るるの日記

なんでも書きます

古事記 伊耶那岐命の禊祓 身体を漱ぐことで生まれた神々、天照大御神もここで生まれた

2020-11-26 11:49:40 | 日記
■水底に漱きたまふ時、成れる神の名は
1 底津綿津見神
(そこつわたつみのかみ)
底筒之男命
(そこつつのおのみこと)

中に漱ぎたまふ時、成れる神の名は2 中津綿津見神
(なかつわたつみのかみ)
中筒之男命
(なかつつのおのみこと)

水の上に漱ぎたまふ時、成れる神の名は
3 上津綿津見神
(うはつわたつみのかみ)
上筒之男命
(うはつつのおのみこと)

此の三柱の綿津見神は、阿曇連(あづみのむらじ)等の祖神(おやがみ)といつく神なり。故、阿曇連等は、綿津見神の子、宇都志日金析命(うつしひかなさくのみこと)の子孫(うみのこ)なり

底筒之男命・中筒之男命・上筒之男命の三柱の神は、墨江の三前の大神なり

これに左の御目を洗ひたまふ時、成れる神の名は、天照大御神
次に右の御目を洗ひたまふ時、成れる神の名は、月読命
次に御鼻を洗ひたまふ時、成れる神の名は、建速須佐之男命

■【水の底に潜って身を洗い清められる時に生まれた神の名は
海を司る底津綿津見神
航路を司る底筒之男命

水の中で身を洗い清められる時に生まれた神の名は
中津綿津見神
中筒之男命

水の表に出て身を洗い清められる時に生まれた神の名は
上津綿津見神
上筒之男命

この三柱の綿津見神は、安曇連たちが祖神として、いみ謹んでお仕えする神である、わけは安曇連たちは、綿津見神の子の宇都志日金析命(うつしかなくのみこと)の子孫だからである

底筒之男命
中筒之男命
上筒之男命
三柱の神は住吉神社に祀られる三座の大神である

黄泉国の穢れを見た
左目を洗った時に生まれた神の名は天照大御神

右目を洗った時に生まれた神のは
月読命

黄泉国の穢れを嗅いだ鼻を洗った時に生まれた神の名は
建速須佐之男命

以上にあげた十柱の神は、身体の穢れを祓で洗い清めることによって生まれた神である】

★阿曇連
阿曇(安曇)は氏、連は姓
志賀島(福岡市志賀町)を本拠とした海人族。この島の志賀海(しかのわたつみ)神社は三柱の綿津見神を祀る

★いつく神
※斎く
※心身を清め、謹んで聖なるものに仕える

★宇都志日金析命
うつしひかなさくのみこと
名義未詳

★墨江(すみのえ)の三前の大神
住吉神社の三神
清の江
福岡市下関市の住吉神社は歴史が古く、日本三住吉と称される

綿津見神と、住吉の神を祀る古社は、北九州から壱岐、対馬にかけて分布し、大陸と航海を守護する海神の宗教圏を成していた

前→神を数えることば

★天照大御神
※天にあって照りたまう大神
※自然神としては日の神
※人格神としては女性の皇祖神
※伊勢内宮の祭神、神体は八咫の鏡

★月読命(つきよみのみこと)
※読(よみ)は数を数える
※月齢を数える神
※月の神
※壱岐は月読信仰の本拠で月読神社がある

★建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
※勇敢敏速に荒れすさぶ男の神
※すさ→出雲国飯石郡の須佐で、この首長がスサノオ説
※荒(すさ)ぶのスサ説
※出雲の英雄神で、暴風、農耕、植林、冶金などの神としての属性をもつ
※鼻から生まれたのは、鼻(風)は息を出す器官であり、この神の属性の一つが暴風神であるため



古事記 伊耶那岐命の禊祓 禍を直す神生まれる

2020-11-26 10:10:14 | 日記
その禍(まが)を直さむとして成れる神の名は
★神直毘神(かむなほびの神)
大直毘神(おおなほびのかみ)
★伊豆能売(いづのめ)

■【その禍をもとの状態に直そうとして生まれて三神が生まれた】

★神直毘神
※神(かむ)→美称
※禍をもとの状態に直す霊力をもった神
※直毘→古神道の中心(本居宣長)

