昭和20年8月17日
広島管区気象台午後9時30分
バケツをひっくり返したような豪雨。30分間の雨量24ミリ
風速10メートル
風向 東から南東へ変化(台風の中央が南西方向、山口県側に近づいてきたことを示唆するデータ)
午後10時
30分間の雨量29.5ミリ
9時から10時の1時間雨量53.5ミリ
浸水、山崩れ、崖崩れの災害が起こることは必至だが
広島管区気象台は電話が使えないため観測データを記録することしかなすべき業務はない。為しようがない
午後10時7分
豪雨の響きがピタリと止んだ
風の唸り声が聞こえてきた
雨が止むと同時に、風が急に強くなりだした
気圧 722.5ミリ、なお下降気配
風速 15メートル
風向 南南東
午後10時25分
最大瞬間風速36メートル
午後10時40分
最大瞬間風速十数メートルに落ちた
水銀気圧計は721.5ミリで降下を止めた
台風が広島西方至近距離を通過中であることは明らかだった。空は以外と明るい