16葉の クローバ

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秋の空

2022-10-29 10:54:16 | 南 なな

秋の空は 短く黄昏れていく
コオロギの鳴き音が一段と増し
心を激しくかいたてる
どんな楽器でも 虫音には及ばない

風や月明かりが 小さな庭にいっぱい注ぐ
私の心に多感な憂いが忍び込む

私は自分の年齢を痛感する
顔の憂いはどうだろう
髪の艶はどうだろう
身体のふしぶしは?

周りの人達はどんな目で見ているだろう
そんな心の惑いを打ち消すように
台所に立つ

あなたは まだ仕事からもどらない
さびしかった一日を
話すのはいつのこと

10月の風

2022-10-01 10:43:56 | 今日子詩集


爽やかな秋晴れ
乾いた風が吹き抜ける
微かに拡がる キンモクセイの匂い

懐かしい香りに誘われて
君の言葉を思い出す
「心残りは 何も無いよ」

強がりか 本心からか・・・
言葉だけが カラカラと廻る

君は君なりの
私は私だけの
其々の人生がある

駆け足で生き抜いた君
この秋も 過ぎようとしている
足跡だけを残して

空よ

2022-10-01 10:28:06 | 小泉周二


何も悪いことをしていないのに
つらいことがふりかかってきた
ああ と空を見上げた
雲ひとつない青空だ

どうしてこんなことになるのだろう
いったいどうしたらいいのだろう

だけど
たぶん
虫も鳥も魚も犬も
わからないけれど生きているんだ

だったら僕も生きていく
わからないけれど生きていく

わから生きていく生きていく

迷路

2022-10-01 10:11:28 | 佐藤もも詩集


人混みの中で みんな浮かない顔をしている
愛する人達は 何処へ行くのか
街の迷路の中 使い慣れた言葉が
私を変えている

戸惑い歩くみんなは
自分の中の自分に あこがれて
出口を探して 長い道のりを歩いている

誰でも 本当の自分になりたいはずなのに
きっかけをつかめないまま
別れに「又今度みんなで会おう」なんて
手を振っている

お互い短い別れの挨拶に過ぎない
そんなの分かっているなんて 哀しすぎる

誰もが言いたくなるセリフじゃない
誰かにうなずいて欲しいとか
間違っている 諦めようとか

そして彼もその一人 迷路を歩いている
もう、昔のように気楽にはなしは 出来ないけれど
どこか遠い空を見ていたね 分かっていたよ
何が見えていたの もう見えない?

(20歳のリフレンより)

秋の五感

2022-10-01 09:48:26 | 自遊人マサル


目に青く澄んだ空に 鰯雲が浮かぶ
紅白の彼岸花 ススキの穂に秋の視覚

耳には蝉時雨が 虫時雨に変わり
小鳥の囀りに モズの鋭い鳴き声に秋の聴覚

口には栗やサツマイモの ホクホク感
ナシやブドウの 甘酸っぱい秋の味覚

鼻には焼き秋刀魚や 松茸の香りといきたいが
見栄は張るまい 金木犀の香りに秋の臭覚

手には野菜や果物 収穫を手に感じ
頬を撫でる涼風に 秋の触覚

人や動物は 生き延びるために
四季折々の 五感を感じ
何時でも何処でも 知らずに五感を研ぎ澄ます