るるの日記

なんでも書きます

法華経・三種の教相

2020-10-15 16:51:00 | 日記
天台が法華経と法華経前の経との勝劣を三種の点で明らかにした

■一 根性の融不融の相
法華経以前の経は、衆生の根性が種々に分かれて不同であり、その機根に応じて法が説かれた。声聞・縁覚・菩薩と、その説法はバラバラであった。これは根性の不融である

法華経にくると、衆生の根性が熟して、みな一様になったため、法華一乗の法を聞くに耐えられるようになった。これは根性が円融して、すべて法華経の一仏乗に統合された

そして方便品でまず舎利弗が成仏の記別を、次いで譬喩品で四大声聞が記別を受けるのである

■二 化導の始終不始終の相
仏の弟子に対する化導は、まず仏が弟子に仏種を下すことに始まる。次いでそれを熟させ、ついに得脱させることで化導は終わる
これは化導の始終である

この過程が明かされたのは、法華経化城喩品にて、釈迦牟尼仏は三千塵点劫の昔、大通智勝仏の第十六王子として、父大通智勝仏が説いた法華経を説法した。その法華経を聞いて仏の種子を植えられた者が、いま法華経を聞いて成仏する弟子であると、その化導の始めを説き明かした

そして三千塵点劫の昔に下種した弟子の根性が熟したゆえに、いままたこの世に出現して、四十余年の間教化して調熟し、最後に法華経を説いて得脱させると、今日の化導の始めを明かした

■第三 師弟の遠近不遠近の相
法華経前の経では、仏はその本地を隠して、この世に生まれて初めて菩提樹の下で覚りを得たと説く

法華経寿量品では、五百塵点劫の昔に成仏しそれ以来この娑婆世間に出現して衆生を教化してきたと、仏の本地を明かされた

仏と弟子との関係は、この世だけの関係ではなく、実は遠い五百塵点劫以来の長い間、師弟関係にあることが明らかにされたのである。これ師弟の遠近の相である

法華経前の経は、仏の本地が明かされず、仏と弟子の関係もたんにこの世かぎりのもの。遠近の相は明かされないので不遠近という


法華経・四衆

2020-10-15 15:42:35 | 日記
仏が説法する時に必ず集まっている四種類の衆生。四種には二つの意味がある

一つは
比丘(男の出家・僧)
比丘尼(女の出家・僧)
優婆塞(男の在家信者)
優婆夷(女の在家信者)

もう一つは
★発起衆
仏に説法を請い、あるいは疑問を出したり、問答を起こして仏の説法を発起させつ、化導を助ける人

★当機衆
仏の説法を聞いて、教えを受けて、その場でわかる人

★結縁衆
そこで縁を結んで、未来に悟る人

★影響衆
仏の側に従っていて、その仏の立派なことを証明する役目の人

このうち発起衆は最も大事。普通は発起衆が仏に質問を発して、次いで仏が四衆に向かって説法をする。また仏が誰も質問しないのに、自ら「諸仏智慧、甚深無量、、」と説きだす説法を「無問自説」といい、その他説法のやり方に十二の方式がある

法華経・三世間

2020-10-15 15:21:09 | 日記
三世間とは、五陰世間・衆生世間・国土世間である

世間とは差別を意味する

■五陰とは
色・受・想・行・識
色とは有形の物質、身体
受とは六根で外界を受領
想とは受領した外界に対する想い
行とは想いにより行為を現す
識とは思慮分別する智慧
この五陰は各人の色心。この色心はみな他と相違(差別)があるので五陰世界という

陰とは、「覆い隠す」「集まる」の二つの意味がある

覆い隠すという意味を九界から見れば善法を覆い隠している。仏界から見れば慈悲に覆われている、ことになる

集まるの意味を九界から見れば苦しみの集まりであり、仏界から見れば常楽が集まっている、ことになる

■衆生とは
五陰が仮に和合するのを衆生
十界にはそれぞれの衆生がおり、仏界は尊極の衆生である

各衆生それぞれ差別を生じて、十界の衆生となっているところを衆生世間という

五陰世間と衆生世界とは、自他の両面をあらわしたものである

■国土とは
十界の衆生が住む国土
仏は寂光土
菩薩は実報土
二乗は方便土
天は宮殿
人は大地
地獄は赤鉄
このように衆生の住む国土に差別がある



法華経・多宝塔

2020-10-15 14:55:23 | 日記
多宝塔が虚空に立ち、釈迦・多宝の二仏が宝塔の中に並座し、十方分身の諸仏、他方の大菩薩・二乗・人・天等がこれに連なって「虚空会の儀式」が説かれている

宝塔は地より涌出し空中に立つ
七宝で飾られ
種々の宝物を持つ
高さ五百由旬
縦広二百五十由旬
部屋は千万
四面に栴檀の香を出し世界に充満す

これは非科学的のように思われるが、仏法の奥底から見るならば、極めて自然な儀式である

これは釈尊己心あり、己心の十界であるから、何十万集まったといっても不思議はない。宝塔の虚空会の儀式も、観心の上に展開された儀式なのである

私たちには仏界が存在している。この仏界は想像にも及ばなければ筆舌にも尽くせないが、、

しかし「仏界を私たちの生命体の上に具現することはできる、現実に私たち生命も、仏界を具現できるのだ」と説き示したのがこの虚空会の儀式である

すなわち釈尊は虚空会の儀式をもって、己心の十界互具・一念三千を現している

法華経・大通智勝仏

2020-10-15 14:22:30 | 日記
三千塵点劫という遠い昔に出世して法華経を説いた仏

好成国(こうじょうこく)の、転輪聖王の太子として生まれ、国王となって十六人の王子を持ったが、後に出家して修行を積み大通智勝仏となった

大通智勝仏は二万劫の間、法華経を説かなかったが、十六王子に請われ法華経を説いた。このとき、十六王子と少しの声聞は法華経を信受して功徳を得たが、多くの衆生は疑いを起こして信じなかった

十六王子は諸国を回り、父大通智勝仏が説いた法華経を繰り返し繰り返し説いて多くの衆生を化導した。その説法を聞いたことを大通結縁という

十六王子の十六番目が釈迦牟尼仏である