nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

裏磐梯紀行

2015-09-22 10:38:56 | 旅行記
平成27年9月6日(日)曇後雨

 平常の歩行ができず、欲求不満が溜っていたところ、温泉地でのんびり過ごしたらどうかとの誘いがあって、クラ

 ブツーリズム社のバス利用による『星野リゾート裏磐梯ホテル2連泊』ツアーにに参加することにした。

 久し振りの電車に乗るのもエスカレーター、エレベーターを頼りに上野駅に到着。

 天気予報では雨が降り続くとあって、参加者は少ないと思っていたが、何と満席と云う大盛況に驚く。
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 バスは千住新橋 I.C.経由で東北道へ入る。平日のためか道路は空いており、時折薄日も見えると云うまずまずの天

 候。ただし遠望は効かず山々は雲に覆われている。

 途中、上河内S.A.で昼食。レストランで『天ぷらそば』を注文。そばの腰も強くそれなりの味に満足。

 ここを出発する頃から小雨が降り出す。
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 郡山JCTから磐越道に入り、猪苗代・磐梯高原 I.C.から一般道へ。

 磐梯山は雲に覆われていたが、時折雲間から頂上部分の姿を見せてくれることもあった。
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 予定時間どおり『星野リゾート 裏磐梯ホテル』に到着。従前の『猫真ホテル』をリメークしたもので、スケール

 の大きい建物だ。
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 ただし事前に知らされていた部屋に入ってガッカリ ! 檜原湖畔に建つホテルと云うことで広々とした展望を期待し

 ていたが、窓からは樹林帯に邪魔されて檜原湖は勿論、山々も見ることはできない。
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 夕食まで時間があったので、5階にある展望ラウンジ『コスモス』へ行ってみる。15人ほどが座れる大型の丸い

 テーブルに写真集や随筆等が置かれている。窓外の檜原湖や山々を眺めている人や読書をする方々がいる。

 我々は備えられているコーヒーを味わいながら、小雨に煙る景観を楽しむ。この建物に巣があるのだろうか、数多

 くのツバメが飛び交っている。
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 夕食前に温泉へ。褐色の温泉は猫魔温泉の特徴で、敷地内に自噴している豊富な湯量を生かし、露天風呂 “ ひばら
 
 みの湯 ” と内湯 “ オーロラの湯 ” へ注いでいる。湯質はナトリュウム塩化物・硫酸塩温泉で、神経痛・筋肉痛・関

 節病運動麻痺・胃腸機能の低下・切り傷・五十肩・疲労回復・皮膚乾燥症、自律神経不安定症などに効能があると

 している。

 内湯からは檜原湖畔の樹林帯が大半を占め、右手に檜原湖の一部が眺められる。小生にちょうど良い湯温でゆっく

 りと浸かることができた。

 檜原湖をたっぷり眺められる露天風呂は、長い階段を降りて行くので、湯上がりにそれを登ることと、雨が強くな

 ったこともあって断念する。
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 夕食は1階の『ヒバラダイニング』でバイキングスタイル。グループ毎にテーブルに案内される。

 和食・洋食など品数も多く充分に満足する。中でもシェフの焼き立てのビフテキの味が良かった(山形牛 ?)こと

 と、手巻き寿司用の具が多かったことも小生の口に合った。

 これらの酒の肴に恵まれて生ビールの他、ご当地の銘酒三種、國権(南会津)、奥の松(二本松)、稲川(猪苗

 代)の盃一杯づつの味比べをして、久し振りに良い気分になる。
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 リハビリを兼ねての温泉旅行の初日とあってか、いささか疲れを感じて早めに寝床へ入る。
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 9.30.上野(バス)→ 11.10.上河内S.A.(昼食)11.50. → 13.50.裏磐梯ホテル着(229号室)…

 18.00. 夕食(ヒバラダイニング) 

平成27年9月7日(月)曇後雨



 このホテルでは毎朝の散歩コースとして5時集合の『五色沼散策コース』がある。参加した妻の話では、熊除けの

 ためベルを使ったとのこと。

 柳沼から青沼(上の画像左)、瑠璃沼までの往復約40分のコースで、湖沼にはマガモやカルガモ、それにキセキ
 
 レイ、林の中ではアカゲラやコゲラの声、シジュウカラ等が観られたとのこと。
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 朝食は『ヒバラダイニング』でバイキング。和食・洋食とも品数豊富で満足。
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 幸いにも雨は止んでおり、午前中観光タクシーを利用しての『裏磐梯湖沼めぐり』をすることになる。

