るるの日記

なんでも書きます

枕崎台風・豪雨止むと同時に風が急に強くなる

2020-10-04 09:46:12 | 日記
昭和20年8月17日
広島管区気象台

午後9時30分
バケツをひっくり返したような豪雨。30分間の雨量24ミリ
風速10メートル
風向 東から南東へ変化(台風の中央が南西方向、山口県側に近づいてきたことを示唆するデータ)

午後10時
30分間の雨量29.5ミリ
9時から10時の1時間雨量53.5ミリ
浸水、山崩れ、崖崩れの災害が起こることは必至だが
広島管区気象台は電話が使えないため観測データを記録することしかなすべき業務はない。為しようがない

午後10時7分
豪雨の響きがピタリと止んだ
風の唸り声が聞こえてきた
雨が止むと同時に、風が急に強くなりだした
気圧 722.5ミリ、なお下降気配
風速 15メートル
風向 南南東

午後10時25分
最大瞬間風速36メートル

午後10時40分
最大瞬間風速十数メートルに落ちた
水銀気圧計は721.5ミリで降下を止めた
台風が広島西方至近距離を通過中であることは明らかだった。空は以外と明るい







枕崎台風・広島管区気象台・台風情報入らぬまま臨時観測体制に入る

2020-10-04 09:23:28 | 日記
昭和20年9月17日夜
広島管区気象台では、台風の勢力と動きについて正確なことがわからぬまま夜を迎えた

風速10メートル
土砂降り
水銀気圧計730ミリをきる

台風接近に備えて夕刻から30分ごとに観測を行う臨時観測体制に入った。台風が恐るべき勢力を持っていることについては、全く情報が入っていなかったから、若い連中は大台風を迎え撃つという緊張感はなかった

午後8時すぎ
「台風の中心は午後6時現在宮崎県北部にあり、北北東進中」と受信

午後9時前
停電、水銀気圧計726.5ミリ、風速10メートル、風向き東
1時間雨量16.8ミリ
気温25度昼より高め
台風接近といえどまだ心配するような状況ではない。雨が心配、街の低いところはそろそろ水があふれている、と気象台員は思った

雨音が突然変わった。響きになる。雨の振り方が只事ではない。豪雨は一時的ではなく続いた

気圧の低さから判断すると、台風は近いように思えたが、風速から判断するとまだ遠いように思えた

台風襲来前の異様な光

2020-10-04 08:53:54 | 日記
台風の中心が大分市付近に到達した頃、台風の中心から東200キロ以上離れた四国の室戸では、上空に明滅する異様な光に人々の目はくぎ付けにされていた

位置は天頂からやや北東寄りの曇り空の中であった

青い球状の強い電光が、爆発を繰り返しているかのように、3分間隔で発光しては消えるという規則正しい明滅を繰り返していた。雷鳴は聞こえなかった。光もあきらかに雷の稲妻や閃光とは違っていた

この光は、室戸岬測候所の所員によっても観測された。この現象は午後6時50分頃から8時30分まで約1時間40分も続いた

このような異常光は台風襲来時などに稀に観測されるが、室戸の人々が見たのは初めてであった。人々は台風によって何か恐ろしい災害が起こるような不吉な予感に襲われたが、その予感が何であるかは誰一人としてはっきりとした輪郭をつかむことはできなかった

室戸で見られた異様な電光が消滅した頃、台風は伊予灘に進んでいた。瀬戸内海を越えれば、山口県東部。その先は広島があった

枕崎台風・九州上陸

2020-10-04 08:37:03 | 日記
枕崎測候所
台風は午後2時半過ぎ薩摩半島南部の枕崎町付近に上陸。最大瞬間風速62.7メートル。台風の眼に入った午後2時40分最低気圧687.5ミリ(916.6ミリバール)
上陸後速度を時速40キロに加速し北北東に進み、薩摩半島一円を暴風雨の中に巻きこんだ。屋根瓦は飛び、家屋は倒壊、電柱や樹木もなぎ倒された。

台風は鹿児島県下に被害をもたらした後、勢力がほとんど衰えぬまま宮崎県を駆け抜けた。最大瞬間風速75メートルを記録

午後7時すぎ、台風の中心は大分市付近に到達

予想を越えたこの台風の勢力は、通信網途絶のため中央気象台には全く伝わらなかったから、中央気象台から全国気象官署に流される台風情報も更新されず

台風観測地点から各地の気象台まで2時間のズレ

2020-10-04 08:18:49 | 日記
昭和20年9月17日午後広島
雨は時折ザーッとあたり一面白く光るほど強く降ったかと思うとピタリと小降りに。台風前触れ特有の降り方になる。風7.8メートル、気圧の下がり方は顕著

午後2時台風の位置は九州薩摩半島すぐ南に接近。進行方向北北東。時速35キロで少し速くなっている。中心示度720ミリ(昭和20年のヘクトパスカルか🤔)

各地の気象台、測候所から入電した観測データによって中央気象台が天気図を作成し、台風の勢力や進路予想をまとめるまでに1時間から1時間半。それを電文にしてトヨハタの無線放送にのせ、各地の気象台に伝えると、観測地点から2時間以上の時間のずれが生じる

しかも台風が接近して暴風雨域に入った地方からは、通信網が途絶してデータ入電しなくなる

もっとも重要な台風中心付近のデータが0になるから、中心示度は遠方の気圧傾度から推測する。「中心示度720ミリ以下」という中央気象台の発表はそうゆう推測値。実際はそれほどでもないか、それとももっと低い、つまり勢力の強いものなのか正確なところはわからない