各地の日当たりの良い道端、垣根、空き地、原野などに群がって自生(4月~7月初旬)、東アジアに広く
 分布する越年草です。
 鎮痛、鎮咳、利尿解毒のほか、外用として湿疹などに用いられました。有毒なアルカロイドを含みますので一
 般での使用は避けるとのこと。和名は皮膚病の一種である瘡(クサ)の優れた治療薬であることから、
 「瘡の王」であるとの説がある。
     *
サントリナグリーン 花 名 green santolina、科 名 キク、属 名 ワタスギギク、学 名 Santolina virens、
 分布原産地は南ヨーロッパ、植物のタイプ 多年草。
 全草に香りがあり、防虫剤やポプリとして利用される。 属名の Santolina はギリシア語の「sanctum(聖なる)
 +linum(亜麻)」からきている。
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     *
アカンサスモリス 別 名 葉アザミ、キツネノマゴ科、学 名 Acanthus mollis、
     代表的な原産地 南ヨーロッパ 、宿根草(耐寒性多年草)冬期常緑~落葉種、 主な花期 初夏~夏、
    草 丈 1m前後
 アカンサス・モリスはイングリッシュガーデンで昔から使われてきた大型ハーブで、葉の形が建築用装飾
 のモチーフとなってきたのだとか。かっては葉や根が利尿、止血、下痢止めに効果ありとして利用されたみた
 いですが、現在では主に観賞用とのこと。
     *
サボンソウ 別 名 石鹸草、科 名 ナデシコ科サボンソウ属、学 名 Saponaria officinalis L.多年草。ヨーロッパ原産で、
      明治初年渡来。高さ約 50cm。
 夏、枝端にサクラソウに似た淡紅色または白色の花をつける。サポニンを含み、石鹸のような泡を生じ昔、
 ヨーロッパでは洗濯に用いた。薬 効 咳や痰に効きます。
     *
 
     *
ダイヤーズ カモミール 和 名 紺屋カミツレ、キク科カミツレモドキ属、学 名 Anthemistinctoria、
     ヨーロッパの南部および中部が原産で、二年草または多年草。
 高さは 30 ~ 60cmになり、5月から7月ごろ、鮮やかな黄色の花を咲かせます。
 「紺屋カミツレ」の名前のとおり草木染めに使われます。
     *
エキナセア 別 名 パープルコーンフラワー、キク科・ムラサキバレンギク属、学 名 Echinacea purpurea、
      原産地 アメリカ東部、多年草、草丈は 50 ~ 60cm。
 エキナセアには弱った免疫力を強化し、病気に対する抵抗力を高める働きがあるといわれ、直接ウイルスを攻撃
 する抗ウイルス作用もあります。
 また、根を煮出した液はのどの痛みに、チンキは、感染症、傷に有効です。
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     *
 以上で3日間に亘る美濃紀行を終えました。歴史と伝統に刻まれたこの地方の産業、技術、建物などを見学し、
 さらには世界的な淡水魚水族館、それにくすり博物館まで滅多に見ることのできないものまで経験するという、
 情報量の多さに些か消化不良の部分もありましたが,充実した旅でした。

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美濃紀行 2

2014-06-14 00:00:00 | 旅行記
平成26年6月14日(土)

 起床して部屋の窓から木曾川を見下ろす。今日も天気は良さそうだ。
 ホテル前の芝生にはセグロセキレイやキジバト、ムクドリなどが餌を漁っている。
     *
 
     *
 朝食は一階のレストランでバイキング・スタイル。
 種類も豊富でつい食べ過ぎてしまう。
 食後、出発するまでの間付近を散歩する。
 ホテルの前にある『有楽苑』は、織田信長の実弟、織田有楽斎が建てた茶室・如庵があることで知られていま
 すが、ここは午後に訪問することになっています。
     *
 