 『磐梯観光タクシー』のM運転手のガイドで出発。早口での淀みのない案内に車内は終始笑いが絶えなかった。
  
 先ずは五色沼の代表として『毘沙門沼』(上の画像右)へ。
 
 ここは何度目になることか。生憎と主役の磐梯山の上部が雲に隠されているのでイマイチ見応えが無いが、五色沼

 最大の沼で曇り空ながら青い湖面は美しい。湖畔の樹々の緑がその影を映しており、紅葉時の見事さが偲ばれる。

 この沼に幸せを招くという『ハート鯉』がいて、これに合うと幸せが訪れるとのことだったが、残念ながらこの時

 間には見ることができなかった。
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 車は無料になった『磐梯吾妻レークライン』に入り、間もなく『小野川湖』が一部観られる場所でカメラストップ

 小野川湖は東西に細長い湖で、周囲約10km、野川、長瀬川などを堰止めて誕生したとのこと。吾妻の山中の百貫

 清水から小野川不動滝を経由して小野川湖に流れ込む水流(小野川湧水)は、名水百選に選ばれていると云う。
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 小野川湖沿いの道を続けて登り、小野川湖の東端にある『三湖パラダイス』で車を降りる。

 右手に小野川湖、その上方に檜原湖、そして左手に秋元湖の三湖、その奥に磐梯山が眺められると云う景勝ポイン

 ト。生憎の曇天とあって磐梯山の頂上部分が雲に覆われているのが残念だ。
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 その先へ進むと道は下り坂となり、その道路上に数頭のニホンザルが見える。車が近くなるとやっと動き出すとい

 う人馴れした(?)猿たちだ。背中に子供を背負った猿も目に付いた。
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 やがて中津川渓谷に架かる中津川橋に到着。

 50mほどの高さから見下ろす中津川渓谷は、鮮やかな紅葉が見られることで有名で、その時期には車の駐停車が禁

 止されるとのこと。無人の橋上からその時節を思い浮かべながら、しばしその景観に見惚れていた。
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 往路を引き返す途中、秋元湖の一部が見える場所で車を止める。

 磐梯山の噴火の際に大倉川や中津川が堰き止められて誕生した湖。裏磐梯三湖(檜原湖、小野川湖、秋元湖)の中

 では水深が最も深く、周囲約 21kmと檜原湖に次いで大きいとのこと。画像正面に東京電力の水力発電ダムが見え

 ている。早くも紅葉している樹も目に付いた。
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 車は檜原湖右岸沿いの道に入り、かって鳥仲間のグループと泊まった国民休暇村と道路を隔てたところにある『レ

 ンゲ沼』で車を止める。数として300と云われる大小の沼の一つで、様々な植物が見られることで人気の場所と云

 う。その入口に『熊注意』の立て看板があり、ギョッとさせられる。
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 水面にはひつじ草の葉が一面に広がり、キセキレイがその上を軽妙に歩き回っている。岸辺にアオサギ、開水面に

 はカイツブリの親子やカルガモなどが見られた。
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 目に付いた草花と道路を隔てたばしょにある『国民休暇村』の画像です。
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 車は桧原湖畔道の北上を続け、右折して『曽原湖』沿いの道を進む。

 『曽原湖』は、磐梯山の噴火時の川の堰き止めによって出来た周囲3kmほどの湖で、立木の生える小島が幾つか

 あり、靄の中に霞む景色が絶景という。
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 その少し先右手にあるのが『曲沢沼』。小さい湖面に映る景色に思わず歓声が上がる。所謂『鏡湖・ミラーレイ

 ク』なのだ。水面に映る森の幻想的な景観は、時の経つのを忘れて魅入られる。四季折々にしっかりと姿を変え、

 特に紅葉時の美しさは言葉に表せない程とのことだ。

 知る人ぞ知る裏磐梯の穴場、地元の観光タクシーならではの案内に感謝する。
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 その後は『檜原湖』沿いの道を一周する。

