るるの日記

なんでも書きます

古事記 葦原中国の国造りをして、統治者となった大国主神を黙認しない高天原側

2020-12-07 16:16:27 | 日記
天照大御神の命をもちて
「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国は、我が御子、正勝吾勝々速日天忍穂耳命(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)の知らす国ぞ」と言因(ことよ)さし賜ひて天降したまひき

★豊葦原之千秋長五百秋之水穂国
※とよ→ほめ言葉
※千秋長五百秋→千年も五百年も収穫の時が長く続く
※秋→収穫の季節
※水穂国→みずみずしい稲のできる国
※葦の豊に繁る原の、いつまでも豊な収穫が続く、みずみずしい稲のできる国として、稲を主食とする古代日本を祝福した、国のほめ言葉

★正勝吾勝々速日天忍穂耳命の知らす国ぞ
(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)
※天照大御神が須佐之男命と誓約(うけい)をしてできた第一子
※水穂国に稲穂の神が降りる

★言因さし
委任なさる

■天照大御神のお言葉で
「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国は、わが子の正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命が治める国です」と、その統治を委任して、子を高天原から降した


古事記 須佐之男命と神大市比売との間に生れた大年神の系譜

2020-12-07 14:47:21 | 日記
説話の流れから見ると、ここに入れる必然性はない。しかしここに現れる神には、
朝鮮の神や帰化人の秦氏の祀る神
年穀の神
その他有名神社の祭神が見え、注目される


故、其の大年神(おほとしのかみ)
神活須毘神(かむいくすびのかみ)の女(むすめ)、
❤️伊怒比売(いのひめ)に娶(みあ)ひて生みませる子
●大国御魂神(おほくにみたまのかみ)
●韓神(からのかみ)
●曾富理神(そほりのかみ)
●白日神(しらひのかみ)
●聖神(ひじりのかみ)
五柱

❤️香用比売(かよひめ)に娶ひて生みませる子
●大香山戸臣神(おほかがやまとおみのかみ)
●御年神(みとしのかみ)
二柱

❤️天知迦流美豆比売(あめのちかるみづひめ)に娶ひて生みませる子
●奥津日子神(おきつひこのかみ)
●亦の名は大戸比売神(おほへひめのかみ)
此の神は諸人のもち拝(いつ)く竈の神なり

●大山咋神(おほやまくひのかみ)●亦の名は山末之大主(やますえのおほぬしのかみ)。此の神は近淡海国(ちかつあふみのくに)の日枝(ひえ)の山に坐し、亦かづ野の松尾に坐して、鳴鏑(なりかぶら)をもつ神なり。

●庭津日神(にはつひのかみ)
●阿須波神(あすはのかみ)
●香山戸臣(かやまどおみかみ)
●羽山戸神(はやまとのかみ)
●庭高津日神(にはたかつひねかみ
●大土神(おほつちのかみ)
※亦の名は土之御祖神(つちのみおやねかみ)
九神(ここのはしら)

上の件(くだり)の大年神の子
大国御魂神より以下(しも)
大土神以前(まで)あわせて
十六神(とをまりむはしら)

羽山戸神
❤️大気都比売神(おおけつひめのかみ)に娶ひて生みませる子
●若山咋神(わかやまくいのかみ)
●若年神(わかとしのかみ)
●妹若沙那売神(いもわかさなめのかみ)
●弥豆麻岐神(みずまきのかみ)
●夏高津日神(なつたかつひのかみ)
※亦の名は夏之神(なつのかみ)
●秋毘売神(あきびめのかみ)
●久々年神(くくとしのかみ)
●久々紀若室蔦根神(くくきわかむろつなねのかみ)

