法華経四要品の一つ。方便品の理によってこの安楽行品を修し、後の寿量品の仏果を感ずる
菩薩は弘経の難を嘆き、八千五百の声聞は、娑婆を恐れ他の地の弘経を誓うので、文殊菩薩は浅行初心の行者が濁悪世で、安楽に妙法蓮華経を修行する方法を問う
釈尊は、これに対して身・口・意・誓願の四種の安楽行を説き、初心者はこの安楽行で妙法蓮華経を弘通し修行することを示された
止(定)と観(慧)と慈悲の三法をもって、身・口・意・誓願を導く
■身安楽
止に住するので、身の十悩乱を離れ
観に住するので、一切法が空であり
無所有性であることがわかるから執着せず
慈悲に住するから、ことごとく利他のためにすることとなる
■口安楽
止に住するから、不説過、不軽慢、不怨嫌であり、
観だから、但説は大乗
慈悲に住するから、読経し仏を賛嘆し、自然に利他する
■意安楽
止に住するから、散乱悪想を離れ
観に住するから、如来・菩薩・十方の菩薩、一切衆生の四人に四観あり
慈悲に住するから、禅定、智慧ことごとく一切衆生のためにする
■誓願安楽
止に住するから、怨親平等
観に住するから、衆生に無執着
慈悲に住するから、一切衆生に抜苦与楽の誓願を発する
四安楽行を説いた後、「この法華経は、諸仏如来の秘密の蔵なり、諸経中において、最もその上にあり」と説かれていり