るるの日記

なんでも書きます

古事記 天照大御神須佐之男命に対抗するため男装する

2020-11-26 15:39:43 | 日記
天照大御神
御髪を解きて
御みづらにまきて
左右の御みづらにも、亦御かづちにも、亦左右の御手にも、各(おのもおのも)★八尺(やさか)の勾玉の★五百津(いほつ)のみすまるの珠をまき持ちて
★そびらには千入(ちのり)の靭(ゆき)を負ひ
ひらには五百入(いほのり)の靭(ゆき)をつけ
★いつの竹鞆(たけとも)を取りおばして
弓腹振り立てて
堅庭は★向股(むかもも)に踏みなづみ
沫雪なす蹴散(くいはらら)かして
いつの男建(おたけ)び踏み建(たけ)びて持ち問ひたまわく

「何の故にか上り来つる」ととひたまひき

■【天照大御神は、すぐに髪を解き、それを左右に分けて男子の髪型の角髪(みずみ)にまとめて、
そして左右の角髪にも
左右の手にも
それぞれ長い緒に多くの勾玉を通した玉飾りを巻いて持ち
背中には千本も矢が入る靭を負い
脇腹には五百本も入る靭をつけ
左手首には威力ある高鞆を巻き
弓の上端部を宙に振り立て
聖庭の堅い土に踏みこんだ股が没するまで踏みこみ
まるでそれが泡雪であるかのように堅い地を蹴散らして
威勢のよい雄々しい叫び声をあげ
荒々しく大地を踏んで弟君を待ち受けて「どうして高天原に上ってきたのか」とお問いになった】

★八尺(やさか)の勾玉(まがたま)
※やさか→珠を貫く緒の長いこと
※まがたま→曲がった玉
動物の牙、ガラス、瑪瑙、水晶などで作られた

★五百津(いほつ)のみすまるの玉
※いほつ→多数
※みすまる→玉を緒に貫いて統べくる
※高天原の権威の象徴で、呪術威力を示そうとした

★そびら
背中

★千入(ちのり)の靭(ゆき)
多数の矢が入り、矢を入れて背におう武具

★いつの竹鞆(たかとも)
※いつ→威力ある
※たかとも→高い音を発する鞆
※鞆→弓をもつ左手首につけ、弦のはね返りを防ぐとともに、弦がそれに触れて発する音で、敵を脅かすためな武具

★向股(むかもも)に踏みなづみ
※向かいあってる両股説
※股を前向きに踏み込む動作説
※なずむ→難渋
※容易に踏み込めない土に股まで踏み込む






古事記 須佐之男命 暴風、地震、噴火させながら高天原へ

2020-11-26 14:28:13 | 日記
速須佐之男命言(もう)さく、「しからば天照大御神に請(まを)してまからむ」とまおして、乃ち天に参上(まいのぼ)る時、★山川ことごとに動(とよ)み、国土皆震(ゆ)りき

ここに天照大御神、聞き驚きて詔りたまはく、「我がなせの命の上り来る由(ゆえ)は必ず★善き心ならじ。我が国を奪はむと欲(おも)ふにこそあれ」とのりたまひて

■【そこで速須佐之男命は「そうゆうことならば、姉君の天照大御神に事の次第を申し上げてから、亡き母の根国(ねのくに)に参りましょう」と申して、天に上っていったがその時、山や川はことごとく鳴りとどろき、国土はみな揺れ動いた

天照大御神はその音を聞いて驚き、「私の弟君が天に上がってくるわけさ、きっと私に従う善良な心によるのではあるまい。私の治める国、高天原を奪おうと思ってやって来たのにちがいない」と言われて】

★山川ことごとに動み~
荒ぶる神としての行動を強調した語句。暴風、地震、噴火などの現象

★善き心
無私の心、忠誠心
うるわしき心

古事記 須佐之男命のきいさち 母の元へ行きたい→追放

2020-11-26 14:00:50 | 日記
伊耶那岐大御神、速須佐之男命に詔りたまはく「何のゆえにか汝は事依せし国を治めずて、哭きいさちる」とのりたまひき

答へて曰さく、「僕は★妣(はは)の国根之堅州国(ねのかたすくに)にまからむと欲(おも)ふが故に哭く」とまをしき

伊耶那岐大御神いたく忿怒(いか)りて詔りたまはく「然らば汝(いまし)はこの国に住むべからず」とのりたまひて、乃ち★神(かむ)やらひにやらひ賜ひき。故、其の伊耶那岐大御神は★淡海(あふみ)の多賀に坐すなり