     *
 今日は先ず刃物の町・関市へ向かうことになりました。
 その 700年に及ぶ関鍛冶の技を伝えるという『関鍛冶伝承館』に着きました。
     *
 
     *
関鍛冶伝承館
 鎌倉時代から受け継がれる関鍛冶の技を今に伝える施設。
 1階は兼元・兼定などの重要刀剣をはじめとする日本刀や、その製造工程・歴史に関するさまざまな資料を展示。
 2階はカスタムナイフ作家のコレクションや百徳ナイフをはじめ関の刃物文化が生んだ製品がずらりと展示されて
 います。刃物まつりや一般公開日には、日本刀鍛錬や技能師の実演が行われるという。  【関観光協会】
     *
 刃物の直売所が近くにあるとのことで、行くことになる。
     *
 
     *
岐阜県刃物会館
 刃物会館では、包丁、鋏、ナイフ、爪切、模造刀、彫刻刀、キッチン用品等、2,000点をこえる“関の刃物”を取
 り揃えています。メーカー直販ですので、いずれも品質・価格共々おすすめできる品物ばかりです。
 (市価の2割引程度)。                              【関観光協会】
      *
 次いで長良川の支流・板取川沿いに進み、『美濃和紙の里会館』に到着。
 第1展示室では美濃和紙の歴史や製造工程、紙すきに使う道具などを分かりやすく紹介しています。
 また、全国各地の和紙が対比できるように展示しています。
 第2展示室では日本の文化を支えてきた和紙、現代社会の中、多彩な形態で利用されている和紙の紹介や韓紙
 工芸作品などを展示し、未来に向け和紙の可能性を発信しています。
     *
 
     *
 企画展示室では、『紙がつむぐドラマ・太田隆司ペーパーアート展』が開かれており、二次元の“絵”でもなく、
 360度から見える完全な立体でもない、そこでは人も動物もクルマも、光と影や時間の流れさえも紙だけで表現
 される、17cmの奥行きの中に独特に世界をつくる、まさに紙の魔術師・太田隆司の世界が展示されていました。
     *
 
     *
美濃和紙の里会館
 1300年余の伝統を受け継ぐ美濃和紙。明治・大正時代の最盛期には約四千戸余の家が手すき和紙に従事してい
 ましたが、戦後、日本人の生活様式の変化と共に徐々に減り始めました。
 昭和58年、販路拡大、品質向上、原材料の共同購入、後継者の育成などを目的に美濃手すき和紙協同組合を設立。
 昭和60年に国の伝統工芸品として指定されました。
 現在15戸の組合員と和紙職人を目指す若者たちが伝統を守りつつ、新たな和紙の魅力を引き出し、多種多様な和紙
 製品を生み出して行こうとしています。                     【美濃市観光協会】
     *
うだつの上がる町並み
 次いで美濃市の名物『うだつの上がる町並み』を見物することになりました。場所は美濃市のほぼ中央部にあり、
《国選定重要伝統的建造物群保存地区》という長ったらしい名称が付けられています。
 そもそも『うだつ』とは、屋根の両端に作られた防火壁とのことです。
 江戸時代、火事の際の類焼を防ぐためのものでしたが、当時の豪商たちがその富を競い合うようにそれぞれに立派
 な『うだつ』を設けたということです。
     *
 