★伊豆能売
祭祀に奉仕する神聖な巫女
ここにこの神を配したのは、三神にするためか





古事記 伊耶那岐命の禊祓 穢れにより成る神

2020-11-26 09:52:30 | 日記
■「★上つ瀬は瀬速し。下つ瀬は瀬弱し」とのりたまひて、初めて中つ背に★堕ちかづきて漱(すす)きたまふ時、成り坐せる神の名は

八十禍津日神(やがそまがつひのかみ)
大禍津日神(おほまがつひのかみ)

此の二柱は、其の★穢茂き国に到りし時、けがれ因りて成れる神なり

●【伊耶那岐命は、「上の瀬は、水の流れが速い。下の瀬は流れがゆるやかだ」と言われて、初めて流れのほどよい中の瀬に落ちるように、水中に潜って身の穢れを洗い清める時に生まれた神の名は

多くの凶事を司る
八十禍津日神
大禍津日神

この二柱は、穢れのひどい黄泉国に行った時に触れた穢れによって生まれた神である】

★上つ瀬
阿波岐原の上流
瀬を上中下の三波に分けるのは、三の聖数観念による発想で、海人族系の伝承に見られる

★堕ちかづきて
以下は本格的な禊の行事

★八十禍津日神
※八十(やつ)→美称
※禍(まが)→曲がっている
※凶事・災厄
※つ→助詞
※日(ひ)→霊力

この二神は人生の凶事を司るとするが、人生の凶事をただすという説もある

★穢茂き
黄泉国



古事記 伊耶那岐命の禊祓 身につける物を脱ぐによってうまる神々

2020-11-26 09:15:46 | 日記
■投げうつる御杖に成れる神の名は
衝立船戸神
(つきたつふなとのかみ)

【投げ捨てた御杖から生まれた神は、悪霊の侵入を防ぎとめる神】

★衝立船戸神
つきたつ→杖をつきたつ
ふなと→ここから先に来るな
穢れや悪霊の侵入を防ぎとめる塞の神

■投げうつる御帯に成れる神の名は
道之長乳歯神
(みちのながちはのかみ)

【投げ捨てた御帯から生まれた神は、長い道中を司る神】

★帯から連想

■投げうつる御嚢に成れる神の名は
時量師神
(ときはかしのかみ)

★御嚢
旅行に必要なものを入れる袋
袋を解いて食料などを量る意味か

■投げうつる御衣に成れる神の名は
和豆良比能宇斯能神
(わづらひのうしのかみ)

【投げ捨てたお召し物から生まれた神は、煩わしいことを司る神】

★和豆良比能宇斯能神
煩神
衣がまとわりついて邪魔から連想

■投げうつる御褌に成れる神の名は
道俣神
(ちまたのかみ)

【投げ捨てた御褌(みはかま)から生まれた神は、道の別れる所を守る神】

★御褌
男子用の股の割れた袴
★道俣神
二股の別れ道を司る神
袴からの連想



■投げうつる御冠に成れる神の名は
飽咋之宇斯能神
(あきぐひのうしのかみ)

【投げ捨てた御冠から生まれた神は、罪穢れを口をあけて飲み込む神】

■投げうつる左の御手の手まきに成れる神の名は
奥疎神
(おきざかるのかみ)
奥津那芸佐毘古神
(おきつなぎさびこのかみ)
奥津甲斐弁羅神
(おきつかひべらのかみ)

【投げ捨てた左手につけた手まきから生まれた神は
沖を司る神
渚を司る神
沖と渚の間を司る神】

★手まき
手首に巻く装飾品
手まきの玉は海神の所有物

★奥疎神
沖へ遠ざかる所を司る神

★奥津那芸佐毘古神
那芸佐(なぎさ)→渚、波打ち際
沖から波の打ち寄せる所を司る男神

★奥津甲斐弁羅神
※甲斐(かひ)→山峡(やまかひ)などの間(かひ)
※弁(べ)→辺
※羅(ら)→沖と渚の間を司る神

■投げうつる右の御手の手まきに成れる神の名は
辺疎神
(へぎかるのかみ)
辺津那芸佐毘古神
(へつなぎさびこのかみ)
辺津甲斐弁羅神
(へつかひべらのかみ)

【右手につけた手まきから生まれた神は
岸から遠ざかる所を司る神
渚を司る神
沖と岸の間を司る神】

★この、三神は奥疎神以下三神の奥(沖)を辺に言い換えたもの


■以上十二神(とおまりふたはしら)は、身につける物を脱ぐに因りて生れる神なり