■【伊耶那岐大御神が速須佐之男命に向かって、「どうしたわけで、おまえは私の委任した国を治めないで、泣きわめくのか」と言われた

須佐之男は「私は亡くなった母のいる国の、地底の片隅にある根之堅州国に参りたくて泣くのです」と申し上げた

伊耶那岐大御神はひどく怒って「それならば、おまえはこの国に住んではならぬ」と言われて、すぐに須佐之男命を追放してしまわれた

さて、その伊耶那岐大御神は近江の多賀に鎮座している】

★妣→死んだ母、伊耶那美命

★根之堅州国
根→地底
堅州→片隅または固い砂

★神やらひにやらひ
神→神としての行動を示す
やらひ→追放、重ねたのは強めるため

★淡海(あふみ)の多賀に坐すなり
※滋賀県犬上郡多賀町の多賀神社に鎮座。伊耶那岐命の終焉地

※淡海を淡路とすれば、兵庫県津名郡(淡路島)一宮町多賀の伊弉諾神宮

※国生みの時に淡路島が最初に生まれた点などを考えると、淡路島の方を古伝とすべきか




古事記 須佐之男命啼く 草木や川海をすいとり啼く

2020-11-26 13:20:10 | 日記
故、各(おのも、おのも)依(よ)さし命の随(まにま)に知らしめす中に、速須佐之男命、命(よ)させし国を治めずで、★八拳須心前(やつかひげむなさき)に至るまで★啼きいさちき

其の泣くさまは、★青山は枯山如(からやまな)す泣き枯らし、河海はことごとに泣き乾(ほ)しき。ここをもちて悪しき神の音(おとなひ)、狭蠅如(さばへな)す皆満ち、万(よろず)の物の妖(わざはひ)ことごとにおこりき

■【それぞれ伊耶那岐命の委任された命令のままに治めていたが、中で速須佐之男命だけは委任された国を治めないで、長い髭が胸先に垂れ下がるほど大人になるまで激しく泣きわめいていた

その泣く有様は、青々と草木の生えている山を、枯木の山にするほど激しく泣いて枯らし、川と海を泣く涙に吸いとって、すっかり干してしまうほどだった

その結果、禍をもたらす悪神のたてる物音は、五月ごろ湧きさわぐ蠅のようにあたり一面に満ち、様々な悪霊による禍が至るところに起こった】

★八拳須心前(やつかひげむなさき)
※大人になるまで
※やつか→長いこと
※須→髭

★啼きいさちき
※激しく啼く

★青山は枯山なす泣き枯らし
河海はことごとく泣き乾しき
※涙の方に水分が吸いとられるので、草木が枯れ、川や海が干される
※暴風神としての属性

★狭蠅如(さばへな)す皆満ち
さ→五月・早苗・早乙女
田植えをする五月の、蠅の大群のものすごさ

★万の物の妖
物→物の怪
悪霊




古事記 三貴子の分治 伊耶那岐命 三人の子に治める領域を委任

2020-11-26 12:24:26 | 日記
■此の時、伊耶那岐命いたく歓喜(よろこ)びて詔りたまはく
「吾は子を生み生みて、生み終(はて)に三(みはしら)の貴(たふと)き子を得つ」とのりたまひて、即ち御頸珠(みくびたま)の玉の緒もゆらに取りゆらかして、天照大御神に賜ひて詔りたまはく、「汝命(いましみこと)は高天原を知らせ」と事依(ことよ)さして賜ひき。故、其の御頸珠の名を御倉板挙之神(みくらたなのかみ)といふ。

次に月読命に詔りたまはく、「汝命は夜之食国(よるのおすくに)を知らせ」と事依さしき。

次に建速須佐之男命に詔りたまはく、「汝命は海原(うなはら)を知らせ」と事依さしき

■この時に伊耶那岐命は、たいへんに喜んで「私は多くの子を生みつづけてきて、その最後に三柱の立派な子を得た」と言われて、すぐに首飾りの珠をゆらゆらと音をたてながら手にとって、それを揺すり鳴らして、天照大御神に授け言う「おまえは高天原を治めなさい」と委任し、授けた。その首飾りの玉の名を御倉板挙之神(みくらたなのかみ)という

月読命に言われるのは「おまえは夜の世界を治めなさい」と委任された

建速須佐之男命に言われるのは「おまえは海原を治めなさい」と委任された