     *
 上の画像は左から『小坂家住宅うだつ』 、鬼瓦を持たないうだつ軒飾りというのは珍しく小坂家だけの特徴
 です。とりぶすま、二枚の破風瓦、簡素な懸魚で構成されています。
 『松久家住宅うだつ』、旧今井家のうだつより少し発達したうだつ軒飾りです。屋号を表す鬼瓦が少し立派
 になり、破風瓦の下に簡素な懸魚もついています。
 『加藤家うだつ』、破風瓦が「人」という字ではなく、傘形となっていて、懸魚があっさりとしていて調和
 のとれたデザインとなっています。
 『平田家、古川家うだつ』、最も新しい形式の軒飾りとして、明治の初期につくられました。他の軒飾りと
 比べ一段と装飾的にデザインされ豪華です。               【美濃市観光協会資料】
     *
 何れの家も瓦は新しく、見栄えのする『うだつ』の町並みを見ることができました。
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 今日の昼食は長良川沿いにある『美濃観光ヤナ』で鮎料理。
 昨日の夜の鵜飼では鮎を採るのを見物しましたが、料理は今日という幹事の配慮があったようです。
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 その鮎料理は、鮎のフルコースで前菜 3種盛(鮎南蛮漬け・鮎甘露煮・うるか)、活鮎刺身、
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 活鮎塩焼、活鮎田楽、
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 活鮎フライ、鮎雑炊、香物という内容でこの店のこだわりは本当に美味しい鮎を味わっていただくために刺身・
 塩焼き・フライはお客様がご来店されてから水槽より揚げ、ピチピチとはねる鮎を調理することにあるという。
 なるほど新鮮で香魚という名に相応しい味わいでした。
     *
 
     *
 満足の昼食の後はホテルへ戻り、ここで待ち受けていた地元のボランティア・ガイドの方の案内で先ず『有楽苑』へ。
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     *
 ここの茶室・如庵は、茶の湯の創世期に尾張の国が生んだ大茶匠・織田有楽斎が建てた茶室で、昭和11年に
 国宝の指定をうけた茶道文化史上貴重な遺構とのこと。京都山崎妙喜庵内の待庵、大徳寺龍光院内の密庵とと
 もに、現存する国宝茶席三名席の一つとのことです。
 波瀾に富んだ人生を送った織田有楽斎は、有楽の生涯を写すがごとく茶室如庵は各地を点々としましたが、
 昭和47年に犬山城下の佳境の地に移築され、『有楽苑』と名付けられたとのことでした。
     *
 
     *
 明日裏千家東海地区の研修会があるとのことで、その参加者が次々に訪れており、落ち着いて見学することが
 できませんでした。
     *
 次いで急坂を上って犬山城へ向かいました。城の付近は土曜日とあって大変な混雑です。
     *
 
     *
犬山城
 木曾川の南岸にそそりたつ犬山城は天文6年(1537)織田信長の叔父である織田信康によって創建された、現存
 する日本最古の木造天守閣です。
 尾張(愛知県)と美濃(岐阜県)の国境に位置するため、戦国時代を通じて国盗りの要所となり、城主はめまぐ
 るしく変わりました。
 小牧・長久手の合戦(1584)では、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が12万人の大軍を率いてこの城に入城し、小牧山
 城に陣取る徳川家康と生涯唯一の直接対決をしました。
 江戸時代に入ると、尾張藩付家老の成瀬正成が城主となり、幕末まで続きましたが、明治維新による廃藩置県の
 ため、この城は愛知県所有となりました。
 しかし、明治24年の濃尾地震で半壊し、その修復を条件に城は再び成瀬家の所有となり、平成16年に財団法人に
 移管するまで日本で唯一、個人所有の城でした。                 【犬山市観光協会】
     *
 天守閣へ上がる階段は急傾斜で狭いので待ち行列ができるほど、ようやく天守閣の廻縁に出ると、ここは身動きが
 できないほど混雑していました。
 係員から時計回りに歩くようにいわれましたが、立ち止っている時間が多く、しかも外側向かって傾斜がついてい
 るので何とも不安定な状態で、木曾川へ吸い込まれそうな気分になりました。
     *
 
     *
 西側からの展望は、木曾川の流れに『ライン大橋』が架かり、その奥に〈夕暮れ富士〉と呼ばれている伊木山
 (173.1m)が眺められ、南側からは『ツインブリッジ犬山橋』や鵜飼の乗船場などが見えました。
     *
 今日の最後は大混雑の犬山城から犬山城下町へと向かいました。
     * 
   