 檜原湖は裏磐梯最大の湖で、水深 31m、周囲 31.5km。1888年の磐梯山の大噴火による山体崩壊により出来たとい

 う。その噴火の際、現在の湖底に沈んだ桧原神社の鳥居や墓石が顔を出す場所があるとのことで、鳥居の最上部が

 見える場所で車を止める。肉眼ではハッキリと見えなかったが、双眼鏡で確認することが出来た。
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 かくして2時間余りの『湖沼めぐり』を終え、12時過ぎにホテルへ戻る。

 能弁のMドライバーに気分良く案内されたので、明日予定の『喜多方めぐり』も予約することにした。
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 昼食はホテル5階にあるレストラン『蘭・あららぎ』へ。

 ここからは磐梯山の全貌が眺められる絶好の場所だ。ただ頂上付近のの雲が中々取れず、食事中にも気にしていた

 が、食事が終わるまで隠れていた。

 食事は『牛タンカレー』、とろとろになった牛タンと野菜にスバイスの効いた辛めの味が抜群だった。
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 午後は部屋で一休み、昨夜は熟睡できなかったので、睡眠不足を補充する。
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 目を覚ますと雨が降っている。早めに温泉に浸かって夕食場所の『蘭・あららぎ』へ。

 一瞬だが頂上まで姿を見せてくれた磐梯山とも対面できた。 

 食事は和会席『秋の御献立』。『八寸』は “ 果実の白和え”、“ 鮭の幽庵焼き ”、“ 胡桃豆腐茶巾揚げ ”、“ 鶏と干し

 葡萄の松風 ”、“ 甘海老の老酒漬け”、“ 酢橘釜”、“ からすみ風味の白玉”、“ 酢大根の茸挟み” と何れも美味。
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 『お椀』は “ 甘鯛と松茸の土瓶蒸し” 、松茸が小さかった。

 『造り』は “ お造り取り合わせ ” 、甘海老と鰹。
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 『揚物』は “ 帆立進上の蓑揚げと野菜の天ぷら” 。
 
 『蓋物』は “ 茄子と鶏そぼろの博多蒸し” 。
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 『台物』は “ 牛肉の陶板焼き ” 、昨日のステーキの方が味が良かった ?

 『食事』は “ 白飯、香の物、留椀 ” 、白飯の味がイマイチ。  
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 『甘味』は “ アイスクリームとシャーペット” 。
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 白ワインを飲みながら、それぞれの味を楽しみ、1時間半ほどで終わる。
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 フロント・ロビーでは、明日の『早朝散歩コース』の説明があったが、小生は部屋へ戻り早々と寝床へ。
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 7.30.朝食(ヒバラダイニング)… 9.50.ホテル発(磐梯観光タクシー)→ 10.00.毘沙門沼 → 10.20.小野川湖 →

 10.30. 三湖パラダイス → 10.40. 中津川橋 → 10.45. 秋元湖 → 11.10. レンゲ沼 →11.15. 曽原湖 → 11.20. 曲沢沼 →

 11.45.檜原湖 → 12.10.ホテル着 … 12.30. 昼食 (蘭・あららぎ)… 18.00.夕食(蘭・あららぎ)
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裏磐梯紀行 2

2015-09-13 22:29:42 | 旅行記
平成27年9月9日(火)雨一時曇

 昨夜来の雨が降り続いている。その雨の中『早朝散歩』に妻は参加する。雨具や長靴はホテルで用意されていたとのこと。

 朝食は『ヒバラダイニング』でバイキング・スタイル。和食を中心に戴く。
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 相変わらず降り続いている雨、景色もガスが濃く遠望は効かない。その悪天候の中、昨日約束した『磐梯観光タクシ

 ー』のM運転手による『喜多方めぐり』へ出発する。
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 車は桧原湖畔から国道459号線を利用して山道に入り、『大塩裏磐梯温泉』を経由して40分ほどで喜多方の街へ入る。

 樹林帯を抜けると周囲を山に囲まれ広々とした喜多方盆地へ入る。空は大分明るくなり、雨も小降りになってくる。

 この四囲を山々に囲まれた街は、夏は暑く冬は寒さが厳しいと云う。
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 喜多方の最初の観光は『甲斐本家蔵座敷』へ。

