天風哲学の基本は何事も「因果応報の原則」によって考え直し、その後に実践論がくるという仕組みになっている
現在の自分は過去の自分が創った以外何ものではない。もし現在に過ちがあれば、まずその原因を探しだしそれを「悔い改める」ことが先決
天風先生が「幸福の条件として、人間を創る」うえで基本テーマとしたのが、「人間は肉体を自由に動かすことができるのに、どうして心を自由に動かすことができないか?その原因は、心の奥の潜在意識が消極的観念で充満していて、心のアンテナである感応性能が狂っているからだ」と指摘する
表面に出てくる顕在意識は、その素になっている潜在意識の影響を受けて働いている
人間は同じ現象に対しても「十人十色」というように、それぞれ違った考えを持つ。この差が生じるのは潜在意識の中に異なった観念要素があるためだ。潜在意識はそれぞれの長年ね境遇や学問、経験といったもので作られる
私たちは潜在意識に消極的観念を充満させているために、心のアンテナ感応性能を狂わせている。そのため肝腎要の意志力が働かなくなっている
その結果、心配しなくていいことを心配し、悲しまなくていいことを悲しみ、怒らなくていいことを怒ったりと、本当の意志とは違うことをやってしまう。それだけではなく人生に対する考え方がすべて消極的となり、不幸な人生をみずから招く結果となる
天風先生は力説する
「だから即刻、あなたの心から消極的観念を一掃し、積極的観念に入れ替えねばならない」
これを観念要素の更改と呼ぶ
弱気は意志力に影響し、神経過敏にさせる。これが表に現れたのが臆病や心配性である
神経過敏とは顕在意識が敏感になることで、感情や感覚で物事を判断してさはまいがちになる。そのため本質的な判断ができなくなり、怒らなくていいことを怒り、泣かなくていいことを泣くのである
こういう人は見るもの聞くもの、何でもシャクの種、心配の種になってしまい、安心立命の境地は得られない