     *
犬山城下町
 犬山城下町は総構えと呼ばれる、城と城下町の外周を堀で囲い込んだ城郭構造をそのまま残した、歩いて楽しい
 町です。
 車山蔵 : 町のあちらこちらには犬山祭に使われる車山をおさめた車山蔵があります。
     また、車山で使われる『からくり人形』 の展示室もあります。
 古い町屋 : 古い町屋やお屋敷も多くみられます。おみやげ、お買い物 : おしゃれな小物や伝統工芸
      品を見たり、 買い物をするのも楽しみです。
 グルメ : 田楽やお団子をほおばったり、町屋をそのまま改造したカフェやレストランでお茶 や食事
     を楽しむことができます。
 巨 樹・古木めぐり : 城下町の古いお寺や街角には巨木や古木もあります。
 古井戸 : 昔ながらの古井戸もあちらこちらに残っています。
 町名由来看板 : あちらこちらに町名由来看板があって、町の由来を教えてくれます。   【犬山市観光協会】
     *
 
     *
 ボランティア・ガイドの方とはここで別れ、ホテルへと戻りました。
     *
 長い一日、日差しに照らされて汗ばんだ身体を温泉で癒し、夕食は昨日と同じく『日本料理・有楽』で今晩は
 松葉蟹から始まり、お造り、
     *
 
     *
 鯛の塩焼き、天ぷら、鱧鍋に、
     *
 
     *
 蕎麦という料理に『女城主』『恋度』、それに『菊川』という銘柄の日本酒が加わり,充分に堪能しました。
     *
 
 
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美濃紀行 1

2014-06-13 00:00:00 | 旅行記
平成26年6月13日(金)

 昨日までの雨続きが嘘のように晴れ上がり、澄んだ青空から強い日差しが照り付ける夏日となりました。
 岐阜での法事のために出掛けた早朝の東京駅からの新幹線は、思いがけず空いていました。
     *
 昼食は各務原市内の『ミシシッピー』というフランス料理店で戴きました。
 洒落た建物に入ると、客席は女性客でほぼ満席。評判の高い店であることが分かります。
     *
 料理は前菜とメインが3種類づつあり、それぞれを選ぶことになります。
 小生は前菜に美濃健豚とフォアグラのパテ、メインに地元鶏のグリルを選びました。
     *
 
     *
 画像は左からスープ(新牛蒡)、鶏のグリルです。
     *
 
     *
 左から自家製パン(3種類)、デザート。総て美味しく戴きました。
     *
 
     *
 法事が終わった後、犬山城下にある犬山温泉・白帝の湯『名鉄犬山ホテル』へチェック・イン。
     *
   
     *
 夕方から木曾川の鵜飼を楽しむため、早々と5時から夕食となりました。
 場所は食事処『日本料理 有楽』で寿会席を戴きました。
 献立は、先 付 胡麻豆腐、前 菜 盛り合せ、造 里 四種類盛り合せ、焼 物 鮎の塩焼き、蓼酢、煮 物 、野菜煮合せ。
     *
 
     *
 揚 物 海老いらこ揚げ、麺 物 犬山夢とろろ入り 大豆蒟蒻麺、酢の物 南蛮漬け。
     *
 
     *
 料理はどれも美味しかったのですが、年を重ねるにしたがい、胃袋が小さくなってきたようで、とても総ては
 食べられず、御 飯 雑炊、梅肉、浅付、香の物 盛り合せ、デザートの最後の御飯は喉を通りませんでした。
     *
 
     *
 こちらでは梅雨時の雨が少なく、木曽川の水も濁りは無く予定どおり鵜飼が行われるとのことで、午後7時、
 ホテル前の木曾川の船着場から観覧船に乗船しました。
     *
 
