気象台として取り組んでいた原爆災害調査の項目
※爆発当時の景況
※爆心の決定
※風の変化
※降雨現象
※飛散降下物の範囲
※爆風の強さと破壊現象
※火傷と火災の範囲
など
原爆投下直後は顕著な気象変化として、各地で熱旋風や豪雨が発生していた。黒ずんだ雨が避難する人々の群れにふりそそいだ。この黒い雨は局地的には激しい豪雨になっていた
爆心地付近では原爆炸裂後20分ほどして雨が降り始めた。降雨域は積乱雲の発達に伴い次第に広がっていった。
広島市の南部から東部にかけての地域は黒い雨は降らなかった。黒い雨が降ったのは広島市中心部から西及び北にかけての地域。夕方までには全て降り止んだ。
雨は爆撃による上昇気流と、その後の火災による上昇気流が重なって巨大な積乱雲が発生したため降ったもの
降り始めの小雨の雨粒に特に黒い泥分が多く、粘り気があり、当時は「油をまいた」とさわがれたが、臭いはなく油とは違っていた。しかし白い衣服は絣状になった。流れる川水は墨汁のように黒かった
雨粒は雹のように大粒で、裸の身体には痛いほどだった。気温も急に下がり寒くて震えあがるくらいだった。
雨水中の泥分は放射能が強大であった。池や川の魚類は黒い雨の流入によって斃死浮上した
稲田の害虫がいなくなり、稲は特別の肥料を与えられたかのように異常な生育を示した(豊作が期待されたが枕崎台風と阿久根台風によって無惨にも流失、冠水)
黒い雨に含まれた泥の成分は、原爆が爆発したとき黒煙として昇った泥塵と、火災による煤塵、さらに空中に撒かれた放射性物質を混合して含んだもの
降雨量は1~3時間の間に50ミリ~100ミリと推定