上の件羽山の子より以下
若室蔦根以前、あわせて
八神


★大年神
年穀の神
須佐之男命の子

★伊怒比売
※延喜式神名帳に出雲郡伊努神社が見える
※地名にちなんだ名
※島根県出雲市林木周辺

★大国御魂神
※国土の神霊
※どこの国か不明たが
天理市岸田町にある大和(おおやまと)神社は同名の神を祀る

★韓神(からのかみ)
朝鮮の神
出雲系の神は朝鮮と関係が深い

★曾富理神(そほりのかみ)
そほり→ソウル説あり

★白日神(しらひのかみ)
国生みで、筑紫国を白日別(しらひわけ)というが関係あるか

★聖神(ひじりのかみ)
※日知りの神で、暦(こよみ)の神
※『延喜式神名帳』に和泉国和泉郡聖神社が見える

★御年神(みとしのかみ)
年穀の神

★近淡海国(ちかつあふみのくに)
近江国

★日枝(ひえ)の山
比叡山
大津市坂本本町の日吉神社

★かづ野
山城国かづ野(京都市右京区)の松尾神社
秦氏が帰化して大山咋神を最初に祀った

★鳴鏑(なりかぶら)
鳴り鏑がついた弓矢
矢は雷神の象徴
雷神を祀った京都賀茂神社と関係がある

★庭津日神(にはつひのかみ)
庭を照らす日の神

★阿須波神(あすはのかみ)・波比岐神(はひきのかみ)
共に屋根の神

★大土神
大地の母神

★九神(ここのはしら)
実数は10神であるが、奥津日子神と奥津比売命を対とし一神と数えたか

★大気津比売神(おきつひめのかみ)
食物を司る女神

★若山咋神(わかやまくいのかみ)
大山咋神と同類

★若年神
大年神と同類

★妹若沙那売神
(いもわかさなめのかみ)
いもさなめ→早苗の女、田植えの乙女。以下の神々は田植えから収穫までの過程を表した神名

★久々年神(くくとしのかみ)
稲の茎の成長を司る神
くく→茎

★久々紀若室蔦根神
(くくきわかむろつなねのかみ)
※稲の収穫が終わり、新嘗祭をするために建てる新室を神格化
※くくき→茎木、室を建てる材料
※わかむろ→新しい室
※つな→木材を結ぶ綱
※ね→親しんで呼ぶ語



■先に須佐之男命の子として生まれた
♂️大年神が
神活須毘神の娘の
❤️伊怒比売と結婚して生まれた子は
大国御魂神
韓神
曾富理神
白日神
聖神

❤️香用比売と結婚して生まれた子は
大香山戸臣神
御年神

❤️天知迦流美豆比売と結婚して生まれた子は
奥津日子神
奥津比売命
別名・大戸比売神
この神は人々が祭り仕えるかまどの神

大山咋神
別名・山末之大主神
この神は比叡山に鎮座され
またかづ野の松野に鎮座され
鳴り鏑を持つ神

庭津日神
阿須波神
波比岐神
香山戸臣神
♂️羽山戸神
庭高津日神
大土神
別名・土之御祖神

♂️羽山戸神が
❤️大気都比売神と結婚して生まれた子は
若山咋神
若年神
若沙那売神
弥豆麻岐神
夏高津日神
別名・夏之売神
秋毘売神
久々年神
久々紀若室つな根之神











古事記 奈良県桜井市の大神神社の祭神、大国主神の助力で国造りをした説話。大神神社の鎮座縁起でもある

2020-12-07 10:34:49 | 日記
大国主神愁(うれ)へて告りたまはく、「吾、独(ひとり)して何(いかに)かよく此の国を得作らむ。いづれの神か吾とよく此の国を相作らむ」とのりたまひき

この時、【海を光(てら)して依り来る神】有り。其の神言りたまはく
「よく我(あ)が前を【治めば】、吾(あれ)よく共与(とも)に相作り成さむ。もし然らずば、国成り難(がた)けむ」とのりたまひき

大国主神、日(まお)したまはく
「然らば治め奉(まつ)る状(さま)はいかに」とまをしたまへば
「吾(あ)をば【倭(やまと)】の青垣な東の山の上(へ)にいつき奉れ」と答へ言りたなひき。此は【御諸山(みもろやま)】の上(へ)に坐す神なり

★海を光(てら)して依り来る神
大穴貴神(おおあなみちのかみ)
大国主神の幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)

★治めば
神霊を鎮め祭る

★倭
桜井市にある三輪山
大神神社の神体山

★御諸山
みもろ→神の降りこもる所
三輪山
『出雲国造神詞賀』には大穴持命が、自分の和魂(にぎみたま)を鏡につけて、「倭の大物主櫛みか玉命」と名を称えて、三輪山に鎮めよと言った

■残された大国主神は困って
「私一人でどうして、この国造りができようか。どうゆう神ならば私と協力してこの国を作ることができるだろうか」と言われた

この時、海上を照らして近寄って来る神があった。その神は
「よく私の御魂を鎮め祀れば、私はあなたと協力して国造りを完成させよう。そうしなければ国は完成し難いだろう」と言われた