    *
木曾川 鵜飼
 木曾川鵜飼は、綱をつけた10羽の鵜に魚を捕らせる古典的な漁法で、6月1日から10月15日の間荒天や
 増水時以外毎日行われます。
 鵜飼の起源は、大宝2年(702年)の美濃国各務郡中里の戸籍「鵜養部目都良売・うかいべめづらめ」の記述
 資料より、約 1,300年前と考えられており、犬山では今から 340余年前に犬山城主「成瀬正親公」が御料鵜飼
 として始めました。                           【ホテルパンフ】より
     *
 舟は上流に向かって進んで行きます。夕空に早くもライトアップされた犬山城が存在感を見せています。
 下の画像右は我々が利用した名鉄犬山ホテルです。
     *
 
     *
 観覧船が犬山橋を潜り、さらに上流に進んで行くと、行く手右岸に篝火を点けた鵜飼舟が見えてきました。
     *
   
     *
 鵜飼舟には鵜匠と船頭が乗り込んでいます。鵜飼舟は川の流れに沿って進みながら1人の鵜匠が操る鵜は 10羽。
 鵜の首に手縄をつけ鵜匠の巧みな手縄さばきに促され、鵜たちは水中へ潜り、鮎を捕らえます。
 鵜が鮎を捕まえて水面に上がってくると、鵜匠は手縄を引っ張り、鵜が捕らえた鮎を吐き出させ、それを何度も
 繰り返します。これほどまで鮎がいるとは思いませんでした。
     *
 時折、船頭が船縁を叩く音が響き、水中と鵜匠の手元を何度でも行き来する鵜。幻想的な歴史絵巻が目の前で
 くり広げられてゆきます。  
     *
 
     *
 観覧船は、鵜飼船のすぐ間際にまで近づきます。時には篝火の熱気が頬で感じられるほどで、鵜も水飛沫が飛ん
 でくるほど間近まで寄ってきてくれます。
 良く見ると先頭の鵜飼舟の鵜匠は若い女性です。鵜から呑み込んだ鮎を吐き出させると、観覧船から拍手が湧き
 起こります。 
     *
 楽しみの時間は瞬く間に過ぎ、船着場に戻る前に鵜飼舟三艘が並んでお礼の挨拶があり、観覧船からの拍手を受
 けて『木曾川の鵜飼』は終わりました。
 ホテルへの戻る道、ふと頭を上げると、ライトアップされた犬山城が清楚な姿で我々を見送っていました。
     *
 
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松之山 2

2014-06-01 00:00:00 | 探鳥記
平成26年6月1日(日)

 早朝探鳥会は4時半から、小学校の裏手へ。
 ちょうど日の出の時間で、何か気だるさうな太陽が顔を出してきました。今日も全国的に気温が高いという予報
 です。
     *
 今朝も溜め池付近にブッポウソウの姿は見られません。
 坂を下って直ぐの林の外側の木に止まっているノジコが囀っていました。昨日は距離があって判別が難しかった
 のですが、今朝はノジコ特有のアイリングもはっきり確認することができました。
     *
 