 甲斐本家は初代が幕末に酒造りを始め,三代目が麹製造、製糸工場で財をなし、四代目が味噌・醤油の醸造を営んで

 きたという。喜多方では珍しい黒漆喰で、51畳の座敷、金箔の屏風、らせん階段、それに洋室などがあり、国登録有

 形文化財として喜多方一の豪華さであるという。たまたま地元の中学生が見学に訪れており、庭に面した座敷の前で

 案内人から説明を聞いているのに参加させてもらいました。
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 幸いにも雨は小降りになり、一旦庭から表へ出て道路側の建物から、らせん階段と洋室を見学する。現在価格で5億

 1千万円を掛けた建物とのことでした。
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 ここで一旦市街地を離れ、四囲を山に囲まれた田園地帯を進み、山麓際に建つ『新宮 熊野神社 長床』へ。

 天喜3年(1055)源頼義が勧請の古社。大きな注連縄の下がる鳥居を潜り、銀杏が両側から覆い被さるように繁る参

 道を進み、長床(拝殿)へ。
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     `
 『長床』は間口27.273m、奥行12.12m、柱間3.03m、軒高4.3m、棟高11.25mで、直径1尺5寸の円柱44本が等間隔に並

 んでおり、全部吹き抜けになっている。(国の重要文化財・昭和38年)
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 長床の奥に熊野三社の本殿があり、その間には大きな銀杏の実が大量に落ちていた。

 併設されている『熊野神社宝物殿』には、様々な文化財が保存されている。
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 再び市内へ戻り『蔵の里』へ。

 県指定重要文化財の『肝煎屋敷旧手代木屋住宅』、『郷頭屋敷旧外島家住宅』のほか、『穀物蔵』、『味噌蔵』、『酒造

 蔵』、『座敷蔵』などを保存している。
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 明治の呉服商の旧冠木屋店蔵では、地場産品を直売している。道路の反対側には『喜多方市美術館』がある。
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 ここでお昼時となり、有名になった『喜多方ラーメン』を食べることにする。M運転手の話では、ここ喜多方は観光資源

 には恵まれていないが、昼時になるとここのラーメンを食べるために各観光地から観光客が集まり、食べ終わると各観光
 
 地へと散って行くとのこと。

 先ず市内から外れた場所にある『はせ川』(煮干しタレで有名)は、既に長い行列が出来ており断念。市内に戻り元祖

 『源来軒』は、本日休業。

 肉そばで有名な『坂内食堂』も行列待ち。次の『まこと食堂』でやっと入ることができた。

 この店の特徴は、初代ウメばあちゃんの味をこだわって代々受け継いでいると云う。

 トンコツと煮干しのスープ、何種類もの醤油を合わせたタレ、微妙な火加減で茹で上げた太めの縮れ麺、丼からこぼれる

 ほどの量にチャーシュー、めんま、刻み葱が乗っている。
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 はじめにスープを口に含む。一口、二口とすすればすするほど旨さが身体の中を駆け巡るといわれているが、なるほど納

 得させられる絶妙な味だ。太めの縮れ麺は食べ応え充分。あっという間にお腹に収まった。これで今日の成果は言うこと

 なし。

 店には次から次へとお客が訪れる。それも地元の方が多いようだ。店内には有名人の色紙や写真が所狭しと貼り出されて

 いた。
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 これで『喜多方めぐり』を終え、往路を戻る。幸いにも雨は止んでおり、無事ホテルへ戻る。2日間に亘って案内して頂

 いたM運転手に多謝 !
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 帰りの出発時間まで『展望ラウンジ コスモス』でコーヒーブレイク。

 再び降り出した雨の中、予定時間どおりバスで出発。雨とあって景色は望めず、ひたすら睡眠不足を補う。

 途中、『那須高原S.A』と『川口P.A』でトイレ休憩の後、予定時間どおり上野駅へ到着した。
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 7.30. 朝食(ヒバラダイニング)… 9.50. ホテル発(磐梯観光タクシー)→ 10.40. 甲斐本家蔵座敷 11.15. → 11.30. 新宮 熊野神社 長床 11.50. →

 12.05. 蔵の里 12.15. → 12.20. 昼食・まこと食堂 12.50. → 13.30. ホテル着 … 展望ラウンジ・コスモス … 15.00. ホテル発(バス)→ 16.25.

 那須高原S.A. 16.50. → 18.35. 川口 P.A. 18.50. → 19.25. 上野駅着 
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