これを聞いて、大国主神が
「それならば、あなたと御魂を鎮め祀るにはどうしたらよいでしょうか」と申あげると、その神は

「私の御魂を、大和の青々と垣のようにめぐらしている山々の、東の山のほとりに、身を清めて祀りなさい」と言われた

この神こそ神の天降りこもるという御諸山のほとりに、鎮座される神である



古事記 少名毘古那神・案山子神

2020-12-07 07:17:00 | 日記
神産巣日(かむむすび)の御祖命(みおやのみこと)に白し上げたまへば、答へて告りたまはく
「此は実(まこと)に我が子なり。子の中に我が【手俣よりくきし子】なり。故、汝(いまし)、葦原色許男命(あしはらのしこおのみこと)と兄弟(あにおと)となりて、その国を作り固めよ」とのりたまひき

故、それより大穴牟遅(おほなむじ)と少名毘古那と、二柱の神相並ばして、此の国を作り堅めたまひき
後には、其の少名毘古那神は【常世国】にわたりましき。

故其の少名毘古那神を顕はし白(まお)せし、久延毘古は、今に山田の【そほど】といふ者なり。此の神は足は行かねども、ことごとに天下(あめのした)の事を知れる神なり

★手俣よりくきし子
手の指の間を抜け出る

★常世国(とこよのくに)
永遠の国
海のかなたにあると信じられた理想郷

★そほど
案山子の古名
案山子が田の神とされた信仰

■大国主神が神産巣日神の御母神はにそのことを申し上げるど、御母神は「これは確かに私の子です。多くの子の中で、私の手指の間から漏れ落ちた子です。少名毘古那神は葦原色許男命と兄弟となって、その国を作り固めなさい」と言われた

それから大穴牟遅と少名毘古那の二柱の神は互いに協力して、この葦原中国(あしはらのなかつくに)を作り固められたのである

しかし後には少名毘古那神は海のかなたの常世国に渡ってしまった

少名毘古那神の名を明かした久延毘古は、今では山田の「そほど」と言われる神である。この神は歩くことはできないが、天下のことは残らず知ってる神である

古事記 ひきがえる・案山子の久延毘古と・名毘古那神

2020-12-07 06:16:14 | 日記
【大国主神】、出雲の【御大(みほ)の御前(みさき)】に坐す時、浪の穂より【天の羅摩船(かがみのふね)】に乗りて、【鵝(ひむし)】の皮を【内剥(うつは)ぎに剥ぎ】、衣服(きもの)にして、帰(よ)り来る神有り。ここに其の名を問ひたまへども答へず。また【所従(みとも)】の諸の神に問ひたまへども、皆「知らず」と白(まお)す。

ここに、【たにぐく】白言(まを)さく「此は【久延毘古(くえびこ)】ぞ知りたらむ」とまをせば、即ち久延毘古を召して問ひたまふ時、「此は神産巣日神(かむむすひのかみ)の御子、【少名毘古那神(すくなびこなのかみ)】ぞ」と答え白しき

★大国主神
葦原色許男神、大穴牟遅神も見え不統一であるが、出雲国風土記には、大穴牟遅神と少毘古那は大小の対をなして並記されている
ここも大穴牟遅神とするのが原形だろう

★御大(みほ)の御前(みさき)
島根県八束郡美保関町の岬

★天の羅摩船(かがみのふね)
あめの→神聖
かがみ→蔓草のががいもの古名、その実は細長くて、割ると舟の形になる

★鵝(ひむし)
蛾を鳥とみたてて、飛鳥
ひむしの語源は霊虫(ひむし)

★内剥ぎに剥ぎ
丸剥ぎ

★所従(みとも)
大国主の従者

★たにぐく
ひきがえる
谷をくぐることから命名

★久延毘古(くえびこ)
案山子の古名

★少名毘古那神
大穴牟遅神の対称
小人の姿で常世から訪れる神

■大国主神が出雲の美保の岬にいらっしゃる時、波の上をががいもの実で作った舟に乗って、蛾の皮を丸剥ぎに剥いで、それを衣服にして近寄ってくる神があった

その名を質問されたけれど、その神は答えなかった。お供の神たちに聞いたがみな知らなかった

ひきがえるが、「案山子(かかし)の久延毘古なら、きっと知っているでしょう」と言ったので、すぐ久延毘古を呼んで尋ねると、久延毘古は「この神は神産巣日神の御子の少名毘古那神です」と答えた