    *
 さらに平坦部まで下がると、あのノジコがペアでいるのが見られました。
 このペアを観察している最中に、目の前からカワガラスが飛び出し、我々の間を通り抜けて後方の小さな流れの
 方へと飛び去りました。突然のこととてびっくりさせられました。
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 次いで大松山の中腹にある溜め池へと向かいました。
 ここでは杉の木の天辺付近で囀る〈クロツグミ〉をじっくりと見ることができました。
 溜め池の前方は大きく視界が開け、田園地帯の奥に山並が霞むという絶好の場所でした。
 上空にはホトトギスが鳴き渡り、カッコウやツツドリの声も聞こえてくるという別天地でした。
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 早朝探鳥の最後は、ブッポウソウの巣箱が用意されている小学校へ行ってみました。
 毎年ここで営巣しているとのことですが、今年は姿を見せていないようでした。
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 これで早朝探鳥を切り上げ、旅館へ戻りました。
 朝食は食事処で戴きました。早朝から行動していたので食欲旺盛、美味しく食べることができました。
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 旅館を出発する前、旅館の裏手に広がる場所で《わらび》採り(無料)をしてお土産にした方もいました。
 また、玄関前で蝶を見つけましたが、種類が分かりません。 もしかして《サカハチチョウ》?
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 今回ツアーの最後は、先ず昨日の情報から小学校裏へ行ってみました。澄みきった青空から太陽の強い日差しが
 照り付けるのみで、目的の野鳥の姿はありませんでした。
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 最後に訪れたのは、『十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ』と長ったらしい名前の建物へ。
 ここで『キョロロの森の入山証』を購入しました。
 そして『バードピア須山』の須山バードラインを歩くことにしました。ここは特別保護区になっており、約 80ha
 の里山で、昔から地域の住民が自然の恵を受けて生活していたところとのことでした。
 結構アップダウンもあり、強い日差しに汗が流れ落ち、小生はなるべく木陰を利用して歩きました。
 目的の野鳥はアカゲラ、アオゲラとヤマガラが見られた程度に終わりました。
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 ここを引き上げる際、地元の方が木陰で休んでいたので、アカショウビンのことを尋ねると、
 「けさ8時半頃、美人林に出たよ ! 」と言われる。やはりここにいることは分かりましたが、こればかりはタイ
 ミングもあり致し方の無いことでありました。
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 昼食のため温泉街へ行く途中、念のために学校裏へ行ってみましたが、静まり返った溜め池があるのみでした。
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 昼食は温泉街の入口近くにある『滝見屋』でざるそばを注文。
 既に他のグルーブが食事中でしたが、我々グループがテーブルと座敷に分かれて入ると満員。
 さらに次々とお客が来て、我々の後に立って待っているといった状態に、落ち着いて食べていることができませ
 んでした。
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 この店は『そば&ジャズの店』として知られているようで、店内はアンティークな品々が並び、ジャズが流れて
 いました。そばとジャズという取り合わせがここの主人の売りのようでした。
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 最後に温泉街の中程にあるお土産屋に立ち寄り、松之山に別れを告げました。
 残念ながら、目的の《アカショウビン》と《ブッポウソウ》は見ることができませんでしたが、いることだけは
 確認できましたので、又の機会に期待したいと思います。
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 帰路の関越道は花園付近から渋滞が始まり、ノロノロ運転となりましたが、それも長くは続かずに割合スムース
 に帰ることができました。
 2日間に亘って運転し、案内して頂いたT氏とS氏に深く感謝する次第です。
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 4.30. 旅館 → 4.40. 小学校裏 5.50. → 6.00. 大松山中腹 7.00. → 7.10. 小学校 7.20. → 7.30. 旅館(朝食)9.00.→
  9.10. 小学校裏 9.30. → 9.40. 森の学校・キョロロ 11.00. → 11.10. 小学校裏 11.30. → 11.40.昼食(滝見屋) 13.00. →
  14.00. 六日町 I .C. →
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【観察した野鳥】 41種類
 1.アオサギ     2.マガモ     3.ト ビ     4.ノスリ     5.サシバ
 6.キジバト     7.カッコウ    8.ツツドリ    9.ホトトギス   10.アオゲラ
11.アカゲラ    12.コゲラ     13.ツバメ     14.イワツバメ   15.キセキレイ
16.ハクセキレイ  17.サンショウクイ 18.ヒヨドリ    19.カワガラス   20.クロツグミ
21.トラツグミ   22.ヤブサメ    23.ウグイス    24.オオヨシキリ  25.キビタキ
26.コサメビタキ  27.ヒガラ     28.ヤマガラ    29.シジュウカラ  30.メジロ
31.オオルリ    32.ホオジロ    33.ノジコ     34.カワラヒワ   35.イカル
36.ニュウナイスズメ 37.スズメ    38.ムクドリ    39.カケス     40.ハシボソガラス 
41.ハシブトガラス 

コメント
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